第六話『裁判の日、きたる』
さてさてやってまいりました、裁判の昼休み。
いつもは青空で快晴な天気も、今の僕の心境を描いてくれてくれてるかのようなどんより雲で満たされています。
「ねぇ、聞いてる? な・が・み・くん……?」
「は、はひ。き、聞いております……」
「昨日はどうしてあんな事をしたのか、ちゃんと理由を着けて教えてくれないかしら?」
「り、理由は、その、立ち食い蕎麦を」
「その理由ではないだろ? わざわざ右往左往して私達を撒こうとして夢原君を連れて行った訳だ」
し、死にそう。いや、死なせて下さい。地獄にいるとされる閻魔大王でさえもこんなに怖くないと思うんだ。あと、正座崩していい? もう足の感覚無いの?
「「「ダメ(だ)」」」
あっ、はい。
「た、鷹……すまない。俺が不甲斐ないばかりに……!」
本当にその通りだよ。っていうか僕は覚悟決めて昨日あんな行動とったのに君はなにもなしかい? ふざけるなよ! 全部ぶつけなよ! 困っているんですってこのお三方に言ってあげてよ!!
「そ、それは……」
目で訴える僕から視線を外す東吾。こら、おい。まじで友達止めるぞ。
「……くぅ、さ、三人とも聞いてくれ!」
「「「後で聞く(聞きます)!」」」
「あっはい」
こら、ハーレム王。こら。なんで縮こまってんの。そこはいつものパーフェクトコミュニケーションでなんとかしてよ。君に惚れてるんだよこの三人。それを制御出来なくて何がハーレム王だ!
「永見、可哀想。そろそろ許す」
「「「うっ……わ、分かった(わよ)」」」
我関せずと言った感じで昼食を食べ終えた美津奈さんが、修羅とかした三人に近づきそう言ってくれた。あ、ありがとう天使。流石は低身長の上目遣いなだけあって修羅達の毒気も抜かれたようだ。
「……永見、なんか失礼な事考えた。お仕置き」
「え、あ、や、止めて! 足をつつくの止めて! 今、凄い痺れてるからぁぁぁぁ」
そんなこんなで昼休みは終わりを迎えた。しかし、三人からちゃんとした理由を僕と東吾から聞き出すまでこの問題は解決しないと言って、放課後にまた問いただされることになった。
「……東吾、もう覚悟の時だよ」
「……あぁ、そのようだな。頑張ってみるよ」
「頑張るんじゃダメだ。ちゃんとケリをつけなよ」
「……そうだよな」
階段から下りる際にひそひそ話で会話をする僕達。これでどうにかなったら万々歳なんだけど……さてどうなるかな。