第38話 緊張の訪問
「あのね、やっとシャンタル様が帰ってくるの!」
いつものように突然やってきたバルトロメアは、興奮を隠すどころか前面に押し出してそう告げた。
掃除や洗濯といった雑用を済ませ、昼食を味わってほっと一息。少し時間が空いたことだし、お茶でも飲んでゆっくりするには絶好の機会。
そんな午後の静かなひと時は姿を消し、代わりに登場する騒がしさ。普通なら辟易するところなんだろうけど、なぜかあたしは逆に安心感みたいなものを持っていた。
それはどうしてなんだろう、という疑問を解決するよりも、まずはバルトロメアをなだめなければ。目は一等当選の宝くじを見つけたみたいにギラギラしているし、猛牛かって思うくらいに鼻息は荒くなっている。
「まあ落ち着いて。ほら、これでも飲んで」
あたしが飲もうと思っていたお茶を差し出す。さっき淹れたばかりで、湯気と香りを惜しむことなく放っているちょっと自慢の一品だ。
それを一気に飲み干す姿を見て、バルトロメアの興奮は熱耐性の限界を超えるほど加速しているんだなあと感心する。
その副作用なのか知らないけど、どうやら精神の沈静という概念を失っているようだ。言葉が矢継ぎ早に飛んでくる。
「アタシがどれだけこの日を待っていたことか! 帰ってくるとは聞いていたけど具体的な日にちは伝えられてなくて……でもね、明日のお昼には到着できそうなんだって! もうシャンタル様と全然お話できてないからアタシ楽しみで楽しみで仕方ないんだけど、どれくらい明日が待ち遠しいかわかる?」
「まあ、わかるというか、わかりたくなくても無理な話というか」
これほどまでにバルトロメアの気分を高揚させるシャンタル様ってどんな人なんだろう。
今まで散々ノロケ話を聞かされてきたから、まだ顔すら見たことないのにまるで顔なじみのような気分になる。
「ああもう、明日まで何してればいいんだろう」
「お迎えの準備でもしてたら? それで忙しくなるって言ってたじゃない」
「そんなのとっくに終わってるよ! あとは帰りを待つだけだから、することがなくて手持ちぶさたで落ち着かなくてああどうしようナツミちゃん」
「あたしの腕にしがみついてると何かいい考えでも浮かぶの?」
「これはこれ、それはそれだよ」
なんだその理論。まあ別に迷惑してないどころかあたし自身も嬉しいんだけど口にはしない。
横ではバルトロメアがうんうん唸っている。その間あたしは腕に柔らかな感触を受け続けられるんだから役得だ。
「うーん、どうしようかなあ……喜んでもらうためにはやっぱり……でもそれだと……」
結局、バルトロメアの考えはまとまることなく時間が過ぎていった。
その間あたしはバルトロメアの進化するスキンシップに晒され続けていたわけなんだけど、役得というかこれはもう別次元になりかけている。
まあ、一応よろしくなさそうなラインは超えないように気をつけていたのでよしとしよう。考え事に夢中なバルトロメアの顔が迫ってきた時は少し焦った。
「これが台風の過ぎ去った後みたいな気分なのかな……」
夕方になってバルトロメアが帰った後、乱れた髪と服を直しつつそんなことをぼんやり考えてみたのだった。ほんの少しだけ荒っぽいけど基本的に可愛らしい局地的な嵐に襲われ、あたしは気が抜けたようになってしまった。
……バルトロメアの残り香がする。森の奥深くで森林浴をしているような、澄んだ気持ちにさせられる特徴的な香り。
このまま少しだけ昼寝してみるのもいいかもしれない。時間はまだ余裕があるし、とりあえず目を閉じてみよう。
外を通る人の声や足音が聞こえてくる。耳障りなほどではなく、一人ではないと感じる程度には自己主張をする雑音たち。
