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ラグナロクRagnarφk  作者: 遠藤
転移転生・新世界
43/85

042 トレーニングとコーチング

『トレーニング』

 語源は、トレイン(電車)から来ている。

 路線の上を全員同じ【運転手が決めた】目的地に運ぶ事。

 【マイナス思考】

 割り当てた業務を遂行する為に、求められる能力に不足する点を発見し、上司(時には先輩や仕事の専門家)が先ず“やってみせる”事が大切である。

 能力啓発目標。

 能力主義(保有能力)

 不足を補う面談。


『コーチング』

 語源は、コーチ(馬車)から来ている。

 乗客がそれぞれに望んだ【乗客が決める】目的地に導く事。

 【プラス思考】

 本人が目標達成に向けて行動出来るように潜在能力を発見し、活用出来るように“支援サポートする”事が大切である。

 業務パフォーマンス目標。

 成果主義(発揮行動)

 強みを活用する面談。

 こちらの場合、課題への実務能力においてコーチがメンバーより優れている必要は無い。


 どちらにも共通して言える事

 ①目標を設定。

 ②目標とその方法を確認(共有化)する面談を行う。

 ③日々の実践の中で指導。

 ④その成果を振り返る。

 この四点に関しては全く同じプロセス(マネジメントサイクル)である事。

 また、コミュニケーションのスキルが求められる事も共通である。

 そして人材育成をする際、相手の成長の度合いに合わせて使い分ける必要がある。


「そう言えば、プロネーシス?保有魔力の属性が突然変化をする事はあるの?」


 此処は、アナスターシアと僕の部屋。

 皆は教会(従者)業務をしているので、此処にいるのは僕とプロネーシスだけ。


『はい。マスター。可能でございます。新たに職業に就いた際、新しく属性魔法を覚えた際、種族進化レースエボリューションした際に、潜在魔力は属性変化を致します』


 保有魔力(潜在魔力)の属性とは、個人が保持している(使用出来る)属性を指し示す。

 赤色の場合は火属性、青色の場合は水属性、緑色の場合は風属性のように。

 但し、個人が特定出来る魔力の根幹である“波長”とは別。

 この世界では誰しもが魔力を持っているが、誰しもが魔法を使用出来る訳では無い。

 種族が人間の場合、生まれた時は全員が同じ無属性だが、職業を得る事(魔法の取得)によってその属性が変化をする。

 それ以外の種族の場合、最初から保持をしているか、又は種族進化レースエボリューションをした際に変化をする。


「じゃあ、魔力の波長そのものが変化をする事はあり得るの?」

『基本は不可能でございます。生まれ持った魔力の波長は、職業を変えたとしても、種族進化レースエボリューションをしたとしても、変わるものではございません。魔力の“波長”は個人を特定するDNAみたいなものなのです』


 波長は生まれ持ったもので、個人に刻まれている。

 それはDNAのような個人を特定する、生まれつき定められたもので変えられないものだ。

 但し、その違いを詳細にする為には専用の魔法、スキルなどが必要になる。


「だよね...でも、さくらの魔力は、属性も波長も変化をしていたよね?」

『はい。マスター』


 前回、魔力操作の訓練を開始した時、さくらの保有魔力に変化が起きていた。


「これって、僕との、魂の回廊が繋がった事での変化?」

『はい。マスター。その通りでございます。魔力の波長が変化する場合は、種族進化レースエボリューションでは無く、変異ミューテーションする事なのです』


 魔力の波長が変わる時。

 それは、他種族に変化をする時に起こる現象。

 必ずしも、後天的な変化なのだ。


「と言う事は、さくらも僕と同じ種族になったって事?」

『マスター、申し訳ございません。今の私では、それについては“答えられません”。既存の知識(情報)では、種族が変異ミューテーションをする際、基本的に特殊アイテムが必要となります。例外としても、吸血鬼化のような場合であり、今回のような事態で、波長が変化する知識(情報)持ち合わせては無いのです。それに相手のステータスを探る方法が、ありませんので“答えられない”のです』


 人間が種族変化をする際は、特殊アイテムによるものか、吸血鬼に血を吸われて吸血鬼化するか。

 他にもゾンビ化などの例もあるらしい。

 現状、ステータスを見る事が出来無いので、解らないのだが。


『但し、マスターが言う通り、波長が変化をしている事からも、その可能性は高いと思われます』

「じゃあ、さくらは僕の影響で天使化されたって事?」


 僕の見た目は人間と変わらないが、種族は天使。

 さくらを瀕死の状況から助ける為に行ったのが、魂の共有、回廊を繋げる事だった。

 そのせいで種族変異が起きる程、僕の魂の影響を色濃く受けてしまったのか?

