059_蛇くんの妹たちが来ちゃった。
「私には妹が三人います、
三子で、
名前は、あい、まい、みい、といいます、
とても可愛いです」
真顔でミカドに告げる蛇くんことナギ少年です。
「あーそういえば姪も産まれたと聞いてたな、
しかし今更なんだね?
急だな、まさに、
藪から棒なだな」
首を捻りながら、話すミカドです。
「いや、
壁から釘です」
真顔のまま続けます。
「粗忽長屋じゃないのだから」
呆れ顔のミカド様、
というか、落語あるんですね、文化的に。
「来ちゃいました」
淡々とさらりと、落語の話を置いておいて、
爆弾発言を。
爆弾もあるんですね。
「来ちゃったかあ」
天を仰いで、手のひらをひたいにつけて、
嘆くような仕草をするミカドです、
もう、御簾とかいらないよねという、
間柄なので、
こうつぶさにみて取れる、感じです。
「都で不特定多数の相手と、
いちゃこらしていることを知って、
嫉妬のあまり、駆けつけました、
というわけで、今夜からはしばらく、
夜伽の相手は入りません、
妹たちと付き合わねばならないので」
しれっと、あと、寝所はそのまま使いますので、
布団とかは準備お願いします。
「今更だけれども、
性的に奔放ですね、
いやまあ、神様らしいといえば、らしいのですけども、
こっちではあまり兄妹ではいたさないのですよ?
知ってますか?」
ちょっと呆れ顔のミカドです。
「そうなのですか?
兄妹でなんて、うちでは普通ですよ?
都は遅れているのですね」
真顔で言い切る蛇くんです。
「どこかで聞いたような台詞だなぁ」
時代背景とかどうなっているのだろうか?
と疑問に思うミカドです。
「今期注目の演目だそうですよ?
現在千秋楽で、
舞台での巨大決戦兵器が、
大注目だそうです」
歌舞伎とか能とかの部類になるのでしょうかね?
真言術とか精霊術とか神術とか、存分に利用して、
とても未来的な決戦模様を演出しているそうですよ、
と続きます。
流石に映像配信はまだされていないわけではございますが、
似たようなことは、
術式を利用すれば十分に可能な段階ではあるようです、
ただ、趣味の範囲ではあるので、
十分に環境が整ってはいないだけのお話でありまして。
「さようか、
いやまあ、それはどうでも良いけれども、
ええと、迎えとかいるかな?い
妹さんたちの」
準備とかどうしようかなという話に移ります。
「勝手にどこへでも、
どこからでも、
入ってくるとは思いますから、
気にしないでください」
神出鬼没ですからあの三姉妹は、と続きます。
「警備上問題があると言ってるんだ、
わかれ」
苦言を呈するミカドです。
「結界的には身内判定なので引っかかりませんよ、
目視で捉えらえるような、
鍛え方はしていませんし、
おそらく誰にも見咎められないのでは?」
現実的に問題になるようなことにはならないだろうなという、
意見ではあります。
「一応一筆書いておいて、
周知もしておく、
警備の仕事をとらないでおくれ」
大人な対応を迫るというか、
至極真っ当なことを言うミカドでございました。
と言うわけで、蛇神三姉妹が都に来ることになりました。
と、言うか、
「「「もう、来ちゃった」」」
蛇くんの妹たちが都にくるお話でした。




