020_蛙ちゃんの九年目
都の金融界(闇)に君臨完了な、蛙姫、というものが爆誕しました、
「どうしてこうなった?」
幼馴染で遊び相手の兎娘が項垂れています。
「ええと、お金好きなのですよ、私、
なら増やすよね?
自然な思考じゃない?」
ゲコゲコと笑いながら答える蛙姫様です、
変身術は徐々に上手になってきまして、
結構可愛らしい容姿になっています、
何より今回からちゃんと首があります。
「増やし方に問題があるような気がしますし、
そもそも、高貴な女子が、
裏金融とかしちゃだめな気がするんですが!?」
至極真っ当な指摘をする兎娘ですね、
こちらも変身術が上達しているのですが、
なぜか露出度の多い服装で、その体型がわかりやすい感じです、
胸とお尻がそこそこ大きいですね、
九歳児のはずなんですが、
早熟な血筋なのだそうです。
あ、もちろん兎耳はそのままです。
「姫様ー、おしぼり代集金してきましたー」
古参の侍女が、姫様のお部屋に入ってきて言います、
色付きの眼鏡をかけて、
顔の半分に、左眼を縦に切り裂くように、大きな傷があります、
色々と抗争があったことを窺わせます。
「ご苦労様です、派遣していた眷属の蛙に、
何か変化はありましたか?」
特に気にした風もなく、姫様が訪ねます。
「おしぼり代回収って、金融業のやる商売じゃねーような気がするんですが?」
「商店街のいざこざを未然に防ぐような感じですよ?
これは、副業ですね、
眷属の蛙をあらかじめ派遣しておいて、
睨みを利かせている感じですね?」
明確に護衛代金とか警備代金とか言っちゃうと、
法令とかその辺りが絡んできて、
ややこしい、
いや、儲けが減るからおしぼり代とか言っている、感じです。
「やくざじゃん!?」
「「任侠だよ?」」
報告を聞く蛙姫です、
派遣先の蛙が大蛙に進化して、
いちゃもんをつけてきたちんぴらを、
丸呑みにして片付けてしまいました、どうしましょう?
という相談を受けます。
「消化薬を渡しておいてください」
胃もたれしそうですしね、
「いやそういう問題?!
街中で、妖怪変化が跋扈しているようなもんですよね!?
大丈夫な気がしないのだけど!?」
兎娘の悲鳴混じりの指摘に対して、
「死体がまず出てこない、
綺麗な仕事ですよね、問題ないですね、
社会の塵がまた一つ減っただけです」
にっこり笑う、姫様です。
どうしてこうなった。
いや本当に。
奥様と旦那様が裏社会からのあれこれで、
酷い目にあったせい、
という明確な原因はあるのですけれども、
それにしても、活き活きとしすぎじゃないですかね?
「あー!?」
報告を聞く中で、逆鱗に触れたものがあり、
「手のものを揃えな、かちこみじゃぁ」
流れるように長物を引っ掴んで、
飛び出す姫様を遠いめで見つつ、
自分の獲物を取りに動く、
朱に交わった真っ赤な、
首刎ね兎娘でございました。
かえるちゃんの九年目はこんな感じでございます。




