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4年目 1
返信が来るか半信半疑だった。
そもそも最初彼女にメールを送りたくてたまらなくなったのは、出張先が彼女が大学時代からずっと住む街だったからだ。それが諸事情で出張先が福岡に代わり、それでも彼女のことが頭から離れず、スルーされることも覚悟の上で送ったメールに彼女はちゃんと返信してくれた。会うのは共通の知人の祝い事の席以来なので10年以上ぶりなのに変わってなくスパンなどなかったような気さくさとマシンガントーク、相変わらずの彼女だった。
俺は何を求めてメールして、途中下車して彼女とコーヒーを飲んでいるのか自分でもよくわかってなかった。欲望は皆無ではないだろう、でもそれを持ち出す雰囲気を彼女はけして与えてくれなかった。俺たちは他愛ない話を続ける。地元に図書館はあったかなかったか、同級生が今どうしているかなど。これ以上ないくらい楽しくリラックスし、彼女のトークと笑顔と仕草に癒され、そして別れる。
これを3年間繰り返した。