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第32話の余談

余談が多く、話数を分けました。

この方が読みやすいかと。

第32話の余談


余談

「タマモ!」

「なんでありんすか?そんなに慌てて」

「にゃんでもかんでもじゃにゃいにゃ!」

「にゃが多いわね」

「次郎様のことにゃ」

「ああ……アレでありんすね……はぁ」

タマモの瞳が陶然とし始める。

「詳しく!」

「次郎様が魔馬に跨がった際に、それは起こったでありんす。

大きな魔馬にお乗りになる次郎様もお可愛らしゅうありましたでありんすが、突如、逞しい武士もののふの如き漢に成られ……いや、数多の貴族達よりも尊いお姿に」

「身長は?身長」

「身の丈はちょうど6尺ほど……ああ、また逢いたい」

「古臭い寸法にゃ。でも身長180cmか。あたしとピッタリにゃ」

「お顔と来たら、それはもうむしゃぶりつきたくなるほどの……コホン、いつもはくりっとしたまん丸の目も可愛らしゅうて良いですが……」

「ですが?」

「その目がそのままに鋭くなっておりんした。

大人の顔つきでですよ!

鼻筋がキレイに通り、引き締まった頬!

そしてそのお顔でフッと笑うと、もう堪りません!」

「あんたまた口調が違うにゃ。

でも、イケメンってことは伝わるにゃ」

ますます酔いが深まるタマモに、

「か、身体はどうにゃ?」

「さすが軍事訓練で鍛えたお身体、均整のとれた素晴らしきものでありんした。

お腹が露になった瞬間も見逃しません。見事に筋肉で割れてありんした。

ああ、指を這わせてみたい……。

ですが!」

「ですが?」

「もそっとお近く寄りたかったのに、前鬼ぜんき後鬼ごきが左右の護りを固めよって~!

憎きヤツラよ」

「まあ、元々護衛役だからにゃ~」

(ナイス前鬼後鬼♪)

「さらに腹が立つことに、ナターシャや牛乳女ぁ」

「エリシャンテにゃ」

「フラフラと行灯に吸い寄せられる蛾の如く!」

「まあ、そんだけイケメンにゃら仕方ないんじゃにゃい?

どうせ、そこにいた女は全部次郎様に釘付けになってただろうしにゃあ」

「単なるヒト如きが次郎様に近寄ろうとは、不届き千万。

アヤメ、明日からはあちき達が次郎様の両脇を固めるでありんす!」

「や、それは賛成にゃんだけど……前鬼と後鬼がにゃ~」

「そうでありんした……」

なんだかんだと仲の良い二人だった。


余談

あれが本来の鈴木次郎様か。

なるほど、お強そうだ。

体力検定で特級を取れるのもわかる。

自分は1級が精一杯であったが。

いつもの優しげな雰囲気を纏いつつ、鋭さが増した上に実際の体格よりも大きく見える。

将の器、と言うのだろうな。

自衛隊で指揮下に入ってみたかった。

いや、この異世界では実際に指揮下に入れるのだ。幸せと言えよう。

しかし、女どものうるさいこと。

まるでアイドルに群がるファンの如く鬱陶しい。

鈴木様も一言二言交わして、うまく躱しているようだ。

「皆、訓練中だ。集中しろ」

鈴木様から引き剥がすべく、号令する。

女性達からは鋭く睨まれたが、鈴木様と目が合うとニッコリとされ、口の形がアリガトウとなっていた。

鈴木様も他事で苦労されるな。

気苦労くらいは拭って差し上げよう。


余談

「ジロー様。汗をおかきになってます。

お拭きいたしますね」

「あら、ありがとう」

ナターシャが懐から取り出したタオルを横から引ったくり、ニッコリと微笑む後鬼。

「ええー。いいよ、自分でやるよ。恥ずかしい」

と言いながら、後鬼に顔を拭われる次郎。

「はい、あなたには新しいタオルをあげます。

洗濯の手間が省けて良いでしょう?」

後鬼は、次郎を拭いたタオルを懐に仕舞い、新しいタオルをナターシャに渡す。

「あ、そっちのタオルの方が……」

ナターシャの言葉が萎んでいく。

「ジロー様ぁ。喉が渇きませんかぁ?

こちらをどうぞ~」

エリシャンテが水筒を渡そうとする。

「ご主人様はご自分でご用意されています。それも無尽蔵に」

後鬼が前を遮る。

「でもぉ、コレ果実を絞って混ぜ込んであるんですぅ。

健康に良いし、おいしいですよぉ」

エリシャンテも負けてない。

「ご主人様の取り出す水は、ご本人の浄化が掛かっており、数多の液体よりも身体に良いものとなっていますので、不要です」

後鬼は受け付けない。

あの手この手で女性陣が次郎に近付こうとするが、後鬼のガードは堅い。

すると、正義まさよしの号令が掛かり、しぶしぶ散らばって行った。


余談

次郎の傍らにいた前鬼が、馬の歩を進め次郎から離れて行く。

「タマモ、何故こちらに来る。

訓練中であるぞ。

貴様は指導役であろう」

「あちきの生徒達が次郎様にたかってしまい、連れ戻すところでありんす」

タマモが正道を述べる。

「ほほう?

だが、今、ご主人様に近寄ろうとすれば、嫌われるやも知れんなぁ。

寄ってくる女子おなごどもに辟易されているフシが見受けられるのだがなぁ。

嫌われても良いのなら、止めはせんよ」

ニヤッと笑う前鬼。

「ふぐっ」

前鬼を激しく睨み付けるタマモだが、嫌われる要素は極力取り除きたい乙女の心理の葛藤に懊悩する。

すると、正義の号令が響き渡る。

「良かったな。

これで嫌われなくてすむぞ、タマモよ」

前鬼は、笑いながら手綱を返し、戻っていく。

「ぜーんーきー!」

タマモの怨嗟を背で受け止め、さらに笑う前鬼。

次郎の新たな能力が開花しましたね。

人間の筋力は20歳頃をピークに、運動を続けていれば40代までは維持出来るとされています。

自分も35歳でやめずに格闘技続けていればな、とは思います。

そうそう、脳は40代でも成長続けるそうですよ♪

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