08 天才のひらめき:宇宙資源の再構成
食の革命と称する評論家達。
これに同調するように、次々に新しい製品がでて、宇宙が大ウエーブに乗っている景気。
技術・文化・人間関係が交錯するこの銀河で、次の波乱の幕開けが始まろうとしていた。
タツヤは宇宙船の観測窓から、漂う隕石や廃棄コロニーの残骸を眺めていた。
「フードプロセッサーと同じだ…」彼は独り言をつぶやく。
目の前の光景を思考実験に置き換える。
もし、分子を結合させ、いや、原子を作れれば…?
そのひらめきは同時に核力の理解を必要とした。
「原子核と電子を分離し、再構成する…核を操作するには反物質の力で磁場を作り、
その中で原子を再構成すれば…できるな。」
彼の頭の中で、フードAIのシステムがそのまま巨大な宇宙版になった。
スクラップやゴミ、使えない隕石、廃棄宇宙船、コロニーの残骸、汚染された惑星
すべてを回収し、綺麗にして再利用可能な資源へと変換できる。
「これなら、銀河中の資源を無駄なく循環させられる。
誰もが使える、平等で効率的な宇宙を作れる。」
窓の外の無秩序な漂流物が、彼の頭の中で秩序ある美しい結晶に変わる。
タツヤは技術で物質と資源の世界を変えようとしていた。
「フードAIで人々の食卓を幸せにしたように、今度は宇宙そのものを幸せにする番だ。」
その瞬間、タツヤの瞳は光を帯び、宇宙船の冷たい金属も、彼の理想の温度を映すように感じられた。