 それが解らない。


『種族変異は、今後の経過を見ないと解りませんが、マスターの(何かしらの)影響は確実でございます』

「そうなんだ...じゃあやはり、それのせいで長い事体調が戻らなかったのかな?」


 瀕死の怪我を負い、血を失った事による弊害。

 ただそれを抜きに考えても、長い期間の体調悪化。

 その原因が、僕なのかも知れない。


『マスター。失った血を取り戻すには時間が掛かるものです。それに、成人をしていない子供の身体では、回復をする事も一苦労なのです。今は、元気になった状態を喜びましょう?』


 どうやら、プロネーシスは僕に気を遣ってくれたようだ。

 僕の一部であるプロネーシスには、僕の感情の全てが筒抜けで、そしてその逆の、プロネーシスが考えている事も僕に伝わって来るのだから。

 さくらを傷つけた事、波長が変わった事に責任を感じる事よりも、生命が助かり、一緒にいる事が出来る今を素直に喜ぼうと。

 それは、考え方次第で、気持ち(感情)をコントロール出来るのだと教えてくれた。


「...うん。そうだね!これからも一緒に居られるのだから、そっちの方が嬉しい事だもんね!」

『はい。マスター。ではそろそろ、待ち合わせの時間ではありませんか?』


 話の終着点を、プロネーシスに上手い事誘導された気がするが、内容には納得、共感が出来ている。

 それだけで会話は有意義なもので、お互いの心情のすり合わせ、共有が出来ている。

 まあ、当たり前の事で、プロネーシスは僕自身でもあるのだから、お互いに不快感が無いのだ。


「もう、そんな時間か?プロネーシス。質問に答えてくれてありがとう。じゃあ、さくらのところに行って来るね」

『はい。マスター。トレーニング頑張って下さい』


 教会の改善が、色々と進みだした今。

 僕の立場にも変化があった。

 改善に取り組む前は、修道員見習いとして育って来たが、改善に取り組んでからは、自由な行動を取れる立場に役職が上昇した。

 孤児院の副院長。

 アナスターシアには、初めて魔力供給を終えた際に「ルシウスに孤児院長を任せます」と告げられたが、それは、全力で断った。

 僕が成長をした後に孤児院長になるのならば問題は無いのだが、僕は子供の身で、まだ五歳児。

 体裁を考えても、事前に面倒事を回避するのにも、アナスターシアの後ろで、自由にやらせて貰う方が良いのだ。

 そうして何とかアナスターシアを説得する事で、副院長のポジションで納まる事が出来た。

 ちなみに副院長自体が、この世界には無いもので、全くの新しいポジションになるのだけども。

 行動に自由を得てからは、孤児の皆に協力をして貰い、グループワークへと取り組んだ。

 このグループワークは、四つのグループで、四つの仕事を、日替わりで行うもの。

 今は、オリーブオイル作り、石鹸作り、畑の採集、養鶏、この四つのみ。

 素材採集は、僕とさくらの二人で担当している。

 皆が慣れてきたら、仕事の種類を増やして行きたいと考えている。

 そして孤児達の訓練と、さくらの魔力操作訓練。

 孤児達には、槍の扱いの訓練をしている。

 これは自衛の為、狩猟の為のものだ。

 さくらの訓練も目的は同じだが、さくら自身が魔力を認識している事、本人の強い希望により魔力操作訓練から始めているところ。

 まだまだ、改善作業に取り組みを始めたところで、改善前と比べて生活が豊かになった訳では無い。

 これからもっと、様々な事に着手をして行くのだ。


(そういえば、メリダ様は料理と裁縫が得意って言っていたかな?今度、そっち方面で協力をお願いしてみようかな?)


 僕一人で出来る事は限られていて、一日で出来る事も限られている。

 だからこそ、それを補う為のグループワークなのだ。

 それぞれの得意分野で改善に貢献出来るようにし、孤児院全体を、更には教会全体を巻き込んでのチームへと昇華させる為に。


(あっ!?もう広場に来ている?待ち合わせ時間より、まだ早いのに...よほど今日から始める、新しい訓練が楽しみなんだね)


 待ち合わせ場所は教会の広場。

 合流してから、二人で山を登り、恵みの森の広場へと向かう。

 何かに夢中になって、僕の事に気付いていないさくらへと声を掛けた。


「さくら?集合時間まで、まだ時間あるのに随分早く居るね?」


 待ち合わせ時間まで三〇分程あるのだが、今のさくらの様子を見ると、多分、もっと早い時間に集合場所に来ていたのだろう。

 体内の魔力が減った状態で、魔力操作の訓練に夢中になっていたから。


「ルシウス!見て見て!歌わなくても、魔力を全身に流す事が出来るようになったよ!」


 さくらは、僕の質問が聞こえてない位に興奮をしていた。

 それもそうか。

 魔力操作の訓練が確実に身を結び、自身の成長を感じられているのだから。

 言われた通り、僕はさくらの事を注視して見てみる。


(魔力の循環はまだ出来ていないけど...ちゃんと全身への魔力操作は出来ている!)


