僕らの関係2
一足先に空き教室を出た彼女(仮)と少し時間を空け空き教室を後にする。
自分の教室に戻ると周囲の視線が刺さる。昼休みに学校一の有名人と二人でどこかに消えれば噂立つのも必然だろう。
「高瀬、さっき佐倉さんとどこに行ってたんだ?」
好奇心半分猜疑心半分といった声色で質問を投げかけられる。
そんな事聞かれても素直に答えられるか。
胸の中で押し留めながら、クラスを代表して質問してきた雰囲気をまとわせた渡辺の質問をどうしようかと頭の中で思考を巡らせる。
「ちょっとね。今度、うち母さんの誕生日なんだけど、それでなんか欲しいものはないかって聞かれただけだよ。」
「本当にそれだけか?それだけの為に高瀬の事を呼び出したのか?」
「まぁ、幼馴染だしね。高校生にもなって幼馴染の親にプレゼントの話しなんて恥ずかしかったのかもね。」
「それもそうか…。」
納得したのかしていないのか微妙なトーンで答えた渡辺だったが、ひとまずはどうにかなったらしい。
渡辺にもう少し切り込まれた質問をされたら危なかったが、幼馴染という免罪符で免れたぽい。
こんな免罪符、毒にも薬にもなりうる劇薬には変わりないが。むしろ状況的には毒の方がいささか優勢ではある。
昼休みの終了を告げる鐘がなり、5時間目の授業へと切り替わる脳と同時に毒が回るのも時間の問題かと思いつつ、これからの佐倉凛との関係について考える。
先生が教室に入るのと同時にスマホのバイブが鳴ったが、この中身を確認するのは50分後になる。




