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21 銀河の影と目覚める知
深宇宙の連邦観測局。
監視端末に、通常の物資輸送ログではありえない瞬間移動の兆候が映る。
「これは…?」
銀河連邦の科学顧問、レイナ・クアールは眉をひそめた。
彼女は天才的な直感を持つ科学者で、宇宙技術の異常を見逃すことはなかった。
「これは…物体の原子構造を一瞬で別の場所に再構築している…?」
モニターには、ラボの座標を超えて、極小の物体が瞬間的に転送される軌跡が示されていた。
「この技術は…まだ誰も公表していないはず。極秘レベル…」
レイナは息を飲む。
「もしこれが拡張されれば、惑星規模の物質移動も可能だ。
物流、軍事、文化…銀河全体が変わる」
同時に、彼女は危険性も理解していた。
「失敗すれば、送られた物質は消滅する。
生命体を送れば…取り返しのつかない事態になる」
レイナは慎重にデータを解析し、銀河連邦内の高位会議へ報告する決意を固めた。
「これは…公にできない。
しかし、放置もできない…」
銀河の闇の中で、新たな視線がタツヤの研究に注がれる。
彼の知らぬところで、銀河規模の注目と波乱がすでに動き始めている。
レイナの冷静な声が静かな観測室に響く。
「これが本当に…タツヤ博士の技術か…」
その瞬間、銀河の秩序と未知の科学が交錯する未来の幕が上がった。




