表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ピンクローズ

作者: 長谷川真美

死神の鎌は突然現れる。

生きていく上で悪魔と契約をする。

契約の内容は悪魔だけしか知らなかった。

 寝付けない。喉が乾いたので水を飲みに行く。扉が開かない。動かない。右、左、上、下いずれもビクともしない。窓を開けようとするが扉と同様だった。電灯が突然点灯する。部屋がまばゆいまでの明るさに支配される。それでも私の影が見えない。鏡にも私の姿は映らない。私は一体何者なのか。シルバーアクセサリーの十字架に触れる。熱さと光で触れられない。悪魔。死者。さっきまでは人間だった。何が私を変えた。思い浮かばない。ベッドに入る前はこんな事は無かった。お風呂に入ってドライヤーをかけて念入りにスキンケアをしていた。勉強机で前期末テストの勉強をしていた。「誰か」声が出ない。「助けて」空虚が辺りを支配する。壁を叩いても音が出ない。


 女性の鳴き声がする。泣き女。死者を悼むために泣く女性。私はまだ生きている。両親が私に向かって泣き崩れる。「真面目で優しくていい子でした。」私には棺の中の私は見えない。どうか焼かないで。焼かれたら私は行き場所がなくなってしまう。絵に書いたような悪魔が囁く。「その肉体が欲しいかい」一瞬で答える。「欲しい」悪魔がにまりと笑う。「その願い叶えよう」意識が暗転する。私は身体を手に入れた。だが、辺りは暗闇のままだった。音も聞こえず沈黙が辺りを支配した。触感もない。食欲も湧かない。ただ時折、花の香りがした。その香りだけが楽しみだった。私は死者だろう。輪廻から外れた死者。悪魔はもう来ない。死者として長過ぎる時間を生きなければならない。身体が朽ちるその日まで。FIN.


初めてのホラー物です。

ホラーは『パラサイトイヴ』『キャリー』『リング』シリーズを読んでいました。怖がりなのでライトなホラー物になりました。


暑苦しい日が続きますがお身体に気を付けてください。


2017/7/4

長谷川真美

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