 問題無く、体内の魔力が全身に行き渡っている。


「さくら、凄いね!歌わなくても魔力操作が出来るようになっているよ!」


 僕は、さくらの顔と真正面に向き合い、真っ直ぐに相手の目を見つめた。

 さくらの成長した姿を実感して、自分の事のように嬉しくなり、自然と笑顔になって。

 僕の笑顔に釣られるように、さくらも笑う。


「えへへ!」


 顔が赤くなったさくらは、照れて顔を下に向けた。

 頭の位置が、丁度、下がった事もあり、僕はさくらの頭へと手を伸ばした。


「さくら、頑張ったね」


 “頑張る”。

 困難にめげず、我慢してやりぬく(努力する)事。

 自分の考え、意思をどこまでも通そうとする事。

 を張る。

 僕が言った「頑張ったね」と言う言葉は、本気で頑張っている人にとっては、失礼に感じる人もいるだろう。

 僕(私)の事を何も知らない他人の言葉は、とても軽くて、何処か茶化されたように感じる為だ。

 その為、この言葉自体が、相手の心に響かない人もいる。

 それは、本人からしたら頑張る(努力する)事は当たり前の事で、それが人生を生きると言う事に繋がっているのだから。

 かく言う僕も、生きる為に頑張る(努力する)事は当たり前の人生だった。

 だけどそれは、相手との関係性により中身(意味)が変化をする。

 お互いに真摯に向き合った関係性ならば、言葉に力が宿り、言葉は言霊となって、相手の心に響くのだ。

 一緒に苦楽を共にした、家族、親友、師弟の言葉。

 愛する人に認められたような、尊敬をし合える中で認められたような、指導を仰ぐ人に認められたような、そんな満足感(達成感)を得て。


「じゃあ、早速、広場に向かって新しい訓練を始めようか?」

「うん!楽しみ!」


 僕達は山を登り、恵みの森へと向かった。

 登る最中、さくらは気分のままに、感情のままに歌ってくれる。


「♪♪♪~」


 それは、今の気持ちなのか?

 それとも、これからの期待をのせてなのか?

 曲が同じ時でも、毎回込められた想いが違う歌は、僕の感覚を豊かにしてくれる。

 今の僕にとって、さくらの歌を聞ける時間が、最も楽しみな時間なのだ。


(さくらの歌(想い)は、ずっと、ずっと聴いていたいな)


 歌を聴いていると、あっと言う間に目的地に辿り着いた。

 やはり感情は、感覚すらも超えてしまうもの。

 もしかしたら世界を平和にするのは、想いが込められた歌なのかも知れない。

 ふと、僕にそんな感情が芽生えた。


「着いた!」


 さくらが嬉しそうに、広場の大樹へと駆けて行く。

 この大樹は、さくらの名前の由来になった桜の樹。

 此処だけ他とは時間の流れが違うような、不思議な雰囲気の場所なのだ。


「ルシウス!ここの広場は、魔力が溢れていて心地良いね!」

「魔力が溢れている場所は、それだけで貴重な場所だからね。そのおかげで、精霊がこんなにも居てくれるのだから」


 精霊が居る場所は、栄えるのだ。

 それは、文化も、文明も。


「精霊様。ありがとうございます」


 さくらがその場で頭を下げて、お礼を伝えた。

 精霊と話が出来る訳では無いのに、自身が思った感謝の気持ちを込めて。


「精霊様、ありがとうございます。この環境を壊さずに、よりもっと、子の場所を良くして行きたいと思います」


 僕もさくらに習って、心からの感謝を、最大限に込めたお礼を伝えた。

 それは、この環境が無ければ、僕達は未だに作成作業に入る事も出来ていないし、僕達が食べる物にも変化が無かったのだから。

 恵みの森が、言葉通りの、意味通りの森で本当に良かった。

 心なしか、精霊達が僕達の想いに応えてくれた気がする。

 キラキラと辺り一面が輝き、幻想的な光を放っていたのだから。

 さくらは「...凄く綺麗」と、その場面に浸っている。

 勿論、僕も含めて。

 この映像は、加工された物では無い、自然が生み出した景色。

 この世界でしか味わう事が出来無いもの。

 どうか永遠に壊れないで欲しいと、心の中で願った。


「...じゃあ、訓練を始めようか?」

「...うん!」


 気持ちがフワフワしているが、決して浮ついている訳では無い。

 僕達は当初の目的を果たす為に、行動に移した。


「今日やる訓練は、魔力操作では無く、身体操作。幾ら魔力操作が上手に出来ても、身体を思い通りに動かせなければ効果は発揮出来無いからね?」

「はい!ルシウス先生!お願いします!」


 返事良く答えるさくら。

 僕が先生と呼ばれる事には慣れないけど、さくらが楽しそうだから、まあ、良いのかな?


