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015_蛇くんの七年目

 暗闇を駆け抜ける、一陣の風、

 黒塗りの刃物が、肉を裂き、骨を断つ、

 灯りを強制的に、消した、狭い部屋、

 詰めていたその手の筋者な数人の、

 手足や首が、コロコロと落ちていきます、

 むせかえるような血の香り、

 ちろりと出す長い舌で、空気を舐めていきます。


 多頭大蛇の神様が鎮座増します、御山から、

 遠く離れた都の地、

 転移の術式その延長の、

 門をつなげたそのさきで、

 お気楽極楽夜遊びを、

 楽しむナギさん、ちと物騒。


 ここは、都の闇世界、地下世界、

 法の支配を掻い潜って、

 悪事を重ねている、いや、いた、とある組織の、

 ねぐらです。


「うわぁ、派手にやったなぁ……」


 ひょろりとすらりと闇から滲み出るように、

 出てきたのは、黒尽くめの暗殺者っぽい青年です、

 ナギ少年の母親の知り合いで、

 都の私設暗部の取りまとめというか、頭です。


「返り血は浴びてないよ、

 汚すと洗うの面倒くさいから。

 部屋はまあ、事故物件になるけど、しゃーなし?」


 まあ、死者行方不明者多数の建物とか、

 普通に取り壊し立て替え案件であるのではないでしょうか?

 怨念がそこかしこにおんねんとか言われそうではあります。


「どうした?」

「ええと、なぜか悪寒が走りまして」


 ナギ少年なぜか体を震わせてしまいます。


 場所を変えて、やくざ組織の幹部が使用していた部屋です、

 部屋の主は、脱出用の隠し通路の出入り口で、

 冷たくなっておられますが。


「早かったかな?」

 ざっくりと、家探しした資料を片手に頭さんが尋ねます。


「ええと、それは別に?

 山の獣とおんなじというか、食糧にする必要がないので、

 こっちの方が雑にやれるので楽な感じですね?」

 簡単に身繕いをしつつ、答えるナギ少年です。

 見た目は、すでに10代後半くらいですが。


 組織の生き残りはもういないということを、頭配下が確認して、

 報告に来ます。

 最近都で暗躍していた、拐かし専門非合法業者、壊滅です、

 攫われて、売られた商品の少年少女とかの救出は、

 表の治安維持組織に大体は投げてしまう予定です。


 ややこしい案件は、そのまま頭が筆頭の、

 私設暗部が担当する流れだそうです。


 部下からの追加報告に、首を傾げる頭、

 どうしましたか?と目で尋ねるナギさんです、


「意味不明なのだけど、蛙の群れが暴れてたらしい?

 いや本当によくわからないけど、

 状況的に、僕らの突入に合わせて、

 自力で脱出した子がいたみたい?

 けど、蛙ってなんだろう?」


 肩をすくめて、さあ、という気持ちを表すナギさんです、


 家探し終了、

 頭の暗部、その表の活動拠点の一つへ帰還です、


「♪」

「うきうきだなー、ほどほどになぁ」


 娼館を兼ねているそこで、お楽しみに耽ようとする、

 ナギ少年に一声かける頭さんであります。


 好みの姉さんの妹分が攫われたと聞いて、

 格好良いところを見せようと、

 知りありの頭と共に、

 散歩感覚で、やくざ者組織を潰してきて、

 気持ちよく、女を抱くナギ少年?という、日常なわけでした。


 蛇くんの七年目はこんな感じです、身体はもう大人と同じですね。

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