07 法務担当・ジンヤのぼやき
メグミが外交部長官を震え上がらせて通信を切った直後、
会議室の出口にもたれる男がいた。
細縁メガネにスーツ、いつも冷静沈着な法務統括ジンヤ。
「……おいおい、あまり派手に動かないでくれよ、メグミさんよ。」
彼は額に手を当て、心底面倒くさそうにため息をついた。
「あと始末は全部おれが担当なんだからさ。仕事が増えるじゃん。」
ツトムが肩をすくめると、ジンヤは指をさしてくる。
「ツトム、お前からも何とか言ってくれよ。彼女、強いのは分かるけど、
このままだと訴訟の山だぞ?」
ツトムは苦笑いしながら答える。
「僕にできる? うーん……努力はしてみるけど、メグミは僕の言うこと聞かないよ。」
メグミは腕を組んだまま、勝ち誇った笑みを浮かべる。
「あら、誰も困らないでしょ? 宇宙の未来のために、ちょっと政治を動かしただけよ。」
ジンヤは「はいはい」と手を振った。
「わかったよ。
とりあえずアイツ、あの青二歳の外交官にはフォローしておく。
地方でもいい席を用意するから、恨まれずに済むだろ。」
ジンヤは端末を開きながら、ぼそりとつぶやく。
「長官には……まあ、便宜代ってことで寄付を入れておくわ。
合法ギリギリ、でもセーフなラインでな。」
ツトムは吹き出す。
「ジンヤは、本当に頼りになるな。」
「頼りになるじゃなくて、俺がいなきゃ会社がやばいんだよ。
……まったく、天才と政治屋と野心家に挟まれて、寿命が縮むわ。」
メグミは楽しそうに笑い、
ツトムは気まずく笑い、
ジンヤは重いため息をつきながら次の案件を処理し始めた。




