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第109話 八咫烏の技

コツコツとオーガを討伐していく次郎。

そこへ、アヤメとタマモが合流する。

あれから五十体以上のオーガを討伐した頃、前方の宙を進んでくる者がいた。

アヤメとタマモだ。


もうここまで来たのか。さすがだな。

二人は僕のところまで来ると、飛行術を解いて地上に降りてきた。


「次郎様の闘い方はとってもカッコいいにゃ」

「ああ……惚れ惚れするでありんす」

「ここまで来た二人の半分も倒していないんだけど……」

全然カッコ付かない。

「あたしはあんにゃ風にできにゃいもん」

「ええ、あちきにも無理でありんす」

二人は妖術使いだから、それこそ戦闘スタイルの違いだよ。

「いっぱい敵を倒せる二人の方がスゴいよ。

僕には出来ないから、二人を尊敬するね」

「そんにゃ」「まあ、嬉しい」

二人が嬉しそうに笑ってる。

「後ろの方はだいたい終わってるの?」

「ええ、殲滅してありんす」

「バッチシにゃ。

雑魚は無視したけど」

「それでいいよ。

あとはヤタがなんとかしてくれるさ」

「「八咫烏やたがらすが?」」


(あるじ……呼んだ?)

タイミング良く、八咫烏やたがらすが舞い降りる。

「ヤタ、また背中に乗せてくれる?」

(いいよ...…乗って乗って)

八咫烏やたがらすの背に跨がり、ゴーグルを装着する。


「ヤタ。

今度は雑魚敵の真上を飛んで欲しいんだけど、スピードは緩めでね。

僕が道を造るから、その後を飛ぶようにして欲しい」

(ん~と……よくわからないけど、わかった)

まあ初めてのことだから、やりながら調整していこう。

「あ、またにゃんかやるんだ」

「ずるい! あちきにもして欲しいでありんす」

「また今度ね。

じゃあ、行ってくる」

八咫烏やたがらすが一声鳴き、大空へと羽ばたく。



「まず、雑魚敵のところまで行こう」

(わかった)

殲滅されたオーガの上を飛ぶ。

アヤメとタマモは完全に殲滅したようだね。

オーガの死体が一列に続いている。

時折、天狗ともすれ違う。

取りこぼしの無いよう、止めを刺しているようだ。

さすが天狗のやることはきっちりしている。

「もうすぐ雑魚敵が見える頃だね。

少し手前で速度を落として、低空飛行に移って」

(うん)


敵が見えた。

こちらも一列縦隊だ。

「道を造るよ。

道が出来たら、ヤタの得意技で敵を殲滅」

(ボク、がんばるよ)

「張り切り過ぎないように。

威力はいつもの半分以下に抑えてね」

(???…………わかった)

ステータスボードのインベントリを準備する。

そして、そこから大きな鉄板を敵の両サイドに刺していく。

垂直に刺さずに、やや内側に傾けるように刺していく。

中に居る者は圧迫感を感じるだろう。


「いいぞ。

ヤタ、始めろ!」

ピーヒョロロと攻撃の鳴き声を上げて、八咫烏やたがらすの身体も輝かしく発光する。

鉄板に囲われた敵の真上を低空飛行しながら、八咫烏やたがらすの技が発動する。

すると、敵は先頭から順々に爆砕していく。

中には頭が破裂した後、燃え上がる者もいる。

僕は後方の鉄板を回収しつつ、前方に刺していくのを続けている。


(すごい!すごいよ!

いつもの半分しか出してないのに、みんな爆発してる!)

「ヤタ、もっと抑えてもいいぞ」

さらに威力を落としたはずが、結果は変わらずに敵は爆砕していく。

(ヤタ、もう十分の一くらいしか出してないのに、まだ爆発してるね。

全然疲れないし、なんか楽しくなってきた)

ヤタが嬉しそうだ。


八咫烏やたがらすの必殺技を度々見てきて、ある仮説を立ててみた。

八咫烏やたがらすはマイクロ波を照射しているのでは?と。

敵が爆砕したり、黒焦げになっているのに、熱気が無いのが不思議だった。

それが妖術と言われればそれまでだけど、理系の悪いクセが頭をもたげてしまった。

この現象、何かに似てないか?

そう、現代人の家庭に無くてはならない物。

電子レンジだ。

電子レンジそのものには熱源が無く、中に物が無ければ安全な家庭用品だ。

電子レンジは、マイクロ波を照射して、食品の内包している水分子を振動させて温める。

ただし、殻付きの卵や金属製の物を入れると危険。

卵は、熱による中身の膨張に殻が耐えきれず、爆発を起こす。

金属はマイクロ波を反射するので、電子レンジそのものを痛めてしまう。

これらを八咫烏やたがらすの必殺技に当てはめると、胸にストンと落ちた。


なので、大きな鉄板で敵を囲うと、今まで通り抜けてたマイクロ波が反射して、より効果が上がると思ったんだ。

ちなみに、前鬼ぜんきに説明して、ドワーフに加工してもらう為に鉄のインゴットをせがんだら、鉄板そのものをくれた。

前鬼ぜんきが、なぜ鉄板を持っているかは謎。


八咫烏やたがらすの無双が続いているが、僕の方は大変だ。

鉄板の出現先の設定、鉄板の地面との角度調整、鉄板の回収する距離等を調整しながら、同時にインベントリの設定に記録していかなければならない。

少しでも、八咫烏やたがらすの負担が少なくなるように。


よし!調整完了だ……と思った時にはもう最後尾に来ていた。

ヤタ、ごめん。

次はもっと上手くやるよ……。


八咫烏やたがらすは、最後の敵を爆砕した後、大きく旋回し、来た道の上空を先頭に向かって飛ぶ。

うん。上手く殲滅出来てるね。

その途中で、見学していたらしいアヤメとタマモと合流した。


「また派手にやったにゃあ」

八咫烏やたがらすも疲れたでありんしょ?」

(ん~ん、全然。

いつもの十分の一も力出してないの)

「にゃ!」「えっ!」

(あるじのおかげ。

楽しかったあ)

「十分の一以下って……いつもより激しく爆発してたでありんすよ!?」

「そうにゃ。

ドーンでバーンだったにゃ」

アヤメの表現はいつもワケわからん。


そうこうしてる内に、烏天狗からすてんぐの下へ戻ってきた。

「鈴木様、お疲れ様でした。

八咫烏やたがらす殿も。

拝見致しましたぞ、その無双振り。

いやあ、見事で御座った」

そうか。烏天狗からすてんぐ遠見とおみの術で見えるんだ。

「ヤタがすごいんだ。

家族になってくれて、ホント良かった」

八咫烏やたがらすがピーと鳴いて、嬉しそうに翼を広げる。


あやかしの戦闘は派手ですね。

代わりに主人公の戦闘は地味の一言。

これで良いと思います。

この物語は、次郎の視点でストーリーが進んでいきますが、あやかし達の活躍をお見せしたくて始めたのですから。


これからも、応援宜しくお願い致します。

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