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序章

僕はタイ人です。この小説はオリジナルだけどChat gptで翻訳しました。でも僕は日本語が少しだけ知りますから話せますよ僕と。


「最強になりたい」

それは物心ついた頃から、幼い自分が抱いた最初の願いだった。この世界について何も知らない頃の話だ。

なぜ最強になりたいと思ったのか、最強であることにどんな価値があるのか、その理由はもうあまり覚えていない。ただ、それはぼんやりとした記憶で、きっと幼い子供らしい理由だったのだろう。真剣な理由や、特別な利益や名声を求めるような大層なものではなかったはずだ。

「まあ、なんにせよ—」

無邪気な自分はただ最強になりたかった。それだけだった。だから、小さな体で小さな木の剣を振るい始めたのだ。何度も何度も。年を重ねるにつれ、この世界には「祝福」と呼ばれるものが存在していると知ることになる。

祝福—それは神が人間に与える贈り物として知られており、すべての人間が12歳になった年の元旦に一斉に与えられるものだ。

すべての子供たちは魔法測定器で祝福を検査され、自分が何の祝福を授かったのかが明らかになる。もしも強大な祝福、例えば「魔法使い」や「騎士」といったものを授かれば、どんなに貧しい生まれの子供であっても、人生は一変する。

スラム街で育った子供が「魔法使い」として選ばれ、宮廷魔法使いにまで出世したという話も珍しくはない。

それ以外にも、「農家」「商人」「航海士」などの役立つ祝福も多く存在し、それらは社会で高く評価され、多くの利益をもたらす。しかし、一部の祝福の中には歴史上「呪い」と呼ばれるほど最下位に位置づけられる祝福が三つか四つほど存在するのだ。

例えば、絶頂の人生を歩んでいた者が、祝福を授かったことで奈落の底に突き落とされたという話もある。

普通の祝福は選ばれた人を少しでも上に押し上げるが、最下位の祝福、つまり呪いは選ばれた人に害を与える。それも、益より害の方が大きい。

幼い自分にも分かっていた。この世界で最も公平なもの、それは「祝福」だと。最低から最高、最高から最低へ。誰であろうと、どんな外見であろうと、どんな性格であろうと関係ない。神に選ばれた祝福を受けた瞬間、世界はその者に優しくなる。

自分が当時どれだけ剣術を磨き、どれだけ体力を鍛えたとしても、剣を握ったこともない誰かが祝福を受けた途端、短期間、ひょっとすると一ヶ月も経たずに自分を追い越していくだろう。その事実を知った時、恐怖を覚えた。そして毎日のように神に祈った—「どうか、この幼い子供に最強の祝福を授けてください」と。

そしてついに、祝福の審判の日が訪れた。自分が12歳になり、新しい年が始まるその日。

ガタンゴトン…ガタンゴトン… 馬車が地面を走る音が旅路を通して響き続ける。私――「ベラミー・フォル・マシル」、マシル公爵家の末息子は、この馬車に乗って、王国の都の中心にある審判の場へ向かっていた。

「とても楽しみですね、ベラミー様。」

側近のメイドが話しかけてくる。彼女の名は「マリア」。才能〈守護者〉を持つ、この市場でも極めて需要の高い才能だ。あらゆる仕事をこなせる彼女は、物心ついた頃から私を世話してきた4歳年上の女性である。

「そうだな。僕もこの日をずっと待ち望んでいたよ。」

私の運命は、この後に与えられる「才能」によって決まる。

もし魔法使いとして選ばれれば、これまで以上に魔法を学ぶことになるだろう。剣士なら剣術の鍛錬に励まねばならない。そして最悪の場合、ありふれた才能しか与えられなければ、人一倍努力を重ねる必要がある。だが、例え下位の才能であっても、それが私の人生を大きく変えることはない。私の夢は壮大で、才能の有無に左右されるものではないのだから。

