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短編集

私というもの

作者: 蕗之塔 花火

 私というもの

 未来への期待と それに対する不信

 愛への信頼 愛への渇望

 誰かにこの存在を認めてもらいたい

 誰にも構ってもらいたくはない

 そんな思いの二足歩行

 理想と現実の乖離を抱えた体

 それらすべてが合わさってできたのが 私というものなのです。



 『人というもの』

 人というものは 一人では決して生きられぬものなのです

 それは 物質的な要因のほか もっと単純な理由ゆえなのです

 淋しさ ただひたすら淋しいのです

 愛で膨れてなお 飢えた私は 孤独を感じ

 もっともっとと 目立ちたがるのです。



 『目標』

 私は このどうしようもなく惨めな私は

 何のいたずらか ここに生まれついてしまったのです

 生まれた以上は 何かを果たすべき

 そうは思いますが どうにも私には

 それを成し遂げる才も 見つける手段すら

 持ち合わせてはいないようなのです。



 『肥満』

 私はすっかり肥えているようなのです

 男は愚鈍でひどく自惚れな生物

 気付いた時にはぶくぶくと うかれた政治家のようになっていました

 豊かな愛の中で育った私は 友情ではどうも愛の代わりとできぬのです

 人は私を幸福者というかもしれません 贅沢者というかも

 実際そう見えるでしょう

 しかしそれはあなたが 自分はそうはならないと 信じ込んでいるからなのです

 私のこの孤独な悩みは どうも人に解されぬようなのです。



 『恋というもの』

 愛というのは 素晴らしいものなのです

 愛で人は成長します

 愛は錠剤 服用しすぎはいけないが 適量の愛は人を豊かにします

 だが 恋というのは

 愛に至るまでの恋というのは どうしようもなくみっともない

 なるほど 恋をしているときは楽しいかもしれません 悲しいかもしれません

 些細なことで 一喜一憂 それはそれはいいでしょう

 しかし一度立ち止まるのです するとおのずと見えてくる

 恋の醜態 自分の惨めさ そうしたものが見えてくる

 恋は盲目

 恋の成功者というのは 立ち止まらずに進んだ偉大な馬鹿者か

 自分の醜さをも受け入れた寛容な自惚れ野郎でしょう。

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