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惑星ソフィア

この星は完全なる身分制度から成り立ち、1%の貴族階級。その下に戦士階級。他は全て労働者としての平民と奴隷からなっていた。


文字も存在し、教育もあり、貨幣、司法もある。


そして宗教、その種族の絶対神。頂点になる者は人ならざるもの。

女王神でその名を ソフィア と呼んだ。


その神の名をとり、この星をソフィア星と呼ぼうと思う。


ソフィア星の神以外の主種族は1.5メートルから2メートル程の灰色の羽毛の生えた二足歩行する恐竜型種族で、イメージとしては毛の生えた小さなティラノサウルスである。そして、さらに大きな違いがあるのが腕である。このソフィア星人は鉤爪のついた小さな前足を進化させ、人間の腕の能力と変わらない可動域のある関節もち、器用動く鉤爪のある手を使う。

ソフィア星人は二足歩行し、人間の様な腕があり、手には四本の指ををもつ恐竜型の生命体だった。


女王神 ソフィア が築いた都市は砂漠の都市だったが、巨大な川の近くに成り、その川の恵をフル活用し繁栄する。10個体の石灰石からなる巨大なピラミッドをつくり、 ソフィア をモデルにしたスフィンクスに似せた巨大石像までも建築する。まるで古代エジプト文明かのようだった。


ソフィア星人の文化としては

オス竜は生えた立髪を短く刈り込み、衣服はなく、首につけた首飾りの違いで階級を示していた。

メス竜は立髪を伸ばし髪飾りをつけ、アイシャドーを入れ、ワンピース衣服を着用する。階級はオスと同じく、首飾りで示す。

この文化は女王神 ソフィア への模倣で、ソフィアがワンピース風の衣服を着用し、髪飾り、アイシャドー 豪華な首飾りを好むためであった。


ソフィア種族は自家製のビールを好み、それは貴族階級から奴隷階級まで広く普及しており、必需品だった。ビールのために平民、奴隷たちは働くと言っても過言ではない。





ダビデは思う。

(たった500年程で猿が人間になるには、起爆剤が必要だね。)


広大な乾いた砂漠地帯をZエンジンを積んだエアバイクにまたがり、純白のスーツを風になびかせたダビデとアンドロイドたちは巨大な川に沿って、遠くからでも目立つピラミッドに向かっている。


ピラミッドとの距離とも近くなり、オアシスだろうか砂漠から小さい森林地帯に入りエアバイク走行が不能になり、ダビデたちは仕方なく徒歩での侵入に切り替えることになる。


不意だった。


ダビデは何もない掌に突然と現れたチタンの槍を素早く振るい、自分に放たれた複数人からの敵意を叩き落とす。


無から現れたチタンの槍は繋ぎ目は見当たらなく、滑らかで、それは槍投げ競技に使われる槍ほどの長さで両端が鋭く尖っている。


チタンの槍が叩き落としたものは鉄の矢だった。


ダビデは敵の気配を早くから感じており、囲まれているのも気づいていたが、敵がどの様な行動に出るか興味があり試していた。


アンドロイドたちは背中に吸着していた熱弾ライフルを構え、ダビデを中心に円陣を組み反撃の態勢を整える。

円陣を組むアンドロイドたちを取り囲むように現れた敵は、二足歩行の人間より一回り大きい恐竜型生命体で、頭蓋骨をカバーする鉄製の兜を被り、片手に長い鉄製の槍を持ち、もう片手に鉄とは違う緑光りを放つ盾を持ち、その太く長い尻尾先には手斧ほどの大きさの戦斧が装着してある。


二十名ほどの武装した戦士竜たちは、白いマスクと黒いマスクの人間たちを異物だと感じているのか、記号音のようなダビデたちに理解出来ない言葉で会話すると、ジリジリと槍と盾を構えて距離を詰めてくる。


アンドロイドたちは熱光弾を敵に発砲する。しかし、熱光弾は全て、敵の緑光りする盾に弾かれ、戦闘能力の高い戦闘竜たちは次々とアンドロイドたちを鉄の槍で串刺しにしてゆく。


取り囲まれたあるアンドロイドはフェイスマスクの顔面に槍を貫通させられ、複数人の尻尾の戦斧で手足を切り落とされ、穴あいた顔面やバラバラにされた手足からは透明な人工血液が血吹雪をあげる。


取り囲まれた別のアンドロイドは脳天に戦斧を喰らい、股間にも別人の槍を突き刺され、背中からも槍が貫通し、最後に飛んできた戦斧に首を切り落とされる。 

 

4体のアンドロイドたちは瞬く間にそれを囲む敵たちに穴だらけにされ、肉体はバラバラに肉片となってしまった。


「はあぁ」


肉片転がってゆく中、中央に陣取るダビデはアンドロイドたちの不甲斐なさにため息をつき、恐怖の色はなかった。


ダビデの手からチタンの長い槍が音もなく消えると、ダビデは目の前に自分の拳を掲げる。掲げた拳をパッと開くと。


20名ほどの全ての戦闘竜は突然苦しみだす。


器官は焼かれ肺に穴が空き、食道は焼かれ胃に穴があく、目からは硫酸の涙を流し、流れた硫酸の涙は、皮膚を焼く、硫酸は脳みそも焼き、耳の穴からは、焼けただれた脳みそが液体になり流れだす。


その場にいた戦闘竜全てはダビデに一触もすることなく、死に絶えた。


ダビデはサイキックでサイボーグである。

ダビデのサイキック能力は無から物をつくる物質生成能力で元素記号で表せる物質を無から作り出せる。

戦闘竜の体内に硫酸を作り駆除したのだ。

チタンの槍を無から作り、今回のように臭いなどの問題がなければ、異星でフェイスマスクを装着せずに自らの脳内に地球の大気を作り出し脳を呼吸させることも出来る。


ダビデは体内に埋め込んであるチップで探索船にアンドロイドの救護を連絡し、探索船の保安員のアンドロイドは白い卵型の救護ドローンを救援に向かわせる。


アンドロイドの肉片と戦闘竜の死肉の臭いが漂う中、ダビデは緑光りする戦闘竜の盾を持ち上げ確かめる。


「やはりかぁ 愉快だねぇ。」


「あんまりやりたくないんだけどなぁ....美しくないんだよなあ」


ダビデは背中から500mlのペットボトル程の突起物を四本出す。

お気に入りの純白のシャツとスーツには、この突起物用の開閉式の出口があり普段は目立たない。


体から出た突起物の上2つが吸引式、下の2つが排出式で大気を取り込み、その大気に応じた化学反応を起こし、ダビデを飛行させる。言うなれば、生体ジェットエンジンであった。


ダビデは時間短縮のために醜いと普段はあまり使わない飛行能力を使いピラミッドを目指し飛び立っていった。











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