「さくらの特性を活かした、歌が活用出来る動きを訓練しようか?」

「特性の活用?」


 人には、それぞれ得意な事がある。

 もしくは、何かと相性が良い事。

 それを実感する事、見付ける事は難しい事だが、それが解ると成長は早い。

 

「そう。特性の活用。さくらが得意な事は何?」

「得意な事...得意なのか解らないけど、歌う事は好きだよ!」


 僕が思う、さくらの歌には、沢山の可能性が詰まっていると思う。

 それは、ゲーム時代には無かった効果で、歌による魔法行使。

 現状、既に歌う事で、身体強化が出来ているからだ。

 そこから考えれば、歌に魔力が乗るという事は、魔法を乗せる事も出来ると言う仮定。

 それを踏まえて、歌を活かす動き。

 ゲームには実装が無い職業だが、歌いながら、踊りながら戦う、舞闘士(仮)。

 例えば、ソードダンサーのような、マジックダンサーのような、そんな華麗に舞う動き。

 今のところ僕のイメージと合わない為、舞闘士(仮)だ。

 何か良い言葉が、ピッタリとハマれば良いのだけれど。


「僕も、さくらが歌う歌が好きだよ」


 同じ歌だとしても、他の誰かが歌った歌では無く、さくらが歌う歌が。

 僕がそう伝えると、さくらの顔が桜の花の色のように紅葉する。


「ほ...本当に?」


 歌に自信が無いのか、それとも自分に自信が無いのか解らないが、不安な表情で確認をして来る。

 確かに、自信を持つ事って難しいよね。

 好きになれば好きになる程、知れば知る程に。


「本当だよ。僕には、歌や音楽の事は解らないけど、歌の上手さに才能とか、声質とか色々あるのかも知れないけど...僕は、さくらが歌う歌が大好きだよ」


 僕がそう伝えると、さくらは下を向いてしまい、その表情を隠した。

 (えっ!?急にどうしたのだろうか?)と思い、あたふたしていると、俯いたままさくらが言葉を発した。


「ありがとう...」


 さくらが感謝を言葉にすると、俯いていた顔を起こし、真っ直ぐ前を向いた。

 気持ちを新たに、やる気が漲っている状態だ。

 両手の拳を脇の位置で握り、小声で「頑張るぞ!」と言っていた。

 

「じゃあ、その歌を活用した訓練を始めようか?やる事は、さくらが歌ったまま動ける訓練。それも縦横無尽に」

「歌ったまま、動けば良いの?」


 今のところ歌ったまま動く事は、歩きながらに限定すれば、無意識にでも出来ている。

 それは、山を登る時に、歌いながら登っているからだ。

 ただ必要な事は、歌って動く事では無く、実戦で歌いながら動けるようになる事。

 今よりも、もっと俊敏な動きが必要になるし、飛んだり、跳ねたり、回転をしたりする事。

 更に、その状態でも、息切れせずに歌えなくてはならない。

 どんな状態でも、歌が途切れないようにする為の訓練を。


「さくらは歩きながらとか、山を登りながらだと歌えてるでしょ?でも、それが走りながらだと?ジャンプしながらだと?回りながらだと?そう言った状態でも、歌う事を維持する為の訓練なんだ」