バルトロメアはもう帰宅したのだろうか。自称最愛のシャンタルさんに何をするか決まらないと言っていたけど、あの子のことだからいい感じにこなせてしまう気がする。
そうすると、だ。
明日はシャンタルさんと過ごすだろうし、それから数日は夢中になっているに違いない。あの熱意が一晩で静まるとは思えないし。
そっか、しばらくバルトロメアとは会えないかもしれないんだ。それが終われば、また色々な話をしてくれるから、その点は楽しみだったりするんだけど。
まあ、この際あたしの寂しさっぽい何かは置いておくとして。その後を考えてみよう。
バルトロメアの性格からして、何がどうなったかを伝えに来ることは間違いない。幸せそうな顔で語るバルトロメアが簡単に想像できる。
そのうち話すだけじゃ足りなくなって、あたしの目の前にシャンタルさんを連れてきて、こんなに仲良しなんだよーとイチャイチャし始めたりして。
スキンシップ激しいところあるし、そんなことになったら目のやり場に困りそうだ。あと、あたしはどんな顔をしてそれを見ればいいんだろうか。困惑どころか菩薩みたいな表情になるかもしれなくてあまりよろしくない。
なんてね。それはさすがにないか。バルトロメアも女の子だもん。そういうところは分別がついてるよね。
別に前フリをしたつもりはない。
けれど今思い返したら、あれは完全にそういう系統のやつだった。この戦争が終わったら結婚する的なアレだった。
「あのね、シャンタル様すっごく喜んでくれたの!」
バルトロメアによるただ一人に向けた、彼女いわく超盛大な凱旋パーティーから二日後のこと。
やはりバルトロメアは経過報告の皮を被ったノロケ話を持ってきた。最初からフルスロットルで、まったくカモフラージュになってないのはご愛嬌。
「へえ、どんな風に?」
「最初は興味なさそうなフリしてたけど、だんだん素直になってきてね、その変わりっぷりがもうホントに可愛いったらないの!」
「準備した甲斐があったね」
「うん! いっぱい喜んでもらえたし、アタシも久々に会えたから嬉しくってずーっとくっついてたの! そうしたらシャンタル様ったらまた強がって、離れろなんていうんだけど顔真っ赤なの。そんなの見せられたら、もうね」
バルトロメアの話は止まらない。あたしはその内容から情景を浮かべつつ新たな話を引き出していくだけだ。
いちゃつく二人の姿が目に浮かぶ。話によればシャンタルさんはバルトロメアより背が低いらしく、ちょうど胸に抱き寄せやすい身長差なんだとか。うらやまけしからん。
背が小さくて、素直じゃない。ツンツンした性格なのに、結局は折れてデレを見せてくれる。バルトロメアの話を聞いて、あたしはシャンタルさんにそんなイメージを持った。
そんな人がいたら、あたしだってほっとくはずがない。バルトロメアに至っては、猫にマタタビを差し出すようなものだろう。
でも、細かいイメージはいまひとつ浮かばない。頭の中に浮かぶのは、ぼんやりした輪郭だけだ。話を聞くだけじゃ仕方ないのかもだけど。
そんなことを考えていたせいか、あたしはこんなことを口走っていた。
「そっか。なんだかバルトロメアの話を聞いてると、シャンタルさんのことがわかってくるよ。一度も会ったことないのにね」
「じゃあ会ってみる? ってかぜひ会おうよ! きっとシャンタル様も喜ぶよ。テオドラ様のリトリエってこともあるし」
「えっ」
急な話だったけど、不思議と動揺は大きくなかった。きっと心のどこかでは予想していたのだろう。いつかはこうなるって。
そのうち会ってみたいなと思ってたことだしちょうどいい。テオドラさんの同僚なんだし、顔くらい見ておかないと。
「うーん……そうだね。会ってみようかな」
「よーし、それなら今からってどう? ちょうどシャンタル様も今日はお休みで家にいるし」
