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ルネルの話しを聞いて、俺達は今のところはこのまま収入を上げようと決めた。

収入を上げるのは大変だが下げる分には楽だ。


俺達は今日も強化をかけてダンジョンの中を走り回った。

もう少し稼げるようになったらある程度の一日の目標金額を決めてそれに達したらダンジョンを出て訓練などに時間を充てられたらいいなと思う。


この前セイと戦ってみて同年代でもまだまだ強いのがいるということが分かって修行不足を実感した。

あの装備からして金持ちの家の子供なのだろうか。


親が兵士か金持ちで剣を修行する時間もたくさんあったのかもしれない。

魔法もかなり高位の魔法が使えると言っていたので小さい頃から英才教育されていたのかもしれない。


俺達ももっと訓練に時間を割かないとセイに追いつく所か突き放されかねない。

あいつはあんまり好きになれないが目標設定としては良い存在だ。


それにまだ大人にも勝てそうにないな。

ラコス達には前回の話しを報告しておいた。


大人達に襲われても大丈夫な位の力は必要だ。

メリは特に成長も早いし背も高いのでメリが大人になる前に自衛の為の力を付けなくてはならない。


できるだけ金稼ぎの時間を縮めて訓練の時間を増やす。

これが今後の目標になった。


ダンジョンから出る前の最後の1戦をまたライトを消してゴブリンと戦った。

結構な回数をしているので少し慣れて来たがまだまだ万全には程遠い。


真っ暗でもライト有りと同じように戦えるようになるのはいつになるやら。

暗闇の中で魔力で目を強化すると魔力が見えるが慣れていないので視野が狭いのが一番の問題だ。


視野を狭めればはっきり見えるが広げれば広げるほどぼやけて輪郭が滲んで来る。

どういう訓練をすれば強化中の目の視野を広げることができるだろうか。


問題は色々出てくるが解決策が全く思い浮かばない。

まあそのうちどうにかなると思って前向きにいこう。


時間だけが俺達の味方であり、最大の敵だからなあ。



最近メリの成長が目覚しい。

模擬戦で俺が勝てる回数もドンドン減り始めた。


そして俺とメリが模擬戦をしていると急に俺が全く勝てなくなった。

そうすると不思議なものでどこを打ち込んでも止められる予感がしてくるのだ。


結局止められると思っている所に打ち込むので有効打は与えられないし、余計に焦って呼吸が乱れる。

そして負ける。

負けこむと意地になってくる。


「くそっ!今度俺が勝ったら昼か夕にポリジ追加な!」 

「いいよ。私が買ったら朝は黒パンだ!ポリジ先生さようなら!うひょひょうほっ!」


俺とメリが向き合った。

向き合ったが全然勝てる気がしない。

こういう時こそ気合を入れて全力切りだ。


「ああああ。」


俺が全力で切りつけた!

振りをするとメリは引っかかった。

俺は隙が出来たメリに棍棒が当たる直前に寸止めした。


「はい 俺の勝ち ポーリージつぅぅうういいいかっ!」


俺は両手を高々と上げて勝ち誇った。


「なんでえええ。何で今だけ間違ったのおお。」


「答えが知りたい? 知りたいよね?教えちゃう。それはメリが俺の攻撃の気配を読めるようになったのを俺がわかったからだよ そしてメリは俺の攻撃を受け止められるって分かったことを隠さなかったよね。けど俺はそれを気が付いたけどわざとそのまま負け続けた。そうするとメリ君は調子にのっちゃったよね?んん?そこまですればは後は準備が万端よ。意地になった振りをして絶対勝てる勝負に持ち込めばいい。模擬戦の数は圧倒的にメリのほうが勝ってるけど勝つべき時に勝てないと意味ないのよね。明日からは嬉しい、楽しい、栄養満点、ポリジが2倍だよ!うひょひょうほっ!どう?似てた?」


「うわああああん。ラピアあ、ロッシュがいじめるよう。」

「さすがに可愛そうだから軽い口約束は無効にしてあげようよ。」


「さすがラピア!」

「しょうがないな。どんな強い奴も油断すると格下に負けるよってことを肝に銘じてくれ。逆に相手の攻撃が読めるなら押せ押せで相手がカウンターするしかない状況に追い込んでカウンターを叩き潰すとかできるよ。今回のメリの敗因は俺の攻撃を読めたことを隠さなかったこと。防御とか攻撃が早すぎるんだよね。攻撃を読めてるのがこっちにバレバレ。もっとギリギリで受けた振りをすれば気が付かれないよ。余裕こき過ぎたんだよ。今度は剣のフェイクと気配のフェイクに気をつけなくちゃならなくなるね。細かく言うと目のフェイクも足運びのフェイクもある。まあそうなってくると地力がある方が結局有利ってことだ。」


「へー。よくわからないけど分かった気がする。うんうん。」


実はメリが俺の攻撃の気配を読めるってのを気が付いたは勝負を持ちかけるギリギリ前だった。

けど悔しいので教えてあーげない。


その後、ネタがばれた俺はメリにボコボコにされた。

そんな俺を見てメリが言った。


「教えなければ勝負所で毎回勝てたのになんで教えたの?」


「そりゃ相手の弱点を気が付いたら教えないと強くなれないじゃん。俺達の間だけで戦ってるわけじゃないからこの中で技術を隠しても損するだけだ。さっきの話しじゃないけど俺達の本当に勝たなければならない勝負所って外の敵と戦う時じゃん。今はいいの。先にメリだけ成長してすっごく悔しいけどね。」


「ふーん。ロッシュ君のそういう狡賢い所がおもしろいよね。お姉さん褒めちゃうよ?」 

「狡賢い所がおもしろいってそんな褒められ方初めてされたよ。全然嬉しくない。」


そういうとメリは両手をわきわきさせながら俺に近づいてきてそのまま突進してきた。

俺は手を逃れるように弾き落とそうとしたがそのまま掬うように俺の両脇腹を掴んで持ち上げられた。


「ふふっふ。愛いやつめ!抱っこしてやろう!ちっちゃい頃はメリ抱っこって言ってたのになあ。いつの間にこんな悪い子になってしまったのだろうか。」


「やめろお!それ以上やると奥の手を使うぞ。」

「え、何々?どうするつもりなの。」

「嘘だよ。奥の手などない。」


その後、俺が本気で気持ち悪くなるまで振り回され続けた。


空き時間を利用して積極的に訓練をするようになった。

そして訓練をすればするほど分かる事がある。


同じ訓練をしてても俺とメリでは伸びが違う。

それがはっきりわかるのはきついしつらい。


メリは攻撃の気配が少し読めるようになってきた。

俺はまだそこまで辿り着けない。


年齢的な物なのかその人の才能なのかわからないが置いていかれる方は堪ったもんじゃない。

けどメリの成長を上手く分析して自分が使える形にすればいいかもしれない。


前にまじめに模擬戦した時、メリの技術と力は俺を上回っていたが俺は頭で勝った。

と言っても何度も勝てる方法じゃない。


こう、小手先じゃなくてメリのように王道に強くなりたいものだ。

最近は昼のダンジョン探索は速めに切り上げて訓練を行っている。


メリは丁度気配が読めるようになって伸びている時期なので訓練を多めにしてそれを確実な物に固めようとしている。

俺は相変わらずメリに比べると牛歩だがまあボチボチやるしかない。


一方ラピアは俺達の訓練に付き合っていて本業の回復魔法や攻撃魔法に時間を費やせていない。

そこで俺はある提案をした。


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