それでも、もし望む才能が得られるなら、もちろんそれに越したことはない。

目指すべきものは〈戦士〉の才能だ。戦闘での直感が鋭くなり、五感が飛躍的に強化される。または〈魔法使い〉、高位魔法を学ぶために欠かせない才能だ。魔法の才能がなければ、高位魔法を学ぶことは不可能に近い。

「ふふふ」メイドのマリアは微笑んで言った。

「ベラミー様なら、もしかしたら『神の子』に選ばれるかもしれませんね。」

「それは…さすがに無理だと思うけど。でも、もしそんな称号が得られるなら悪くないね。」

『神の子』とは、神に選ばれた人間のことだ。つまり、この世界で最も優れた才能に選ばれた者を指す。その才能は七つあり――

〈大賢者〉:世界の全てを判断する祝福

〈仙人〉:武器の戦闘技術を極める祝福

〈征服者〉:自身の限界を簡単に超えられる祝福

〈光の聖人〉:唯一無二の光属性魔法を扱える祝福

〈半神〉:男性に最高の身体能力を授ける祝福

〈元素の支配者〉:光属性以外の全ての魔法を容易に学ぶ才能

そして、七つの中でも最も偉大な才能――

〈勇者〉:聖剣に選ばれ、全ての才能を超える力を持つ才能である。

歴史上の英雄たちは皆、この七つの才能のいずれかに選ばれた者であり、伝説としてその名を残している。

「記録によれば、現在『神の子』の中で〈勇者〉と〈大賢者〉の才能はまだ空席のようですよ。ベラミー様と最強の才能…ふふ。」

マリアは未来の私の完璧な姿を夢見るように笑っていた。

「どうして僕がそんな才能を得ると決めつけるんだ?」

謙遜ではなく、少し牽制するつもりだったが、マリアは嬉しそうに敬礼のような仕草をし、私の望む言葉を並べた。

「だって、ベラミー様は素晴らしいですもの!学業も戦闘技術も、全ての分野でトップを飾っていらっしゃるじゃないですか!魔法も才能なしで中級レベルに到達され、全ての武器を使いこなす卓越ぶりです!」

「…そこまでじゃないさ。」

そう口では言ったが、内心では彼女の称賛を受け入れ、密かに頷いていた。マリアは昔から私を率直に、そして真心を込めて褒めてくれる人だった。

昔からこうだったんだよね。

「最近の試験でも優勝して、“世界最強の子供”って呼ばれてるじゃないですか!? 世界最強の子供にして、王国の新星、“七人の救世主”の候補、百年に一人の天才、十二歳にしてイケメンランキングのトップテン入り、時代のファッションリーダー、学校の歴史上最高の成績者、そして、そして!」

「…もういいだろう。ちょっと恥ずかしいんだけど」

「でも、でも!」マリアは嬉しそうに微笑んだ。「世界のリーダーになるお方、ベルラミー様にお仕えできるなんて、私は光栄です!」

「まったく、君はいつも話を盛るんだから」

「そんなことありません!」

僕はため息をついた。——期待していなかったわけじゃない。最上級の“七つの恩恵”や、もう少し控えめな高ランクの恩恵でもいい。でも、それを必死に求めていたわけではない。だって、もし神の子に選ばれたとしても、それはただの“神の子伝説”のひとつに過ぎないから。恩恵によって定められた歴史みたいなものだ。結局のところ、自分が伝説になれるのは、恩恵のおかげなのか、それとも自分自身の力によるものなのか?