「じゃあ、それが出来るようになれば良いの?」

「そう。じゃあ、早速、訓練を始めようか?」


 今は、歩きながらだと歌えている状態。

 第一段階として、それを走りながら歌えるように。

 先ずは、軽いジョギングのようなスピードから始めて。


「♪、♪♪~」


 軽いジョギングでも、動きが変わる事で、どうしても歌が途切れてしまう瞬間があった。

 歩いている時と、ジョギングでは、呼吸自体が一定では無いから難しい。

 だが、歌う事で身体強化が出来ていれば、この位のジョギングならば直ぐに出来る筈。

 今は、ジョギングしながら歌う事に慣れていない為、仕方が無いのだけれど。


「♪...ハァ。ハァ。ハァ。スーっ。♪♪~」


 さくらなりに、動きながらの歌い方、呼吸の仕方を考えている。

 歌もずっと歌っている訳では無く、音を出さない(休める)箇所はあるから、そこに合わせて呼吸をする。

 まだまだ、試行錯誤しながらで、時間が掛かりそうな訓練。

 そして、これとは別に、歌わずに動く(ステップを踏む)訓練も並行する。

 踊りのような足運びから、攻撃を想定して、それを避ける足運び。

 足がよろけながらも、転びながらも続ける訓練。

 一時間ほど集中した訓練は、今までの素材採集とは違う、身体能力、身体操作を鍛える訓練で、さくらの身体は満身創痍となっていた。

 肩で息をして、立っている事も辛そうな程に。


「じゃあ、今日の訓練はここまで。...教会に帰ろうか?」

「うん...」


 訓練で疲れてしまったさくらは、喋る事も辛そうだ。

 まあ、沢山転んだし、足の筋肉も酷使したから、仕方が無い。

 何とか返事をしたさくらだったが、どうやら立てそうに無かった。

 このまま此処で休んでも良かったが、孤児の皆が素材に訓練と待っている


「さくら、ごめんね」


 僕はそう謝って、さくらを背中に背負った。


「きゃっ!ルシウス重いからだめだよ!」


 さくらがそう言うが、そんな事がある訳は無い。

 子供の体重など、箍が知れているのだから。


「大丈夫だよ。これなら教会に戻る事も出来るし、さくらも休めるでしょ?」

「でも...」


 さくらの顔は見えないが、背中でモジモジしている事は解った。


「でも、じゃないよ。僕は大丈夫だから、さくらは休んでね?」

「...うん。ルシウス、ありがとう」


 すると、さくらの手がしっかりと僕を掴んでいる事が解った。

 何だか嬉しそう?

 顔が見えないので、ハッキリとは解らなかったが、僕はその状態で山を下りて行く。

 帰りは、さくらを背負ったままで、素材採集を僕一人で行った。

 最初は恥ずかしがっていたが、よほど疲れていたのか、そのまま背中で寝てしまった。

 「スー。スー」と、静かに寝息を立てているのが可愛い。


(訓練、お疲れ様でした)


 僕は寝ているさくらに、そう口だけ動かした。

 教会へ戻った僕は、他の仕事に取り組む。

 孤児達のグループワークだ。

 皆がだいぶ慣れて来た事もあり、今では、僕が全部を確認しなくても、孤児達だけにある程度任せられるところまでは来た。

 ただ此処で慢心をして、怪我をしてしまっては、元も子もない。

 その些細な機微には注意をする。

 そうしてさくらとの訓練が終わり、孤児達のグループワークも終わった後。

 僕は、メリルと二人で恵みの森の広場に来ていた。


「ルシウス。それでは頼む」


 メリルが僕に頭を下げた。

 前回、孤児達に武器の扱い方を見せる手本として、僕とメリルで試合を行った。

 傍から見た時、お互いの攻防は拮抗しているように見えた(見せた)が、本人は力量の差を痛感したのだろう。

 メリルの全力の攻撃を、怪我一つ負う事無く受けきったのだから。

 試合が終わったあの場では、歯を噛み締める事しか出来なかったと、その日の訓練が終了して二人になった時に告げられた。

 目の前で、自分よりも年上の相手に「私は、どうすればもっと強くなれるのだ?」と懇願された。

 そこには、メリルの悲痛な思いが溢れていた。

 身体は震え、必死に胸を押さえながら、止まらぬ涙が零れていたのだから。

 堰き止らぬ思いが口を動かし、感情が言葉を紡ぐ。

 何が、悪いのか?

 何が、良いのか?

 そのどちらも解らぬまま、我武者羅に進むしかなかったのだと。


(ああ...自分だけではどうしようも出来無い気持ちは、僕も痛いほどに解るよ)


 僕は、メリルの事を全然知らない。

 妹メリダ以外の家族構成。

 生まれや、出身地。

 どういう風に成長をして来たのか?

 何故、強くなりたいのか?

 そして教会にいる理由は、何なのか?


(僕は、メリル様の事を何一つ知らなかったんだな...大人には悩みが無いのかと思っていた。何でも一人で出来るものだと思っていた。でも...思う事や考える事はそんなに僕と変わらないんだな)


 メリルの事は、どれもこれも気になる事だが、僕は人(主に大人)との接し方や距離感が解らない。

 これは、人とのコミュニケーションの取り方を知らないからだ。

 転生前、家族のいない僕は施設で育ち、大人からは指示を受けるだけの関係。

 生活に必要な事は教わるものでは無く、自分で調べるもの。

 そして僕から大人に話し掛ける時は、報告をする時だけ。

 大人の機嫌を損なえば、意見に逆らえば、相手の気が済むまで殴られては、その日のご飯が食べられなくなる。

 生きる為には、その指示に、その命令に、従うしかないのだ。

 だから、僕の中で大人は絶対の権力者であり、一方的な支配者だった。

 でも転生後のこの世界では、どうやらそれは違ったようだ。


(大人も子供も生きる事に必死で、そしてお互いに認め合える関係。一方的な力関係では無い、協力し合える関係...)