「えっ、でもそれってせっかくの休日に悪いんじゃ」
「ぜーんぜん。出張後の休みっていつも暇で仕方ないって言ってるくらいだし。することがなさすぎて、今はその辺で走りこみとかしてるよ。じっとしてられない性格なんだよね。そろそろ帰ってくる頃だとは思うけど」
バルトロメアは窓から外を見た。まるでそこにシャンタルさんの姿を映し出しているように。
もちろんそれらしい人はいないんだけど、あたしはシャンタルさんの顔を知らないからなんとも言えない。少なくとも、杖を使って歩いている人のよさそうなお爺さんではないことは確かだろう。あれはいつもこれくらいの時間に散歩している近所の人だし。
「わかった。準備するから少しだけ待ってて」
あたしもこの時間は暇を持て余すことが多い。せっかく誘ってくれたんだから行かなきゃ損だ。
それに、変わるためには自分から踏み込んでいかなきゃいけない。それがここに来てあたしが学んだことだ。新たな縁は無駄にはならない。
「あ、着替えるの? 手伝ってあげようか?」
「いや大丈夫だから座ってて。あと手も離してくれると嬉しいんだけど」
バルトロメアの前で考えるような難しいことじゃなかった。もっと気楽にいこう。
ちょっと寂しそうな顔してるけど、どうせすぐ戻って来るんだし、そうしたらまた手を繋いでシャンタルさんの家に行くんだから気にすることないのに。
別に毒されてなんかないよ。これが普通だもの。
「とぉーちゃくー! ここがアタシとシャンタル様が暮らす愛の巣だよ」
おちゃらけたバルトロメアが示したのは、周囲の風景と不釣合いな屋敷だった。
住宅街のど真ん中に忽然と現れた緑の壁。名前も知らない植物が青々と茂り、その一面を覆っている。何気にバラみたいな棘が生えているから、外敵の侵入を阻む役割もあるのかも。
その途中に現れた大きな門。中の様子なんて当然わからない。これぞまさに役人の豪邸って感じだ。明らかに住む世界が違う、って異世界で何言ってんだって話だけど。
「えっ、何この家」
「何ってシャンタル様のお屋敷だけど」
「豪華すぎじゃない? うちとは大違い」
「ただ大きいだけだよ。二人だと広すぎだし掃除も大変だし。テオドラ様の家くらいがちょうどいいよ」
どうやらお互いにないものねだりをしているようだ。隣の芝はなんとやら。
それにしても、このバカでかい門をどうやって開けるんだろう……と思っていたらバルトロメアがすぐ横の壁に触れている。そこにスイッチでもあるのかな。
「さっ、入って」
ガチャリ、という音と共に壁と思っていた扉が向こう側へ開いた。あたしの予知能力はあてにならない。
ただの豪邸かと思っていたら、実はからくり屋敷でしたってオチじゃないよね。これも防犯の一環なんだろうか。
「いやいや、このでっかい門は?」
「ああ、これは飾りみたいなものだよ。いちいち開けるのも面倒だし、だったらこういう普通の扉ならいいんじゃないかなって取り付けてもらったんだ」
言いながらキイキイと開閉をするバルトロメア。確かにこんな大きい門を動かすにはそれなりの設備が必要だろう。少なくとも人力じゃびくともしなさそうだし。多分その辺に操作室みたいなのがあるんだろうけど探す気にはならない。機械類は得意じゃないので。
「さっ、入って入って」
手招きに導かれて扉をくぐる間も、未開の地へ入るみたいで緊張が止まらない。ラクスピリアに飛ばされた時以上にドキドキしてるかも。なんだこれ。
壁が厚いのだろう。扉の中は短いトンネルのようになっていた。薄暗いけど、バルトロメアは慣れているのか手探りで次の扉を開いた。
眩しさに目を細め、段々と明瞭になる景色。それに直面したあたしは、まず息を飲んでいた。
