7話(最終話)永遠に、守る人
エリアス……私のエリアス……君はみんなから好かれる存在だったね。あの王太子でさえも、君の虜になった一人だった。私の自慢の彼女だったよ。
私たちの出会いは、王宮だったね。侯爵令嬢だった君。行儀見習いで来ていたね。
ガゼボで1人佇む君と目が会った瞬間、私は君を好きになったよ。
それから、何度も何度も足を運んで君を眺めたよ。
何度も何度も目が合ったよね。その頃、私には両想いだってこと分かっていたよ。交際も始まったよね。
毎日同じ時間、同じ場所、言葉を交わすことは無いけど、見つめ合う。
私たちの間に言葉なんていらないよ。
エリアス、君が王太子と結婚するならまだ許せた。でも、男爵だと?
ありえない。君は高貴な存在なのに。
しかも子供を産んでしばらくして亡くなって。
あんなに愛し合っていたのに、君は私を置いて逝ってしまったんだね。
悲しみが消えない。そんな時、君と出会ったあの場所で、再び君と再会できたんだ。
これはもう神様がくれた奇跡、チャンスだよね。
同じ場所、同じ日、同じ時間。そして目が合うのも一緒。
エリアス…君は…私のために戻ってきてくれたんだね。
それからの私に迷いはなかった。
最近結婚した妻が邪魔だから消した。
そしてエリアス、君の夫もいらないよね。だって私が夫になるんだから。
だから、消した。
これで完璧。あとはエリアス、君が逃げられないように捕まえるだけ。
ずっとずーっと一緒にいようね。
永遠に。私と一緒。
その声はもう届かない
エリシアside
数日後、アレクシス様はユリウスを連れて屋敷へ帰ってきた。
バルドリック伯爵を調べた結果、後妻3人と私の父を殺したのも伯爵の仕業だと判明。
伯爵は母と恋仲だと勘違いしていたらしく、母と瓜二つな私のことを見て母だと思い、至った犯行であると聞いた。
バルドリック伯爵…可哀想な人ね。
そして、ユリアスからあの日の真相を聞かされた。
王太子とローズフィールド子爵令嬢の廃嫡を手助けしたのもユリウスだそう。
ユリウスはローズフィールド子爵令嬢を心底憎んでいるのが、言葉の端々から伝わる。
「……そう。大変だったわね」
ユリウスとアレクシス様は顔を見合わせると、少し困ったように笑った。
「少し、話さないか?」
アレクシス様の差し出された手を取り、私はいつものように着いていく。
着いたのは庭園にあるガゼボだ。
アレクシス様の隣に座るように促され、私は腰を下ろした。
「ずっと、お前の事が好きだった。……守りたかった。」
「はい」
「初めて出会った時から………これからも……永遠に。好きだ」
これは……なんて答えたらいいのかしら?
分からない。
返答に困っていると、ユリウスが歩いてきた。
私は顔を真っ赤にさせて顔を逸らすアレクシス様と、嬉しそうに微笑むユリウスを交互に見やる。
「エリシア、大丈夫?これからは幸せになれる?」
「幸せ……」
私、幸せになってもいいの?
…もう諦めなくてもいいの?
何かを望んでいいのなら…私が望むものはただ1つ…それは
「アレクシス様、一緒に幸せになりましょう」
心の底から笑えたのはあの日以来だと思う。
「私、アレクシス様が好きです」