 子供の僕を、一人の人間として扱ってくれる世界。

 そこには、生きる事に関して、元の世界よりも自己責任が伴う真の弱肉強食。

 そう。

 だからこその、見た目に囚われない能力主義なのかも知れない。

 まあ、もしかしたら、アナスターシアが管轄している教会の中だけなのかも知れないが。


「僕で解る範囲で良ければ、教える事は出来ると思います」


 そう僕は、間髪入れずにメリルの思いに応えた。

 メリルの真剣な気持ちが、ヒシヒシと伝わったからだ。


「ありがとう...ルシウス」


 溜めていた思いが、吐き出せて気持ちが晴れた事、どうすれば強くなれるのか、その道筋が見えた事。

 この時、流した涙は、嬉しさが溢れたものだった。

 そうして僕は、メリルに個別指導を頼まれた。


「では、メリル様。最初に確認をさせて頂きます。どうして強くなりたいのかを」


 これは指導するにあたり、目的を共有する為に必要な事。

 目的が定まらないと、目標が設定出来無いからだ。

 メリルが目指すべき到達点は、何処にあるのか?

 成し遂げる為の具体的な手段は、どうすれば良いのか?

 この二つを明確にする為、相手の意思を確認しなくてはならない。

 ただ強くなりたいだけでは、その度合いが解らないからだ。

 教会の中で、一番強くなりたいのか。

 街の中で、一番強くなりたいのか。

 国の中で、一番強くなりたいのか。

 それとも僕と同じように、世界で一番強くなりたいのか。

 この目的によって、その手段が変わってくる。

 僕を抜かせば、既に、教会の中では一番だから、教会は除外して考えられるけど。

 それが街の中、国の中と目標が変われば、指導方法が全然異なってしまう。


「強くなりたい理由は、もう二度と、大切なものを傷付けない為だ!...ルシウスは、これが何か解るか?」


 メリルはそう言うと、おもむろに左肩を露出させて肌を見せた。

 そこには焼印が刻まれていた。


「!?」

「これは奴隷紋。...私もメリダも奴隷なのだ」


 ゲーム時代にもあった制度。

 どうやらこの世界では、四種類の奴隷に分けられるようだ。

 負債奴隷 借金のかたに売られた奴隷。

 犯罪奴隷 犯罪を犯した奴隷。

 戦争奴隷 敗戦国の兵士が強制的になる奴隷。

 不法奴隷 そのどれにも当てはまらない奴隷。


「私は負債奴隷の身分。家が没落した結果、多額の借金を背負い奴隷となったのだ。今はアナスターシア様に買って頂いたおかげで、こうして教会に何不自由無く、居る事が出来ている」


 元々、メリルとメリダは貴族の生まれ。

 だが、この国の貴族制度は発展途上なもの。

 爵位が細かく分かれている訳では無く、国王、領主、上級、中級、下級貴族の五つに分類される。

 そしてメリル達は、と言うと中級貴族。


「私は...ここの生活には満足をしている。だが、どうしても...どうしても倒さなければならない相手がいるのだ。だからその為の強さが欲しい!」


 倒さなければならない相手。

 それはきっと...

 復讐をする相手になるのだろう。

 それ以上の詳しい話を聞けなかったが、メリルの意思(目的)は確認出来た。


「メリル様。かしこまりました。辛い身の上話までさせてしまい、申し訳ありませんでした。ですが、その理由が明確な目的となり、メリル様の原動力となります。後はメリル様が希望する強さを教えて下さい」