窓の外を眺めながら、街並みの景色に目をやる。僕が欲しいのは、それ以上にすごい何かだ。

正直言って、僕の夢はもっと高い場所にある。……傲慢だよな、僕って。

でも、その傲慢さこそが、この少年、つまり僕——ベラミー・フォール・マシューにふさわしい。恩恵を持たない者の中で最強と呼ばれ、この世界で最も優れた学校に通い、すべての学年で成績トップを維持し、あらゆるランキングで一位を独占している。身体的にも同年代と比べて優れているし、顔立ちも良く、女性が羨むほどの美しさを備えている。

これ以上完璧な人間なんて、いるわけがない。少なくとも僕の目から見れば。

こんな風に、僕は誰よりも傲慢だ。もし魔法の鏡が僕に「君は最高じゃない」と言ったとしても、僕はそれを否定して、謝らなければ叩き壊すだろう。でも、公然と傲慢さをさらけ出すのは偉大な者の威厳を損なうから、心の中にしまっておいて、人に褒めさせるのを待つんだ。

僕が武芸だけでなく学問でも一番であることから、自分がどれほど注目されているかはわかりきっている。立っているだけで、誰かが褒めてくれるか、へつらってくれる。そうして、僕の傲慢さを多少は満たしてくれるんだよね。

それに、いつも僕を褒めてくれるマリアにも感謝している。自分が大きくなったとき、彼女を絶対に見捨てないって約束するよ。

「いつもありがとう、マリア」

「ありがとう? あ、いえ、むしろ私のほうが…あっ、ベラミー様。どうやら到着したようです」

マリアが声をかけた。馬車が止まる音が聞こえなくなったのを感じ、目的地に着いたと察する。御者が馬車の扉を開けると、僕は熊革のコートを手に取り、それを羽織って馬車から降りた。真昼の光が降り注ぎ、僕の心臓が少しだけ速くなるのを感じる。

どれだけ自信過剰でも、この場面では緊張せざるを得ない。そう、すべては運命次第。高いか低いか——神の恩恵によって決まるのだから。

「おい、あれは…」

「ベラミー・フォール・マシュー——世界最強の子供だ」

「信じられないな。俺たちと同じ年齢だなんて」

僕は薄く笑った。——いいぞ、モブキャラたち。これで僕の登場シーンは完璧だ。

同年代の子供たちは誰もが僕を見つめている。スラム出身の子供も、中流階級の家庭から来た子供も、貴族の家から来た子供も、同じ学校に通う知り合いも。この審査を監督するために派遣された大人たちも皆、僕に視線を注いでいた。すべての注目が僕に集中するプレッシャーは多少なりとも感じるが、そんな感覚はこれまで何度も経験してきたから、動揺することはない。それどころか、この注目こそが僕の自信をさらに高める薬になる。

「それじゃあ、先に行くよ、マリア」

「はい、お待ちしておりますね」

この診断には保護者が同行することは許されていないため、親しい間柄であるマリアと別れる必要があった。だが、それに問題はない。僕はマリアに手を振って別れを告げ、馬車から降りた。柵を通り抜け、同年代の子供たちが集まる場所へと進む。中央には巨大な教会があり、その上には天秤の紋章が刻まれている。この場所こそが、才能の診断が行われる会場だ。

才能の診断は、世界中にある6つの教会で行われる。運営を担うのは宗教組織「イエイゼーン」。そのため、管理者全員がこの宗教の紋章を持ち、この会場もその一部だ。

会場の外には、多くの保護者や、特ダネを狙う報道記者たちが集まっていた。さらに、各組織のスカウトたちも多く見受けられる。人材こそが最も価値のある資源。言い換えれば、「才能」こそがこの世界で最も重要な資源なのだ。毎年行われる才能診断は、まるで財宝の山を争奪するような場と言えるだろう。

僕は人々の間を抜け、教会の中に入って診断を受けるための手続きを進めた。すると、特に見覚えのある人物と出会った。

どこかの名門の令嬢である彼女。金色の美しい髪を上品にまとめた姿に、まるで海を思わせるような青い瞳。そして豪華なドレスに身を包んだその女性こそ、この国の第二王女「アイリス」だった。