「うわあ……すっごく広い」
そんな言葉が思わず出てしまうほど、そこには広大な庭が横たわっていた。外周を結構な長さ歩いただけのことはある。テオドラさんの家がすっぽり入りそうだ。一つじゃなくて何個も。
視界の端に花壇を見つけた。色とりどりの花が咲き乱れ、ここまでほのかな香りが届く。気まぐれに吹くそよ風がその匂いを散らしても、思い出したかのようにふわりと蘇ってくる。
緑豊かな空間で、草花に彩られた道が屋敷へ伸びている。その外壁は汚れを知らないほどに白く、何かの聖域かと見まがうほどだ。外見の立派さでいえば中央庁よりも上だろう。
こんなところにあたしなんかが入っていいんだろうか。ドレスコードがあったら、あたしが持ってるどんな服を着ても門前払い上等なレベルだ。
「ふふっ、驚いてる?」
得意気に微笑んで、ふんわりとしたドレス服の裾を風になびかせるバルトロメア。その姿は緑の支配する庭にとても似合っていた。
目が奪われるのも仕方ない。あたしの視線に気を良くしたのか、バルトロメアはクルリと一回転した。遠心力で裾が浮き上がり、華奢な脛が少しだけむき出しになる。
うむ、眼福。
庭を抜け、屋敷の玄関へようやく辿り着いた。豪華な装飾の扉に手をかけ、バルトロメアがこちらへ振り向く。
「ようこそいらっしゃいました」
「今日はお世話になります、なーんてね」
わざとかしこまった態度を作り、二人で笑い合う。
いつものバルトロメアを見て安心する。きっとそれが狙いだったんだろうけど、それならあえて乗ってみせようじゃないの。
「ふふっ、さあ中に入って。シャンタル様も待ってるから」
「なんだかドキドキする」
「大丈夫だよ。ちょっと言葉遣いが荒いところもあるけど、それはただ不器用なだけだから。本当は素直でとても可愛らしいんだよ」
シャンタルさんってどんな人なんだろう。なんだかウズウズしてきた。バルトロメアにさんざん自慢されたせいもあるのかな。勝手に作った適当なイメージ映像が頭の中を支配していく。参考資料は今までに見たアニメやゲーム、ラノベのヒロインなどなど。
「シャンタル様ー、今帰りましたよー、どこにいるんですかー?」
バルトロメアが遠くに向かって叫ぶも、帰ってくるのは耳に痛い静寂だけだった。
「うーん、まだその辺を走ってるのかなあ。ゴメンね、ナツミちゃん。シャンタル様いないみたい」
「いいよ、別に急いでないし。それにしても、この家ホントに広いね」
「そうなの。こんなに広いと逆に不便なこともあるし、部屋だって使いきれてないし、持て余しちゃってるの」
テオドラさんやシャンタルさんの職業であるグナルタスには、その地位に就いた時に国から住居が与えられる。もちろん場所や種類も様々なのだが、特別な理由がなければ誰がどこに住むかはくじ引きのようなもので決めるらしく、完全な運任せなんだとか。ただ単に偉いから豪華なところに住んでいる、というわけではないらしい。
つまり、シャンタルさんがこの豪邸を引き当てたのは強運の持ち主だということの証明になるわけだ。いや、バルトロメアに言わせたら不運なのかもだけど。
「あっ、いけない! アタシったらうっかりしてた!」
何かを思い出したのか、バルトロメアが急に大きな声を出した。かと思うとあたしの手を引いて奥へとズンズン歩いていく。
「ど、どうしたの一体」
「ナツミちゃんはお客さんだもの。それに、ここまで歩いてきて疲れただろうし、お茶の一つも出さないなんて……待っててね、すぐ応接室へ案内するから!」
応接室って。そんな言葉を社会派ドラマ以外で聞く機会があるとは思わなかった。
確かにこの家にそんな部屋があっても不思議じゃないけどね。なんだろう、高級なソファーとか剥製とか飾ってあるのかな。あと謎の名言が入った額縁とかありそう。
