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転校生

「よぉ、結城、お前生きてたんだな」


本屋で起きたインヴァネラ事件後、初めて学校に登校した僕にクラスの男子が声をかけてくる。


「なんとかね」


苦笑いをしながら僕は返答した。


みんな気を使っているのかあまり僕に話しかけてこない。

まぁ、普段から僕は会話の中にいるような奴じゃないので当然か。


窓側の自席に座り、僕は物想いにふける。

事件後、僕は今まで以上にインヴァネラに関心を抱くようになった。


出現当初は霊的存在のようなあやふやな姿だったインヴァネラだが、時が経つにつれその外見は変わっていき、今ではしっかり実体をもった存在であること。

基本的に不死身であること。

インヴァネラに対抗する団体、AISFが存在すること。


今、僕が調べて知っていることはこのくらいだ。


教室の扉が開き、先生が入ってくる。

立っていた生徒達はぞろぞろと自席に戻っていく。


「皆さん、おはようございまーす」


生徒達は口々におはようございますと言う。


「皆さん、元気してますか〜? 先生は結城君が無事に登校出来てとてもハッピーですよー」


にこにこしながら先生はそう言うと僕の方を見てくる。それに合わせて、クラスメイト全員が僕に視線を向ける。


少し戸惑い僕は座ったまま軽くおじぎをした。


(本当に、明るい先生だな)


生駒いこま あかね先生。このクラスの担任の先生だ。

普段からとても明るく、そしてたまにドジな一面も持ち合わせた生徒から慕われる先生だ。


「さて、実は先生が今日ハッピーなのは、結城君が来てくれたことだけではなく、サプライズな報告が皆さんに出来るからなのですよ〜」


(サプライズな報告?)


「ふっふっふっふっ〜、では、転校生を紹介します!」


「おおーーー」


転校生の紹介にクラスが騒がしくなる。


「男性諸君、喜んで下さい! 女の子です」


転校生が女の子だということにクラス中の男子が歓喜をあげる。


「それでは、北条さん中へどうぞ」


扉が開き、女の子が入ってきた。


生駒先生の横に立ち、おじぎをする。


北条ほうじょう 彩香さやかです。よろしくお願いします」


転校生は赤い髪の女の子だった。

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