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一通り一巡した結果、みんな大丈夫そうな感じで俺は安心した。

これなら分かれても大丈夫だろう。


相手が2体までなら確実に安定して倒せそうだ。

これからドンドン慣れていくことを考えれば3~4体でもいいかもしれない。


奥に進むほど敵の数が増えるが浅い場所でも複数出たりするらしいので油断は禁物だが・・・・・・。


「一巡したけどどうする?もうちょっとやるか。一回出て休憩するか。」

「私休憩したい。」


ウカリスが恥ずかしそうに手を上げた。


「俺も休憩したい。」


ラコスも追従した。

メリはまだまだいけそうだが休憩したい人が出たので俺達は一回ダンジョンから出ることにした。


「短剣が1本、棍棒が2本で18小銅貨になります。」

「ドブヌートが1体で8大銅貨になります。」


時間は短時間だが全部で50小銅貨になった。

一人当たり10小銅貨つまり2大銅貨、2小銅貨になる。


日雇いに並ぶには3倍は狩らないといけないな。

けど戦ってみた感じ大丈夫そうだ。


ライトも消費が多いが俺とラピアにとってはそこまで負担にならない。

今回は強化を使わなかったが慣れたら強化も使いつつ戦えるだろう。


俺達を見る周りの目からは嫉妬と軽い怒りを感じるが気にしないでおこう。

餓鬼共がとかおこぼれに預かりやがってとかあいつら棍棒だよとか言われているみたいだが逆に参考になったな。


他の冒険者が持っている剣は品質が明らかにメリの物より低い。

逆にそれで十分なのかもしれない。


メリの武器は魔境の色々な敵と戦う為の武器だからな。

メリの剣は品質の良いのでそれ目的で襲われたら困るから見せる用の棍棒を持っていこう。


その方が観客は喜ぶだろう。

ダンジョンから出た俺達はとりあえずトイレへと向かうのであった。


「この後はどうする?」


俺はラコス達に聞いた。


「午後は別々でも大丈夫です。」


ウカリスが答えた。


「うん。それじゃあこれで解散だな。お互いがんばろう。」

「はい。がんばまりしょう。」

『ばいばーい。』


俺達は解散した。

二人ならダンジョンでも大丈夫だろう。


「俺達はどうする?飯食いたいな。」

「お腹空いたー。」

「教会の子達に安い食堂があるって聞いたからそこに行ってみようか。」


俺達はラピアの提案に賛成した。


「たぶん、ここだよ。」


昼の鐘がなる前だが人がある程度入っている。

俺達は大人達にジロジロ見られながらも席に着いた。


「黒パンとスープセットがお勧めだって。」


ラピアの勧めるまま俺達は黒パンとスープセットを3つ頼んでお金を先に払った。

値段は1セット5小銅貨で合わせて15小銅貨だった。


店員が奥に入るとすぐ料理を持ってきた。黒パン1個と野菜の少し入ったスープだ。

黒パンは一個1大銅貨、つまり4小銅貨なので俺は安さに一瞬関心したが黒パンを持ってみて冷静になった。


焼いて丸2日くらい経った硬くなった黒パンだ。

安さの秘訣がわかった気がして俺達はお互い安さに納得しながら食べた。


スープは塩味が効いていたのでパンを浸しながらゆっくり食べた。


「うん。安かったね。」


ラピアが苦笑いをしながら言った。


「パン屋で焼きたての黒パンを4小銅貨で買って、ポリジなりスープを2小銅貨で買う方が俺は好きだな。食べる場所があるかないかはでかいけどさー。」

「ポリジはいらない!」


「どうしても野菜不足になるから一食はポリジにしたほうがいいな。スープ系だとどうしても野菜が量取れない。」

「うっう。」


「余裕が出来たらドブヌートを一匹買い取って食べてもいいんだけどなあ。」

「がんばる!」

「市場で野菜買ってもいいね。当分はダンジョンに慣れる事から始めよう。」


俺達は再びダンジョンへと向かった。

俺達は受付で2袋を借りるとダンジョンの入り口へと向かった。

その時ちょうど昼を知らせる鐘が鳴った。


相変わらず俺達は周囲の視線を集めているがそのうち周りが慣れるだろう。

丁度昼時だったのかダンジョンに入ると帰りの集団とすれ違った。


多くは村人が出稼ぎに入っている集団だったが、一つの集団は4人のパーティーで、結構な手練れが3人とポーター1人の組合せだった。


彼らは俺達を一瞥するとすぐ正面を向いたが5感は俺達に向けられていて品定めされている気分だった。

その集団からは特にポーターから疲れた気配が伝わってきたので数日かけてダンジョンの奥に行っていたのかもしれない。


俺は気のささくれが表面が出ないように慎重に息を吸った。


「あいつらは強かったな。まともに強そうなのはこの町ではあんまり見かけないな。」

「けど村長のほうが全然強かったよ。」


「村長はもっと強かったな。タウロ開拓団以外で村長と並ぶような人は見たことない。」

「私達は村長位まで強くなれるのかな・・・・・・。」


ラピアが不安そうに言った。


「強くなりたいな。」

「強くなるよ!」

「うん。」


しみじみとした空気が漂ってしまった。


「あと今回棍棒が出たらメリの分の棍棒を受付でもらうのを忘れないようにな。」

「えっ。私は棍棒いらないよ。」


「今まで見た冒険者の武器でメリの武器が一番高いぞ。それが知られたら殺して奪われる可能性がある。今日帰ったら全体的に汚しておこう。刀身のほうはもちろんしっかり手入れする。信用できる鍛冶屋が居ないから研ぎ直しも怖くてできない。ついでにメリは余裕すぎるから棍棒でもいいでしょ。」


「まあ、棍棒でもいいけど、切った時のズバッと感が全然違うんだよ。気持ちいいんだよ?」


俺達が話していると、足音が聞こえてきた。

俺達は話しを止めて足音を聞くことに集中した。


出てきたのはドブヌートだった。

人と会う時が一番緊張するな。

敵だったら嬉しいくらいだ。


「あ、そうだ。2体出てきたときは私1人にやらせて。」

「いいけど怪我するなよ。」


「メリ、気をつけてね。」

「あんまり2体出てくることはないけど私も練習練習。」


俺達は交互に変わりながら一対一で敵と戦った。

連携すると楽になってしまうのでまずは一対一で敵に慣れる事から始める。


ラピアが擦り傷を負った程度でその日は終わった。

傷はその場でヒールで直したが外で魔法を使うより魔力の消費が大きいようだ。

それでもラピアの魔力は揺るがない。


「短剣が2本、棍棒が2本で34小銅貨になります。」

「棍棒は一本受け取ります。」


「短剣が2本、棍棒が1本で33小銅貨になります。」

『ありがとうございます。』


ドブヌートがアイテムを落さないとしょっぱいな。

1人11小銅貨、朝のを入れて21小銅貨か。4大銅貨と1小銅貨になる。


日雇いが7大銅貨だから2倍はやらないとな。

運にかなり左右されそうだが明日はもっと長い時間狩れるだろう。


そう考えると初日にしてはまあまあかな。

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