僕は彼女に向かって笑みを浮かべると、彼女もまた何か企みを含んだ微笑みを返してきた。

「まぁまぁ、どなたかと思えば、あの栄光の一番星様ではありませんか?」

「お久しぶりですね、『永遠のナンバー2』殿下」

「まぁ、そんなことをおっしゃるなんて失礼ですわね」

「ところで、『ナンバー3』と『ナンバー4』はどこへ行ったんですか?」

わざと周りを見回す僕を見て、アイリスは眉をひそめた。

「先回のランキングでナンバー3とナンバー4だった人たちなら、ここでは診断を受けていませんわ」

「そうですか。それなら問題ないですね。よく言うじゃないですか、ナンバー3とナンバー4こそがナンバー1にとって脅威だと。なぜなら、ナンバー2は永遠にナンバー2であり続ける運命にあるんですから」

「よく言うなんて、どう考えてもあなたの作り話ですわね。私を随分見下していらっしゃるようですけど?」

「冗談ですよ、アイリス」

「最近は私を見るたびに嫌味を言うのが習慣になっているようですね」

「だって言わなかったら、先に嫌味を言われるんですからね」

「つまり、私のことをいつも考えているというわけですね。それを聞いて、少し嬉しい気持ちになりましたわ」

彼女の言葉だけを聞くと、まるで恋する乙女のように思えるが、その口調や態度からは全くそんな雰囲気を感じ取ることはできなかった。

ともあれ、見ての通り、僕たちは親しい間柄だ。ただし、この王女様は少々人を小馬鹿にするのが得意なだけだ。それでも、彼女がそんな態度を取るのは、自分よりも優れていると認める相手にだけだ。一般の人から見れば、彼女は普通の王女にしか見えないだろう。しかし、学校での日々はお互いのプライドを賭けた戦いの連続であり、それが僕にとって痛い目を見る原因にもなっていた。

「それで、調子はどうですか?」

「ええ、これをお伝えするために待っていたんです。これから先、もう二度とあなたに負けることはありませんわ」

アイリスは診断結果が記された紙を見せた。そこには、こう書かれていた -「魔使い」。

魔法使い -それは、神の使徒を除けば最高ランクの才能だった。

「なるほど。ということは、ナンバー1の僕はその魔法使いを超える才能を授かるに違いありませんね?」

「相変わらず自信過剰です。ご存知ですか? あなたの評判は最悪ですわ。特に大きなギルドのスカウトたちの間では、あなたが彼らを見下しているとされてね。一般市民も、あなたを高慢な人間だと思っていますわ」

「そんなつもりはありませんよ。僕の性格くらい、あなたならご存知でしょう?」

「ええ、ですが振る舞いも重要ですわ。あなたのような高い地位にいる方がひどい才能を授かったとしたら、それこそ居場所がなくなりますわね。うふふ、その時は、学校でのあなたの傲慢ぶりを一番に報道して差し上げますわ」

その言葉には一理ある。僕を笑い者にしようと待ち構えている人間は、きっと大勢いることだろう。例えば、目の前の彼女のように。

「そうですか。残念ですが、そんなことにはなりませんよ。では、失礼します」

僕は軽く手を振り、アイリスを無視して通り過ぎた。そして診断機器を操作していた担当者のもとへと向かう。彼は僕に気づくと、機械の準備を急いで整えた。準備が整ったところで、僕は手を伸ばし、目を閉じる。

短い時間の中で、僕の未来はこの魔法装置一つで決まってしまう。それは -到底納得のいく話ではなかった。

ずっと誰にも負けないと思っていた僕の戦闘能力。それすらも、この診断一つで簡単に覆されるというのか? そうならないために、僕は十二年もの間、努力を積み重ねてきたのに。

僕は、僕自身の手でこの世界で最強になる男だ。この程度で終わるわけにはいかない。僕は、僕は――

そして、診断の結果は――

……………………

………………

会場全体を静寂が包む。診断担当者は瞬きを繰り返しながら、言葉に詰まっていた。そして僕の顔を見つめ、失望したような表情を浮かべた。

「た、才能は……『愚者』です……」

僕が授かったのは、「愚者」という歴史上最も酷い才能だった 。






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