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第七話『もう全てをぶっちゃけろ』

ーーはい、それではやって来ました大いなる闇の放課後。いつもは校門前でスタンバっていた三人組も今は目をギラつかせて誰もいない僕のクラスへとやってきております。あ、そりゃあ夢原君はいるよ。あと、美津奈ちゃんは書記として来てくれた。流石は天使。


「はい、それでは“何故夢原東吾君が苦しんでいるか会議”を始めます」

「「「意義あり(よ)!」」」

「はい、予想通りのリアクションありがとうございます。それではメインである東吾から話があります」


僕はそう言って東吾の背中を押す。勿論、強く押して催促するような感じではない、入院患者を宥めるように優しく押してあげた。

すると東吾は唾を飲み込み、重々しく口を開いた。


「じ、実を言うと……キツイ毎日でした……」


それからポツリ、ポツリと今まで辛かった事をゆっくりと話してくれた。


「正直、登校する時にいつも三人に会わせるのが大変でした……下校するときも同じです……べ、別に三人が嫌いだからという訳では無くて……ただ自分の時間が欲しいだけで……でも、気づいてくれなくて……毎日毎日、三人のペースや行動に会わせるのがツラいと感じていて……男として情けないとは思っていたけど、そろそろ限界です! 酷いとは思うけど三人とは今は付き合いたいとか好きとかの感情は一切抱いていません! 苦手です! 軽蔑しても構いません! 本当にごめんなさい!!」


……そんな目から涙がこぼれ落ちそうな告白をぶちまけてくれた東吾に僕と美津奈さんは小さな拍手を送った。


「さて、東吾のこの告白を聞いて……貴方達はどう思いましたか?」


と、訪ねてみるが返答は来ない。というか皆真っ白に燃え尽きたようになってる。


「窓、開ける?」

「止めなさい美津奈さん。風が吹いたら三人共、吹き飛ばされてしまうぐらい真っ白ですから」


きっと好きな人から圧倒的な拒否の言葉を聞かされるとは思っていなかったのだろう。涙を流す事を通り越して灰になりかけている。


「はい。取り敢えず東吾の意見は皆さん分かったと思いますが、今は頭が真っ白……いや心の整理が出来ていなくて何も考えれない状況なので後日、ちゃんと整理が出来たら僕か東吾に話しかけて下さい。その時にまた同じように会議を開いて聞かせて貰います」

「私も参加?」

「そうだね。美津奈さんも女性としての意見が欲しいし、出来れば付き合って欲しいけど……ダメかな?」

「また美味しいところ連れていく。それが条件」

「ありがとう、東吾もそれでいいでしょ?」

「あぁ……でも本当にあんなこと言って良かったんだろうか……」

「はいはい。言った後に後悔したって何も起きないしつまらないよ。じゃあ解散って事でバイバイ」

「うん。バイバイ」

「あ、えっと……じ、じゃあな三人とも」


まだ白くなっている三人を置いて僕達三人は各々、教室を出た。これで、良くなるか悪くなるかは分からないけど一歩前進は出来た。あとは……あの子たち次第だ。厳しい言い方だけど恋愛というかあのピンク色の空気はもう発せられる事が無くなる筈だ。その上でどうするんだろうね?

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