056_蛙ちゃんの貞操観念。
「体に負担がかからないなら、
子作りにはあまり躊躇しない方ではありますね」
隣でお白湯を吹き出している兎娘を置いてけぼりにして、
あけすけに発言する蛙姫です。
「一体いきなり何を?」
咳き込んだ後、息を整えて問う兎娘です。
「ああ、いえ、殿方との恋愛話ですけどね、
行き着く先はまあ、子作りになるわけですから、
先回りしてみました」
けろりと、蛙だけに平気な顔で答える、ナダ姫です。
「ううん、いやそこは、もう少し
表現を薄皮で包んでみた方が良いのでは、
ないでしょうか、
乙女的には」
ちょと顔が赤い兎娘です。
「そう?
兎の方が、もう少しあけすけというか、
繁殖期、それも長いやつで、
性欲に関しては、開放的なのじゃなかったかしらね?」
すまし顔でさらに友人を追い詰めてみる、蛙姫です。
「獣のうさぎと同じにしないでください、
いえ、それに引っ張られる要因はありますが、
年がら年中やってるわけじゃありませんし、
人前ではかなりの理性を発揮して、
見苦しくないように、している、方も、
まあ、多い方ではあります」
反論しているうちに、自分の周囲、主に親族というか、
父母の痴態を思い出してしまて、語尾が濁る兎娘です、
まあ、どこまで祖霊に返っているのかで、具合が違う、
という話ではあるのですが。
「そもそも、蛙ですわよ、あたくし、
卵生っぽい生体でしょうし、
実は妊娠出産における、肉体的負荷は、
すでに対応できるほどには、育っているのよね」
さらに踏み込む蛙姫様です。
「ええとそれはそうですけど、
その前段階とか大丈夫なんでしょうかね?」
こちらも、女性同士であるからか、
遠慮をやや捨てて尋ねる兎娘です。
「どうなのでしょうね?
同種なら、あまり問題はないでしょうが、
変身して人形での睦ごとですとちょっと問題があるかもしれません、
主に体格差とかでしょうか?
ええまあ、見立て的なやりとりで、子作りをするという手もありますが」
視線を落として、十二歳相当の少女としての体を確認しつつ、
答えるナダ姫様です。
「ああ、神話的な婚姻からの妊娠出産ですね、
儀式に昇華すれば大丈夫でしょうけど、
格が釣り合わない可能性がありませんかね?」
国作りの神話にならって、隠喩そのままに致す方法もあるかと、
納得する兎娘です。
「ちょうど、同級生に格でいうなら上位も上位、
別格の神様血統、国津神の御子という方がいますけど、
逆にこちらが各落ち判定されそうではあるのよね、
相性は、こちらが喰われる方なので、良いのですけど」
相手は多頭大蛇の大神が父親ですものね、
蛙なんていい餌ですわよねーと、呑気に語るナダ姫様です。
「姫様の立場で、逆玉の輿に乗れる相手というだけでも、
かなり貴重ではありますねー、
ちなみに、相性的には兎もいいんですよ?
そのまま捕食対象ですから」
ちょっと挑戦的に笑う兎娘です。
「普通に獲物として食べられるような気もしますわね」
「ひどくないですかね?」
かえるちゃんとかの貞操観念についてのお話でした。




