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第八話『相談されても分からない。宮下すみれ編』

ちょっとコメディ感が薄れましたが、必要なことなので投稿します。

それと明けましておめでとうございます!

 あの日以降、東吾の周りの環境は一変した。

 まず、一番大きな変化としては登下校中にあの三人に連行されなくなった。それは東吾のクラス内では大きな波紋を呼び、一人の勇気ある男子が東吾に何かあったのか尋ねたらしい。

 その時は流石に真実を言える訳もなく適当に誤魔化したらしいけど、そのおかげで隣のクラスからいつも発せられていた負のオーラが著しく消えた。


 それと、東吾に新しい男子の友人が何人が出来たらしい。元々東吾がやっているスマホゲームを知っているのが複数いてフレンドになりたがってたらしいのだが、いつもくっついている三人を見ていると殺意が上回り中々、声をかけられなかったのだがその障害もなくなり今では昼休みによく一緒にゲームをしようと声をかけられるようになったとかなんとか。


「いやー、平和になって良かった良かった」

「……それ皮肉で言ってるでしょ。殴るわよ」

「暴力は何も生まないし、もしやったらすぐに逃げて東吾にチクる」

「……っち」


 そんな平和な世界を築きあげた東吾とは裏腹に、僕はハーレム軍団の一人、可愛い系幼なじみの宮下すみれに校舎裏に呼び出されていた。怖い。だけど、僕のバックには東吾がいる。易々と暴力に訴えない筈。

 というか小さくて可愛い小顔なのに毒舌とか誰得だよ。東吾の前では猫かぶりしてたのか。


「それで、なんのよう? 僕は出来れば早く帰りたいんだけど?」

「はぁっ!? 発端の犯人がなんて白々しいのかしら!」

「発端? 今起きている事のこと?」

「そうよ! 東吾は今じゃ私達から逃げるように避けてるし、私達もそんな東吾にどう接したらいいか分からないし……全部あんたのせいよ!」


 ……えー、急になに言い出すのこの子? それは東吾の意思であって僕は全く関係ないじゃん。


「言いたいことはそれだけ? じゃ、僕は帰るね」

「いやいやいや! それだけってあんた!! 今の状況をなんとかしなさいよ!」

「出来る筈ないじゃん。だって僕は東吾とは只の友達だよ? 友達に言われて簡単に変わるほど東吾の意思は弱くないでしょ?」

「そんなこと……分かんないじゃない!」

「じゃあ一番近くにいた君達の誰かが言うといいよ。昔みたいに仲良くしてって……まぁ僕にこんな事言うぐらいだから結果は目に見えてるけどね。じゃ」

「だ、だったら手伝いなさい! 昔みたいに東吾の側にいられるように!!」

「だから!」


 ありゃ、あんまり自分勝手な言い草にちょっと言葉を強めちゃった。宮下さんなんか固まってる。まぁ、今まで大人しいと思われてたから当たり前か。だから、ここまで変な事言える訳だし。


「……それは君が努力することだよ、宮下すみれさん。僕は今のままが一番平和で安心出来てるんだから……」


 それだけを言い残して僕は振り替えって帰路へと着いた。その時に後ろから宮下さんが泣いてた気がしたけど、僕は知らないし慰めない。だって僕にはもう関係ないことなんだから。あとは当人同士でなんとかしてください。


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