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枕の下に 希望の上に(11)

途中という途中

鮮烈に残った

あの列車から見た風景

ぼやけたライトが

優しい丸を作って

空気の輪が

綺麗にできている

連なる輪っかは

数が集まれば

幻想的だと言えた

目に張り付いたまま

脳内にインプット



流れ星のドロップ

口にして

喜怒哀楽をなぞるように

味が変わった

首輪を付けた

夢にも食べさせれば

大人しく

それを味わった

横に座って

窓を見ながら

笑っている



旅なんか

するもんじゃない

そう言いながら

玄関ドアを抜けた日

命からがら

続けた道のりは

小さなスポットを残して

思い出になった

辿り着いたのは

途中という途中

時間の途中と言えるような

曖昧な地点

自由であることを

噛み締める



突然起こった

あの出会いからの数日

ぼやかした感情

優しい芯を作って

空気の箱が

美しくでき上がる

切り取られた部屋は

一つあれば

幸福なのだと言えた

心に張り付いたまま

写真は裏返った



太陽の朝食

口にして

愛情心情をなぞるように

味が変わった

対面に座った

あの人も食べ始めれば

和やかに

それを味わった

言葉を交わすと

口に手を当てて

笑っている



旅なんか

するもんじゃない

そう言いながら

最初の宿を後にした日

汚れながら

続けた道のりは

小さなスポットを残して

思い出になった

辿り着いたのは

途中という途中

人間の途中と言えるような

曖昧な地点

心情があることに

そっと触れる



一定のリズムで流れる音は

母の子宮か

それとも

君の心か

どちらにしても

ぐっすり眠れた

スイッチのオンオフみたいに

明と暗を使い分けて

身体は好調だった

何も要らない気がした

それは

気の所為になった

旅をしているのだから

離れることは

当たり前で

離れないという選択肢は

終わりを迎えると思った



旅なんか

するもんじゃない

そう言いながら

玄関ドアを抜けた日

命からがら

続けた道のりは

小さなスポットを残して

思い出になった

辿り着いたのは

途中という途中

時間の途中と言えるような

曖昧な地点

自由であることを

噛み締める



旅なんか

するもんじゃない

そう言いながら

最初の宿を後にした日

汚れながら

続けた道のりは

小さなスポットを残して

思い出になった

辿り着いたのは

途中という途中

人間の途中と言えるような

曖昧な地点

心情があることに

そっと触れる



旅なんか

するもんじゃない

そう言いながら

いくつめかの宿を後にした日

声がして振り返る

荷物を持った

何処かで出会った人

誰かを頼りにせず

続けた道のりは

小さなスポットを残して

思い出になった

辿り着いたのは

途中という途中

これからの途中と言えるような

確かな地点

共に旅する相手は

いつかの自分だと思えた


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