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惑星1919

「コレはチガゥ。マチガエタ。マチガエタ。」


冷凍保存された惑星1919の植物生命体を目の前にしてオレンジは錯乱ぎみだった。



標的を捕らえて、光速テレポート船に戻った百目と言う名のハンターに同じハンターの相棒のオレンジが体に埋め込まれた、テレパシー能力のある宝石型のケイ素生命体を介して語りかける。


百目は170センチほどの体格で忍者のように黒い服をきて、江戸時代の火消しがつけるような肩までかかる頭巾を被り、腕や胴体には赤い硬質な防具をつけ、顔面を覆う赤い金属製のフェイスマスクからは時おり、熱風が下向きに吹き、長い鼻のようにみえた。

尾てい骨からは毒針のある長い尻尾が生え、その尻尾は赤い外骨格で覆われている。そのサソリのような鞭のような尻尾はトグロを巻き、腰のベルトに付けているフックにぶら下げていた。


「コレはチガウ」


相棒でパイロットのオレンジは百目に思考を飛ばす。


オレンジは拳ほどの大きさのオレンジ色のダンゴ虫に似せた外見をもつ複数のエイリアンを混合したアンドロイドで全身よりも長い触覚が目立ち、触覚は常に小刻みに揺れている。


オレンジのおそらく頭部と思われる部分には指輪ほどの大きさの黒く光る宝石のようなエイリアンが目立ち、その宝石は強度の高いクリスタル製の防具で守られている。


オレンジは今はダンゴ虫型だが、実はオレンジ色のパスタの様な、ミミズの様なエイリアンに寄生した小型アンドロイドで、このミミズエイリアンは10センチ程の一本の母体を中心に無数のコピーを作ることができ、姿を自由自在に変化できる。体質量もコピーをコントロールすることで、拳ほどから標準的な人間程度まで自由自在で

虫型にも蛇型にも犬型にも人型にも無数のコピーミミズを絡み合わせる事で変体可能だった。


コピーミミズは無数に再生出来き、母体が傷つかない限り、運動能力を維持できた。

血液の色は銀色で、無呼吸でも長時間の活動が可能で、真空状態であっても、長時間生存出来た。


オレンジは高性能なAIが組み込まれた小型の機械核を持ち、複数のエイリアンと融合したアンドロイドであり、ハッカーでもある 最高のパイロットだった。


百目とオレンジは元々は、人類が火星ウィルスの解決法を探すために大量生産したクローンとアンドロイドで、

百目は元軍人のクローンとして産まれ、オレンジは人型アンドロイドとして産まれた。



声帯を持たないオレンジは別種族の百目と会話するためを埋め込まこまれたテレパシー能力のある宝石型エイリアンを介して意志の疎通を行なっていた。



百目は「五月蝿そうに」自分のロッカーに腰に剣のようにさしていたヤツデ型になる地球でいう片手で撃てるショットガンほど大きさの光弾銃と両脇に備えた銃身が30センチほどの全自動の二丁の長方形の冷却用の実弾を撃てる銃を片付けると


あまり座り心地はよくなさそうな椅子に座り、赤い塗装の多少剥がれた金属製のフェイスマスクを外し、黒い頭巾を脱ぐ。


フェイスマスクを外した百目の顔は東洋人風で頭髪も眉毛も髭もなく無毛で顔の半分ほどに火傷の跡がある


百目は三十代ほどに見えるが、ゆうに150歳は過ぎており、過酷な未開発の惑星で狩りを行うために人体を複数の生物の部位で強化した混合人間であり特殊な人間だった。


人型には欠陥があるが、クローンの百目には人型にこだわりがあり、武器として使うサソリの様な鞭の様な尻尾と頭部に出た饅頭程の大きさのコブを除けば、見た目は人間とかわりない外見である。余談だが、オレンジは人型にこだわりがなくの不便さに疑問を持ち、早々に人型を捨てた。


外見としては人間だが、遺伝子レベルで他生物の部位を移植しており、主に強化された部位としては、


硬質な赤色の骨格、毒を持つ硬質な針を持つ尻尾、足のふくらはぎ部分はハムストリングのかわりにスプリング状の強固な筋肉組織があり、超人的な跳躍力を備えている。

頭蓋骨に出来た饅頭程のコブのなかには鋭感な神経細胞が張り巡られ、生物の生体電流を感知する器官があった。

血液の主な成分がヒ素と水である百目の血の色は銀色で

2つの毒袋を体内にもち、一つは高濃度のヒ素毒。もう一つはモルヒネが生成される。

百目はこの毒と薬を使いこなすことが出来た。


この生体電流を感知する能力と毒針を持つ百目は優秀な追跡者である

  



声帯を持たないオレンジが宝石を使い、またもカタコトで相棒に悪態をつく。


「コレはバラ トルのはサクラ サクラ サクラ マチガエタ ファック #%!9$#@%!*&%#@!5$#!0 」


不満を撒き散らし、罵倒する相棒のダンゴ虫に対し、百目は座り心地の悪そうな椅子に腰掛けた無機質な机においたワインボトルからグラスに真っ赤なワインを注ぐ。まくし立てるオレンジに対して


内心は「花なんてみんな同じだろ、花摘みなかしてられるかよ」とため息をつく。


グラスのワインを一気に飲み干すと、百目はふぅと息を吐くと、船内にある大きなモニターのタッチパネル制御盤を操作すると、作業用の小型ドローンが放たれ、目標のサクラに向かい飛んでいく。



ドローンが作業を完了すると、1919星の雲のようにカモフラージュされていた立方体の空舟は徐々に船体が光に包まられ消えていった。









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