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惑星1414

惑星1414はウェップ種族の複数ある鉱物採掘用に占領している星の一つで石の惑星である。彼らは鉄、ニッケル、ロジウム、などレアメタルを含む鉱石、金属をこの星で発掘している。


彼らが数々の星を破壊し、鉱石や金属を採掘する理由は カスタムエメラルド の生成のためであった。


カスタムエメラルドとは、希少なコアエメラルドを手に入れられなくなった彼らが造り出した人工石だった。


カスタムエメラルドはコアエメラルドほどの発電力はなかったが十分なエネルギーを作り出す。この人工石は彼らの生存活動において、今やコアエメラルドと同等ほどの重要物質になっている。


カスタムエメラルドの生成には高純度の鉄やレアメタルが必要とされ、ウェップ種族はコレらの石、金属がある星々に居住地を建設して星を掘り尽くしていった。



惑星1414、この石だらけの星には生命体は生息していなく、大気は希薄で液体の水は存在しない。


その岩石だらけの星には居住地や発掘施設、遊楽施設、など 緑光りする立方体 の大小の建物が碁盤の目ように規則正しく並ぶ大都市がいくつも作られている。



その立方体の街にブラックキューブが降り立った。


ウェップ種族の宇宙船の形は大きさの違いはあるが、ほとんどが立方体で、緑光りしている機が多い。ブラックキューブも元々はウェップ種族の宇宙船で、カスタムの過程で黒色になっていた。


ブラックキューブは立方体の駐車施設に進入すると、規則正しく駐車する。ブラックキューブは環境の管理された駐車施設内停まると、飛行機器は停止し、音もなく出口が開き、そこから乗組員が降りてくる。


一人は、ウェップ星人の姿で、どことなく歩きがぎこちない。田舎訛りで話し方も少しぎこちない。


一つは、外見が樹脂のマネキンの様な人型ロボットで、ドールだった。このドールは男性型で体は白色だが、赤い尻尾が生えていて、全裸にベルトをし、トグロを巻いた尻尾はベルトに下げられている。人間感としたら変態チックな姿だった。


ドールとはウェップ種族の遊戯アンドロイドで、ウェップ種族はペット感覚、または奴隷感覚で飼っていた。

ドールの知能の程度は低く設定されていて、高知能のAIを作る文化はウェップ種族にはなかった。

ドールの形は様々あったが、その差別感覚からなのか人間型が多い。人間型と言っても、高額で高度な人工生体組織など使う文化もなく、外見は先ほどの樹脂、強化プラスチック、金属など、物によってはもっと安価な素材で作られる物も多かった。


ブラックキューブから降りた偽ウェップ星人とマネキンは早速、駐車場に隣接している、鉱物、金属を買い取る貴金属店にブラックキューブに積んでいる鉱物金属を売却し電子マネーにする。


この鉱物金属は狩りに訪れた惑星の高額になるだろう物だけを掘り当てたもので、ハンターたちの収入源にもなっていた。


偽ウェップ星人とマネキンは碁盤の目のように仕切られた立方体の建物が並ぶ街の道を歩く。街の様子は、立方体の街の天井からは青白い光がそそがれ、車道を走る浮遊する車も立方体、店舗を飾る看板などは全て正方形、歩道橋や、バス乗り場なども多角的で、丸びを帯びた物はない。


街並みの色は鈍く光る緑色で、意識的に統一してると言うよりは、自然に街色が緑になっていったのだろう。


ウェップ種族は多種類のウェップ人種、民族が存在していて、その多くは上半部がピンク色で脚部が黒色だったが、この大都市に分類される街には、少数民族も多々おり、七色の斑点模様、鮮やかな青色、真っ赤な者など多彩な住民が住んでいた。




「コノ冷却弾ヲ10ケース アソコ バッテリー2コ グレ ズラ」


偽ウェップ星人とマネキンは人通りの多い道を歩き、銃器屋に立ち寄る。店内には様々なウェップ種族用の銃器や弾丸、銃器用のカスタムエメラルドバッテリーなどが展示されている。