それにしても、またあたしは広い迷宮を歩くことになるのだろうか。そういうのは中央庁の時だけでお腹いっぱいなんだけど。
……という心配は杞憂に終わった。応接室は玄関からすぐのところにあったのだ。そりゃそうか。客間が奥の方にあったら、それこそ忍者屋敷かって話だ。
「自由にくつろいでていいからね」
あたしを室内へ案内すると、バルトロメアはパタパタと走り去ってしまった。そんなに急がなくてもいいのになあ。あの性格じゃ無理そうだけど。
とりあえずバルトロメアの言葉通り座らせてもらおう。最初に目に付いた、予想を裏切らない光沢を放つ一人用の椅子に腰を下ろす。ズブズブと体が沈み込んで、このまま溶けてしまいそうな錯覚に溺れてしまいそう。座り心地は十分だった。
気の抜けた薄目で眺める内装は、意外にもシンプルな作りだった。外装と同じ白い壁紙と二つの窓。中心にテーブルが置かれ、それを囲むように椅子が並べられている。大きさはバラバラだけど、全部で七人くらいは座れそうだ。
壁際にはキャビネットやサイドボードが置かれ、ガラス越しに何やら高級そうな飲み物っぽい瓶が見える。残念ながら壁のどこを見ても格言的な物は見当たらなかった。
「お待たせー……って、ナツミちゃんすごい顔してる」
「あ、これば別にその気にしなくてもいいというかなんだろうねうん」
人に見せられない顔を目撃された恥ずかしさで言葉がうまく出てこない。何かクールダウンできる物はないだろうか。
と、目に留まったのはバルトロメアが持ってきたグラス。表面に水滴が張り付いており、これだと確信する。
「バルトロメア、それちょうだい!」
「えっ。うん、そのために持ってきたんだけど……そんなに喉渇いてたの?」
返事代わりに受け取ったドリンクを一気に飲み干す。冷たい喉越しが高ぶった気持ちを洗い流していく感覚。遅れてやって来た一瞬の痛さで目も覚めた。
「いい飲みっぷりだね」
優しく微笑むバルトロメアのことだ。言葉には出さないけど、きっといつものようにお見通しなんだろうな。あたしもそれがわかった上でのちっぽけな抵抗をしてるわけだけど。
「もう一杯持ってくるね。ナツミちゃんには特別大盛りで」
「……お手柔らかに」
再びバルトロメアが部屋を去り、あたしもまた椅子に体を預けた。ふう、と深い吐息がこぼれる。
いつものことだよなあ、なんてことをぼんやりと考えながら、今度は変な顔にならないように気をつけようと心に決めた。
シャンタルさんとは初対面になるわけだし、みっともない姿は見せられないよね。
よし、いつでも来い! と意気込んだ途端に扉が開いた。
「はい、ナツミちゃん。お代わりいっぱい持ってきたよ!」
満面の笑みでバルトロメアが持ってきたのは、ピッチャーみたいな巨大容器だった。なみなみと入ったドリンクが圧倒的な存在感を放つ。
「ほらほら、またあの豪快な飲みっぷりを見せちゃって」
そしてあたしの前に置かれるデカグラス。普通のペットボトルの中身が丸ごと入りそうなそこへ、表面張力との戦いが起こるほどに注ぐバルトロメアは本当に容赦がない。
「あ、ありがとう」
さて、どうしたものか。バルトロメアの期待とあたしの胃袋が脳内天秤にかけられる。
しかし針はどちらにも振り切れず、ゆらゆらと往復して落ち着かない。壊れている、というか元々そんなに信頼できるものでもなかった。
というわけで。
バルトロメアの熱視線を浴びながら、あたしは推定キングサイズのグラスへと手を伸ばしたのだった。
感想を一言で表すなら、重かった。たぷたぷのお腹もそうだけど、グラス自体がずっしりと。
まだ見ぬシャンタルさん、どうか早く帰ってきてこの場に新しい風を吹き入れてください……。




