表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/249

第28話 武闘大会終了

ようやく、悩んだ武闘大会も終わりになります。

あまり登場人物を増やしたくない作者の意向もあって、この程度に納めました。

読者の要望があるようなら……書くのかなぁ?

模範試合のあとも、まだまだ試合は続いた。

如何に自分の得意な状況に持ち込めるかが勝敗を決するようだ。

マーリン戦のように、両者の特長がぶつかり合う方がマレだ。


しかし、第十八試合はまさに両者の得意技をぶつけ合う好試合となった。

それがリントの出場した試合だった。

いや、やめて、ウチのリントを傷つけないで、という本音を隠しつつ、応援した。

そりゃ、声が張り裂けんばかりに。

リントはナターシャから教わってる弓魔法で挑み、相手は火魔法の使い手だった。

両者の放つ魔法が派手なせいもあって、観客席の声援が激しく揺れる。

両者とも、いくつか掠めたり、足元で炸裂して吹き飛ばされたりと満身創痍の状態。

そろそろ魔力切れしないかとハラハラしていると、リントが自らの足下に弓魔法を放った。

すると、リントが衝撃で宙に舞い、さらに今度は横に弓魔法を放つ。

衝撃で宙を移動しながらも、攻撃を矢継ぎ早に行うリント。

対戦相手は、こちらも連続で火魔法を放つが、常に移動し続けるリントを捉えきれないようだ。

そんな状況にもかかわらず、焦ることなく火魔法を放っていた魔術師が、突如、前のめりに倒れた。

背面から弓魔法を受けたのだ。

「勝負あり。勝者、リント」


拍手喝采だね。

それはもう、両の手のひらが真っ赤になるくらい。

「次郎様、うるさかったにゃ」

「え?僕?」

「「あっ」とか、「わわっ」とか、「ひょえー」とか、ありとあらゆる感嘆詞が聞けた気がするにゃ」

「そ、そんなこと……」

「いったい「はにゃー」とはどういう感情の動き方をしやんしたでありんすか?」

い、言ってないもん。そんなこと。


「ジロー様、勝ちました」

リントが土だらけ泥だらけ、おまけにあちこち傷だらけのボロボロの姿で報告してきた。

そんな姿でもリントの笑顔が眩しい。

「リントを信頼してるから、落ち着いて観られたよ。

でも、よく勝った。おめでとう」

周りの視線が僕に突き刺さるが、無視してリントを称える。

「相手も冷静な人で強かったです」

「リント、よくやりましたね。おめでとう」

師であるナターシャも褒め称える。

「よく見て学んでいるようじゃな。

最後の一撃も善きでありんした。

どこぞの師と違って、応用も利くようでありんすなぁ」

「ありがとうございます。

タマモ様からも褒めていただけるとは、身に余る光栄でございます」

左手にあった弓を右手に持ち変え、左手を腹部に当て、弓を携えた右手を後ろに回し、優雅に一礼するリント。

後鬼ごきの教育の賜物だ。

あ~、ナターシャは睨んじゃダメって。キレイなお顔がキッてなってるよ。

ほら~、タマモの笑みがさらに深くなるじゃん。

「地中に曲射を打つのは初めてでしたので、うまく狙いが定まらず、頭部に行きませんでした」

「良い良い。それも善き経験となろうぞ」

タマモ、最後の「なぁ」でナターシャを見るのは余計だって。

ナターシャも弓を握るのは止めよう。ね、ね。

弓がギリギリと変な音を出してるよ!強く握り過ぎだって、ほら。


その後、第二十五試合まで実施して全試合終了となった。

そんなに武闘派が多いんだ。

住民の約半数が参加したことになるじゃん。

参加者は全員、僕の治癒術を受けてもらった。

骨折した人は出たが、後遺症が残るようなケガ人が出なくて良かった。

ドラド族は「神子様自らなさるほどでは」「なんと畏れ多い」とかまだ言ってる。

エルフ達や獣人達は、「ジロー様だから」でもう慣れてくれた。

僕が参加者を治療している間、他の住民達は夕ごはんの準備をしてくれているようだ。

ちなみに、後鬼は僕のそばにいるようにと命令して、そっちに行かせないようにした。

だって、一日中審判やってて休憩無しだよ。

途中、何度も休憩入れてって言ったのに、「進行がありますので」と、言うことを聞かないんだから。

全試合終了の合図で後鬼の下に猛ダッシュ。

後鬼の手を握って、参加者達のところまで連行。後鬼に「僕のそばにいろ!」と強い口調で命令。参加者の治療を開始の流れだ。

ウチはブラック企業じゃありません。

労働基準法は遵守よ、遵守。絶対。

治療も終わり、屋外共同炊事場に行くとトレーに乗った夕食を受けとる。

そこには、やはりというか、トン汁が鎮座ましましてた。おにぎりも。

後鬼抜きの住民達だけで料理したごはん。十分美味しかった~。

ごちそうさまでした。



余談

「嬉しそうだな、後鬼」

「だって、次郎様があれほど心配なさってくださいましたもの」

「次郎様が後鬼を連れ出す様も、子が母と手を繋いで散歩に出かけるようにも見えたものだ」

「同じことよ」

「うむ。次郎様は主君でもあるが、我が子も同然よな」

「ええ。愛しい子」


気づきました?

前鬼と後鬼は、夫婦二人だけの時は「ご主人様」ではなく、「次郎様」と呼んでいます。

これからも、この二人と次郎の関係性を描いていきます。

お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