「ルシウス。お前は...いや。私の手伝いをしてくれるのだ。感謝をする」


 メリルは自分の手で決着を着けるとしても、復讐の手伝いを僕に頼んだのだ。

 復讐する為の力を求めて。

 これは普通ならば関与をしたくない話。

 結果を考えれば、メリルか、復讐する相手のどちらかは、必ず悲惨な結末を迎える事になるのだから。

 成功した場合は、復讐する相手。

 失敗した場合は、メリル。

 そして最悪は、死に繋がる。

 この話を受けると言う事は、最悪、人を殺すと言う事に関与する事なのだ。

 僕は、それを知った(解った)上での回答。

 淀みの無い、覚悟を決めた受け答えだった為、メリルが驚いたのだ。


「ふむ。希望する強さだったな。そうだな...最低でも、今のルシウスよりは強くなる事を希望する。ルシウスは、前回の試合で手加減をしていただろう?」


 手加減。

 ある程度の力量があれば、対峙した相手には解る事だ。


「はい。メリル様には申し訳ありませんが、孤児達に魅せる為には必要な事でしたので」

「ハッキリと言ってくれるな。だが、嫌な気は全くしないものだ。正直、ここまで差があると、いっその事、清々しいものだ」


 メリルが、フッと鼻で笑う。

 悔しさは無く、その力量差が、メリルにとっての希望になったのだから。


「では、指標は僕の強さよりもですね。これは身体能力的な事なのか、技術的な事なのか、どちらになりますか?」


 強さを上げる方法で、手っ取り早い事は魂位の上昇だ。

 だが、メリルが求めている強さは後者だろう。

 何故なら僕の強さは、身体能力を凌駕する技術的な部分だから。

 今の僕とメリルのステータスを比べても、能力はメリルの方に断然、分がある。

 普通に戦えば、メリルが負ける筈の無い能力差だ。

 だが、それを覆す技術力。

 武器の扱い方。

 身体操作。

 魔力操作。

 これらは、僕とメリルでは圧倒的な差があるのだ。


「それは勿論、技術的な強さだ。欲を言えば身体能力も上げたいが...これ以上は難しそうだからな」


 僕は、メリルのステータスを見る事が出来無い。

 なので、メリルの魂位も職業も能力も解らない。

 ただ現状、教会にいる為、頭打ちになっているのだろう。

 ダンジョンが出来れば少しは変わりそうだが、階層を増やすのにも時間は掛かる。

 もしくは僕と一緒に冒険者登録をするか?

 街にはそれらしきものがあったので、こっちの方が都合良いかも知れない。


(それにメリル様が居てくれれば、隠れ蓑として僕をカモフラージュ出来る。冒険者登録に偽造は出来無いけど、偽装は出来る。いずれお願いしてみようかな?)

「かしこまりました。では技術面を鍛えて行きましょう。それに、いずれになりますが、身体能力の面でも何とか出来ると思いますよ?」


 此処で、頭の片隅に残るように伝えておく。

 こうする事で、次の段階に移行し易いきっかけを残す為だ。


「そうか!それは、楽しみだな!」


 メリルが、諦めていた部分の強くなる事に希望を持ち、嬉しさが込み上げる。

 物事が停滞している時、人の意欲は段々と希薄になるからだ。

 それを打破出来るのならば、感情も意欲も向上する。

 自分に期待が持てるのだ。


「では、ここからは細かく目標を設定して行きましょう。僕の目から見ても、メリル様に戦闘センスがあるのは一目瞭然です。後はそれに伴った技術が身に付けば、鬼に金棒と言うものです」


 僕がメリルに対して行うのは、コーチング。

 目的・目標をすり合せて、メリルの成長の補助をする事。

 メリルが望む目的へと導くのだ。


「話をすり合わせた結果、技術的な面でメリル様に必要な事は、身体の使い方と武器の扱い方。身体の使い方は身体能力、反射神経だけに頼っているところを修正して行きましょう。武器の扱いについては、前回試合した時は槍を使用しましたが...剣主体の訓練で宜しいですか?」

「うむ。どちらもそれで問題無い。それに...やはり私は剣で強くなりたいのだ」


 メリルが望む姿は、剣一つでどんなつわものも、魔物も斬り倒す騎士。


「承知致しました。ではここからは実践を踏まえて訓練して行きましょう。武器はこちらで用意致しますので、少々お待ち下さい」


 此処からは、実践を織り交ぜての訓練。

 その為に、武器を持った状態で訓練を始めるのだが、此処には武器が無い。

 僕は、魔力で木を加工して長さの違う木刀を二本作成した。

 子供の僕用と、大人のメリル用の二本だ。


「やはり、ルシウスのマナ操作は見事だな!」


 メリルが瞬く間に出来上がった木刀を見て感心する。


「では、この木刀を使用して訓練を行いましょう」


 僕はメリルに木刀を一本渡した。

 木刀を受け取ったメリルはその重さ、質感を確認する。


「ふむ。これなら問題無く、使用出来そうだな」

「では、好きなように振って見て下さい」


 先ずは、現状把握から。

 メリルは言われた通りに、木刀を振るった。


「ふんっ!!」


 その軌道は、上段から真下に振り下ろす一撃。

 だが、ガチガチに固まった力任せの一撃だった。


(力任せの振り下ろしの一撃...これは緊張によるものか?それとも、武器の違いによるもの?)

