表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/208

第23話 サンドイッチ

たま~にサンドイッチは作ります。

スーパーで安売りの8枚切りの食パンを見つけて、その気になった瞬間だけですが(笑)。

面倒くさがりな自分は、ツナにマヨネーズを仕込むだけでツナマヨサンドにしちゃう。

ホントは玉ねぎのスライスを、水に晒してから刻んだものを混ぜ込んだ方が良いに決まってるんですが、割愛しちゃう。

レタスは冷蔵庫にあった時だけ挟みます。

玉子サンドも、ゆで玉子作るの面倒なので、玉子焼きを挟むパターンに。

玉子焼きは、ダシと砂糖を入れてだし巻き玉子にします。

マヨネーズをキレイにパンに塗ることもなく、パンの上にだし巻き玉子を乗っけてマヨネーズを少しだけチュルと出して挟んじゃいます。

今のマヨネーズは、細く出せるキャップが付いてるから便利ですよね。

ドラド族を連れての移動二日目は、携行食がおにぎりではなく、サンドイッチに変身していてビックリした。

飽きが来ないように、との後鬼ごきの采配だ。

ちゃんと食パンを焼いて、後鬼がカットすると獣人達がが「白パンだ」と騒いでいた。

彼らは黒パンと呼ばれるライ麦パンを主食としていたらしい。

相当固いパンみたい。

ごくたまに訪れる商人が白パンを試食させてくれて、その味と柔らかさを知ったそうだ。

しかし、高価でなかなか口にすることが出来なかったようだ。

そうか、商人か。

いずれ出会いたいものだ。


後鬼は、焼けた食パンの両サイドを切り、薄切りサイズにカットしていく。

パンの耳もカット。

まずは、後鬼がお手本として具を挟んでいく。

レタス(まだ栽培してない)を1枚乗せ、キュウリの薄切りを敷き詰める。

そして薄切りより少しだけ厚めにカットされたトマトを重ねながら、パンの幅に広げる。

そこでドレッシングの登場だ。

後鬼特製のドレッシング。レシピは不明。

後で食べてわかったことは、ノンオイルのしそドレッシングに近いような、でもなんとなくオイリーな味わいもある不思議な味ということくらい。


調理の話に戻る。

ドレッシングを掛けた後、キュウリの薄切り、レタス、パンの順に重ねて半分にカット。

トマト野菜サンドの完成だ。

他にも玉子焼きサンド、茹でたトリ肉をほぐしたチキンサンド、ツナマヨサンドを作り上げていく。

ちなみに、卵は飼育している鶏舎からの調達。

もうニワトリモドキも50羽ほどに増えてるよ。狩猟班が優秀な証拠。

食べられるトリは、狩猟班にナターシャが入った時に得られる限定品だ。

それも一度の狩りで50羽以上射止めてくる。その時のナターシャ以外のメンバーは荷物持ちと化す。

ツナマヨは、ツナもマヨも後鬼の不思議術産。

それにしても、今回はレタスが活躍してるなぁ。

モドキで良いから、この森で見つからないかなぁ。

アヤメにお願いしてみようっと。


手本を終えた後鬼は、住民をパン焼き班、食パンカット班、中の食材準備班、食材重ね班、サンドイッチカット班に分け、分業化させるようだ。

手先が器用でない者達は、それぞれの班がトレーで出されたものを次の班に渡していく作業で協力していく。

ドワーフ達は皆手先が器用なので、全ての班で活躍していた。正確で迅速な手さばきに感心した。

タマモはヒルコをあやしながらパン焼き班にいたが、アヤメが全ての班で大活躍していた。

アヤメは器用なもので、全ての作業を誰よりも早くこなしていた。ドワーフよりも速くきっちりと。

進捗が遅くなった班に素早く入り、うまくフォローしているようだ。

アヤメが「惚れた?惚れたかにゃ?」とすれ違い様に笑って声を掛けて行ったが、いやホント、ちょっとホレた。


そうこうして出来上がったサンドイッチを収納して、いざ走り出したが、まだみんな作業しているようだ。

彼らの夕ごはんもサンドイッチなんだね、きっと。

今日の避難民達との合流は、昨日の半分も掛からなかった。

順調に歩を進めたようだ。

予想よりかなり速いペースで進んだみたい。

なんでも、拠点に到着するとトン汁が振る舞われると、宣伝しまくってたらしい。

そんなんで、疲れている避難民達の足が速まるの?

やはり、食欲は力の源か。

「皆さーん。今日のごはんはサンドイッチですよー」

声を掛けると、手洗い待ちの順番待ちがキレイに並び始めた。

昨夕と今朝で学習し、並び方もスムーズだ。

手洗いを終えた人からサンドイッチの桶に来るが、何かよくわかっていない風な顔をしつつ、手に取っていく。

サンドイッチを知らないが、食べ物というのはわかるので、手に取るという感じだ。

「種類もいくつかあるので、全て取ってくださーい。

気に入ったのがあれば、それをおかわりして良いですよー」

「はい!」、とちゃんと返事もしてくれる。


「白パンに具を挟んだのじゃな。贅沢なものよ」

「おおっ!?白パンか!めったに口に出来ないやつ!」

ドアンの解説に、ハヤテがややテンション高めに応える。

「焼きパンとは違うのでしょうか?」

ナターシャの言う焼きパンとは、おそらく無発酵パンのことだろう。

「まず食べてみて。たぶん、一口で違いがわかると思う」

無発酵パンとは、味と香りに違いがはっきり出る。

「ああ、これはおいしいですね。全体としてもおいしいですが、特にパンが良いです」

違いのわかるナターシャさんのおかわりは、僕の勝手なエルフのイメージの野菜サンドではなく、自分が仕留めたトリ肉サンドでもなく、ウチの自慢の鶏舎で採れた玉子焼きサンドでもなかった。

美人エルフを射止めたのは、ツナマヨサンドでした。

でも、全てのサンドイッチが美味しかったのは言うまでもない。

ごちそうさまでした。


明日も2話投稿予定です。

あれから、予定投稿機能がエラーを起こしていないようで、ホッとしています。

毎日、お昼の12時と12時半に投稿しています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