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第103話 ミーシャ対スレッガー

ミーシャとスレッガーが対峙する。

果たして勝負の行方は?


深森のエルフ編はまだまだ続きます。

お楽しみに。

ミーシャちゃんとスレッガーが皆から離れていく。


僕を含むギャラリーが固唾を飲んで見守っている。

審判はアヤメがするようだ。

何かあっても結界を張って防ぐことが出来るからね。

対戦する二人の距離がやや遠い。

二人とも弓の射手だからか。


「両者良いかにゃ。

…………。

始め!」

開始の合図と同時に両者が矢を射る。

ミーシャちゃんは身体をずらして避け、スレッガーは右手に短剣を握って斬り払う。

「ふん。影矢か。

所詮は子供だな」

スレッガーが呟くように言う。

「大人と子供の違いを見せてやろう」

そう言ったスレッガーが弓を引くと、矢が光り出す。

弓魔法だ。

ブンッという音と共にそれが射られる。

その後にミーシャちゃんからも弓魔法が発射される。

こちらは七色の魔法矢だ。

その内の一つがスレッガーの魔法矢を迎撃すべく見事中るが、逆に弾かれてしまう。

が、いつの間にか二射目が発射されており、それが相殺に成功していた。

それどころか、相殺した魔法矢以外が大量にスレッガーを狙う。

これにはスレッガーも慌てて回避や短剣に魔法を通して切り払っていた。


その合間にも両者の魔法矢が飛び交う。

スレッガーは切り払いと木に飛び乗ったりして躱していくが、ミーシャちゃんはまるでホバー走行のようにスライドして躱していた。

ミーシャちゃんが三人居ればジェットスト○ームアタックが出来るのに……。


「魔王の娘のことだけはあるな。

肝が冷えたぞ」

「安心するのはまだ早いの」

その声はスレッガーの頭上の木の上からした。

「あ、上手い」

思わずリントが口をついていた。

ミーシャちゃんは魔法矢を大量に発射した後、それを目眩ましにして木から木へとパヒュンパヒュン……もとい、跳び移っていた。

そして今、スレッガーの真上から大量の魔法矢が降り注ぐ。

「うおおおっ!」

スレッガーも回避しきれず、いくつか被弾する。


「とうっ」

可愛い掛け声と共に、スレッガーの背面の宙に跳びつつ、また弓魔法を展開する。

よ、容赦無い攻撃だ。

スレッガーは振り向いて、大きい魔法矢を発射してミーシャちゃんを狙う。

ミーシャちゃんに命中する軌道だったが、その直前に大きな土壁がそそり立ち、それがスレッガーの魔法矢を阻んだ。

矢継ぎ早の攻防に、次はどうなることかと固唾を飲んでいたら、突然スレッガーが前のめりに倒れた。


「タマモお姉ちゃんの教え通りはなかなか出来ないの。

土の中に上手く矢を通せないの。

ミーシャ、まだまだ未熟なの」

倒れたスレッガーの背中を見ると、衝撃跡が見受けられる。


「あれは魔法矢の遅延発動ですね」

リントが説明してくれる。

ああ、リントが「上手い」と発言した時に、その遅延発動の魔法矢を出していたってことか。

しかも、わざわざ声に出して自分の方に相手を向けさせるって、かなり高度な戦術ではないか。

恐るべし、魔王の娘。

あ、なんか、ミレイユさんがこちらを睨んでる。読心術持ってないよね? よね?



「勝負ありにゃ。

勝者、ミーシャ」

おおっと言う歓声も上がり、僕も拍手でミーシャちゃんを迎える。

ミーシャちゃんは倒れているスレッガーにわざわざ一礼してから、こちらに戻ってくる。


「タマモお姉ちゃん、ごめんなさいなの。

土の中を上手く通せないから、ちょっとズルしたの」

ミーシャちゃんの開口一番がタマモへの謝罪とはな。

「良い良い。

出来ぬなら出来ぬなりに頭を使ったのであろう?

あちきが伝えたのはそういうことでありんす。

何も土の中を通せば良い、ということではありんせん。

まあ、今回はよくやったと褒めておくでありんす」

タマモがミーシャちゃんの頭を撫でる。

「えへへ、ミーシャ、褒められたの」

「ミーシャちゃん、ホントにすごかったよ。僕も褒める褒めまくる!」

僕もミーシャちゃんを絶賛する。

「わあーい、ジロー様からも褒められたの」

ミーシャちゃんの天真爛漫さが爆発してるね。


「ミーシャ、こっちへいらっしゃい」

振り向いたミーシャちゃんの顔が一気に顔面蒼白になる。

「お母さんが怖いの。

天国から地獄なの……」

ミーシャちゃんの足取りが重くなっていた。


「あなた、魔法矢の威力で大幅に負けてたわね。

それに多重展開で5射しか出てなかったし、狙いも甘かった」

「はいなの……」

「移動は風魔法で途切れなく動いていたのは良かった。

土魔法の防御もマシだったわ。

遅延発動のタイミングもまあ良しとしておきましょう。

ギリギリ及第点ってところね」

「それは褒められてるの?

それともダメだったの?」

「お姉ちゃんは厳し過ぎるのよ。

ミーシャちゃん、今のは勝ったんだし、褒めてるのよ」

「お母さん、褒めてくれるの?」

「……もう、ナターシャも余計なこと言って!

自分の子には厳しくするのは当たり前なのに。

…………ミーシャ、今日のところは褒めておきます。

勝っておめでとう」

「はいなの!」


ミレイユさんに飛び付くミーシャちゃん。

素敵な光景だ。

ミーシャちゃん、強し!

いや、アズナブル氏族そのものが強いのか?

緑森のエルフ達も大樹の加護を得ているので、それが結果に現れたのか?

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