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抜け落ちてしまった

「ただいま」

 もちろん返事はない。それを思い知らされるたびに、心にぽっかりと空いた「穴」が広くなっていく気がする。分かっていても、この動作はもう習慣になってしまっていて、変えたくても変えられない。

 この家から自分以外の存在がなくなって、一週間になろうとしていた。



  こんなことになるなんて、誰も予想していなかった。

 祐哉の両親がこの世からいなくなったのは一週間前。交通事故だった。夫婦二人で旅行にいって、帰る途中のバスが追突事故で三分の一つぶれた。その三分の一の中に祐哉の両親が座っていた座席が含まれていたのだ。

 祐哉は一人、この家でその知らせを受け取った。そのとき以降、自分の中から大切な何かが抜け落ちたような虚無感が祐哉を襲った。

 

 

 「大切な何かが」抜け落ちてしまって、大きく空いた穴。

――早く埋めないと……。どうすれば元に戻る?

 気持ちだけが逸って、抜け落ちてしまったものの正体が掴めない。

――おれの中から抜け落ちてしまったものは、何だ?

 


 早く見つけなくては。


   


 


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