「ルシウスこれで良いのか?」」


 訳も解らずに、我武者羅に振り下ろした木刀。

 メリルの不安な表情が目に見えて解る。


「そうですね。質問ですが剣を振るう時も、今と同じ感じですか?」

「木刀では無く、剣と言う事か?...うむ。それなら今と変わる事は無い」

「そうですか。それでしたら、もう一度、同じように振り下ろして下さい」


 確認の為に、再度振り下ろして貰う。

 これは緊張によって力任せになっているのか、それとも慣れない武器を使っての事なのか、もしかしたらどちらでも無い、力一杯に振り下ろす事が通常なのかを。


「もう一度やれば良いのだな...では。...ふんっ!」


 メリルが、再度木刀を振り下ろす。

 だが、それは先程と変わらない一撃。

 脱力が全く無い、始動から全力の一振りだった。


(やはり変わらずか...槍の時もそうだったけど、一連の流れが最初から全力なんだよね。初期動作が大きく、単調で見極め易い攻撃)


 振り下ろしだけで無く、他の角度からの攻撃も試して貰った。

 結果、全ての攻撃が力任せで行われていたのだ。


「メリル様の現状は解りました。先ずは、身体の使い方で修正する部分から説明致します。メリル様は剣を振る際、腕だけで剣を振るっています。身体全体が剣を振る一連の動きに連動していません」


 力任せの単調な攻撃は、腕だけで振るった結果。

 しかも肘の間接が固定されたガチガチの一撃なのだ。

 これは「力を込めれば込めるだけ、一撃が重くなるのでは無いか?」と言う発想から来たもの。

 何となくだが、解らなくも無い。


「先ずは、僕を見て下さい。メリル様との違いを実演致します」


 僕は、メリルと同じように肘を固定して腕だけで剣を振るう。

 これは動きがとても窮屈で、しかも剣に正しく力が伝わっていない。

 木刀を振るった音も、かろうじてブンっと鳴るかだ。

 何度かその動きを見て貰った後に、力がしっかりと伝わる振り方を見て貰う。

 大地と繋がっている足から始まり、膝、腰、肩、肘、剣へと連動させて力を伝える。

 この時、木刀を振るった音も風を斬る音。

 剣速が全然違うのだ。


「っ!?速さが全然違う!?」


 メリルがそれを見て驚く。

 今までの力任せの攻撃とは、圧倒的に違う剣速を。

 まあ、メリルの身体能力は元々高いから、肘を固めて腕だけで振った攻撃でも、かなりの剣速を出していたのだが。


「今までのメリル様は、剣を“ぶつける”と言った感覚ですが、これは“斬る”と言った感覚です。例えば、剣速があれば木刀でもこのように...」


 僕は呼吸を整え、ある一点に絞り集中する。

 風が吹き、対象の物が落ちてくる事に合わせて。

 「フォー」と風が吹いた時、木から葉が舞い落ちた。

 僕は、その木から落ちる葉を木刀で斬った。


「落ちて来る不安定な葉も、このように、木刀で斬る事が出来るのです」

「...これは凄いな。ただそうなると、私の今までが何だったのか...悲しくなるな...」


 葉を斬った瞬間、メリルはその凄さに感心していた。

 だが、直ぐに悲しそうな表情へと切り替わった。

 メリルは闇雲に剣を振るい、どうすれば強くなれるのかを一人で模索して来た。

 それこそ自力で、必死に考えて我武者羅に。

 でもそれが間違っていた事だと気付くと、今までそれに費やして来た時間は「無駄だったのか?」と自問したからだ。


「...メリル様。遠回りした事は事実ですが、今までの努力が、決して無駄になる事は無いと思います。メリル様にとって、これまでの努力は実感出来る事では無いでしょうが、自力で模索した事は、現状を変えて挑戦する事を、毎日諦めずに継続をした事は、意思を貫きやり通す力へと、それらはメリル様の内面を強くしています」


 努力の方向性を間違えた時、身に付いた技術は解り難い。

 しかも、その技術は剣という分野では効果を発揮してくれないものが多いだろう。

 正直、初期の状態から専門の技術を習った方が効率は良いし、無駄が無く成長が出来るだろう。

 だが、そこには研鑽が無い。

 言われた事をやるだけでは、自分の能力として昇華出来無いのだ。

 近道だけでは、苦労が無ければ、決して自分の為にはならない。


「それに、これまでのメリル様の努力があるからこそ、理解が出来るのです。ここから強くなる事は早いですよ!」


 努力の方向性が間違っていたとしても、今までに幾数回と剣を振って来たのだ。

 その基盤があるからこそ、僕が教える事が理解出来る。

 そして理解出来ると言う事は、身に付くと言う事。


「...そうだな。その為にルシウスに師事をしたのだ。宜しく頼む」


 今は、完全に納得が出来無い思いだろう。

 だが、これはいずれ些細な思いだと気付く。

 この経験があるからこそ成長が出来たと。

 こうしてメリルとの個別指導が始まった。


「では、今のが形になるまで反復致しましょう!」

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