第1話・恐るべきはその効果 ~消えない不快に苛まれ~
第2章 皇宮医務殿での日常
第1話・恐るべきはその効果 ~消えない不快に苛まれ~
本当に、丸二日不快感が続くとは思わなかった……
主神殿の医務殿に伝わる秘薬とかいう劇物の、不快な副作用に文字通り丸々二日間。
一切軽減することなく付きまとわれてぐったりとするインスは、気分的には最悪ではあったが、体調的には回復しているという、何とも言えない状況に顔を顰める。
何が怖いって、気持ち悪くて吐き出したいのに吐き出せない。
体が重くて怠いのにやたらと元気になって行く。
なのに不快感は一切なくならない。
しかも、普通に食事はできてしまう。
普通、これだけ吐き気が酷いのに飲食したら吐きますよね!?
――なのに、吐けない。
流石に、最初から普通食だったわけではないが、それでも食物を摂取すれば……
吐き気がしているのだから食べたくても食べられないのが正常だろうし、無理に入れても吐き出してしまうのが生理現象ではないのか?
更に何が酷いって、気持ち悪いのに元気になる体というのが怖すぎる。
食事を半ば無理やりさせられて、機能訓練だと言われて無理やり動かさせられ……
気持ち悪いのにできてしまう。
怖っ!? 何、この異常な効果!?
そう思って戦慄したのも最初だけ。
だんだん感覚がマヒして、無になって行った。
そして、言われていた丸二日が過ぎて……
「……う~そ~つ~き~……」
怨みが籠った眼差しでウスニーを睨むインスは、まだ不快感と戦っていた。
「言っただろう? 丸二日もすれば落ち着いてくる。と……治まると言った覚えはないな?」
鼻で笑って言ってのけるウスニーを睨むインスは、今日もまたベッドの住人だ。
ベッドの住人なのに、食事をさせられ、身体を動かさせられと、着実に復帰に向けて整えられていく。
「心配するな。完全に復調する頃には治まる」
にやりと笑うウスニーの表情が、それはそれは愉しそうで……
思わず殺意を抱いてしまったのはインスが未熟だからか、それともあまりにも不快感が酷いせいなのか……
「それ、全然安心できません……」
今日もべしゃっとベッドに突っ伏し、下から睨むようにして見上げるインスの言う通り、全く安心できない宣言だ。
だって、逆を言えば、完全に復調するのはこの不快感が治まったからだともいえてしまう。
「これに懲りたら、むやみに自分を削りすぎるな……全く……」
だがウスニーから言わせれば、あまりにも自分を顧みなさすぎるインスが危なっかしくて仕方がない。
強烈な『お仕置き』込みの治療でもしてやれば多少は懲りて、気を付けるようになればマシと言うものだ。
「別に、私だって……好きで……」
むうっと、拗ねたような表情でブチブチと文句をつけるインスの頭を軽く叩いて、反省しろ。と叱りつける。
「あんまりごちゃごちゃ言って、反省が見えないようなら、次はもっとグレードを上げてやる」
「………………ぇ?」
あまりにもあっさり言われて、一瞬、脳が理解するのを拒んだ。
コレより……上が、ある!?
ゾゾゾッと全身に悪寒が走り、真っ青になったインスを見て、ウスニーはますます意地悪気に嗤う。
「もっと上があるぞ? さて? 何処まで上げればお前は反省してくれるのかなぁ?」
「……ヒっ……!!!!????」
その、本気の笑みを目にして震えあがったインスは……
「あっ!? おいっ!!」
数日前と同様、目を回して意識を飛ばした。
第2章第1話をお読みいただきありがとうございます。
舞台は皇宮医務殿へと移り、インスの「地獄の闘病(?)生活」をお届けしました。
無茶を重ねたインスにウスニーが処方した、主神殿の医務殿に伝わる「秘薬(という名の劇物)」。
その副作用は、「吐き気がするのに吐けない」「怠いのにやたらと身体が元気になっていく」という、恐怖すら覚える異常なものでした(笑)。
ベッドで唸りながらも、強制的に食事や機能訓練をさせられるインスと、それを愉しそうに見下ろすウスニー。
自分を大切にしないインスへのお仕置きを兼ねたこの治療の果てに、ウスニーが放った「恐るべき宣告」とは!?
次回もお楽しみに!
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【第6弾は完結まで執筆済みです。よければ最後までお付き合いください。】
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ノリト&ミコト