偽ウェップ星人が体内のアンドロイド小型核に直接接続されたウェップ言語の翻訳機と発声器から店員に注文する。


店員は少し聞き取り難そうにはしているが、多くのウェップ人種が混在してる街のせいか、問題なく買い物は出来ていた。


買った商品は小型の立方体のドローンが船まで運搬してくれるシステムで、この大都市の空には、無数の立方体のドローンが規則正しく飛んでいた。


偽ウェップ星人とマネキンは大通りを抜け、裏道に入り裏町につくと、看板も何も出していない、一見入りにくい感じの店のドアを開ける。中に入るとカウンターが一つある他には何もない空間の小さな部屋で小さなカウンターにはインターホンが一個。

偽ウェップ星人はインターホンのボタンを押し、一言。


「ギブミーシェルター」


小さな空間の壁に入口が開く。その奥には広い空間が広がり、小さな店舗が並んでいる。


ビール バーボン ウィスキー ワイン タバコ 葉巻 などの旧人類の趣向品。

日本刀 西洋剣 旧時代の実弾式の銃器など武器。

旧時代の書物や音楽、ハードウェア、ソフトウェア、ビデオテープまである。


ここは旧人類時代の遺跡にもなるような商品を販売している闇市だった。


ウェップ種族には人類に対する差別感が根強あるが、マニアの人々には旧人類時代の遺跡物は人気があり、その何百年も前の古物を闇で売る闇市や闇ネットなどはかなりの数があった。


特にアルコール類は人気でよく売れる。

ウェップ種族には元々は飲酒の習慣がなく飲料水は、水と砂糖水だけだった。しかし、人類と出会い、飲酒の習慣が出来き、販売されるようになる。


問題はウェップ種族の作る酒がクソ不味い事だった。



偽ウェップ星人とマネキンは、というか主にマネキン方なのだが、偽ウェップ星人を通訳として、ワインやビール、タバコ、葉巻、ジッポなどの趣向品を求める。


一番奥の方の小さな店舗でマネキンは立ち止まる。

石にかじりつくように、黒い鉄の塊を見つめる。


(コルトパイソン357マグナム)


その迫力と造形美。欲しくてたまらない。


思わず、マネキンなのも忘れて、そのコルトを握り、銃口 シリンダー トリガー グリップ感 重心など確認し、手元でクルッと一回し、構えて感触を確かめてしまった。


店の店主は不可解な様子を見せるが、適当に誤魔化し、偽ウェップ星人の通訳で、

旧銃器の専門店でマネキンは大金を叩き、この蛇の名前のリボルバーとマグナム弾を衝動買いした。


マネキンは腰のベルトにコルトパイソンを指しこむ。

そのリボルバーのズッシリとした重さが骨身にしみてマネキンの下の肉体は歓喜していた。


買い物も終わり闇市を出ると、マネキンは船に戻りたかったが、偽ウェップ星人にはどうしても行きたい場所があった。


その場所も裏町にあり、その地域は素行の悪い労働者や、アウトローなどが集まる、あまり治安の良くないブロックだった。


(またカタコトの方の悪い癖が始まったか。)


マネキンはトラブルは面倒だと乗り気ではなかったが、偽ウェップ星人の押しに負け、その場所に歩きだす。


その地域も街並み的には大通りと変わらないが、そこら辺で揉めてる酔っ払いや、地面にうずくまるジャンキーなのか、街角に立つ娼婦達や、街の毛色が違う。


立方体の並ぶブロックの角の店が偽ウェップの目的の店らしく、その正方形のデジタル看板には何とか書いてあるのは読めないが、所々、明かりが消えかけ、点滅し、誰かが殴ったのかヒビ割れも目立つ。


偽ウェップは看板の横の扉を開けると躊躇なく店内に。マネキンも気が進まないが店内に入ってゆく。


扉は自動で閉まり、この大都市の夜が始まる。






















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