(4)ひなまる
ピピピピピ…
携帯でセットしていたアラームが鳴り響く。
「んーー、ふぁー。もうこんな時間か」
時刻は、PM16:00
梅野さんと電話が終わったのは、AM10:00。
そこからだらけて、いつのまにか寝て、今に至る。
いつもなら、土曜日はタイマーかけずに
ぐっすりと寝るのだが
今日は久々に、友達と遊ぶ予定を入れた。
たまには私だって、おしゃれして呑みたいんだ。
しかも明日は日曜日。
今の私、最強。
ベッドから起き上がり、リビングテーブルに卓上ミラーを置いて、身支度を始める。
久々に、髪の毛巻こう。
せっかくのロングだし。(美容院行くの面倒なだけ)
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PM19:00
まだ日は明るい。
真昼の蒸し暑さが軽減して、少しだけ涼しい。
電車に乗り到着した場所は、ディープな飲屋街。
今はまだ、周りの人たちもまっすぐ歩けている。
予約した赤色のれんが目立つ【炭火焼鳥 ひなまる】
ここのお店の焼き鳥は、日本一美味しい。
私のお墨付きだ。
「「「いらっしゃいませーーー」」」
お店に入ると元気が出る挨拶。
すぐさま、段取りのいい席案内。
スムーズなメニュー説明。
味も美味しいが、接客も美しい。
「琴美〜〜っ待ってたよー!おつー!」
「お待たせ美香!おっつー」
先に入店していた、 友達の藤原 美香
私と同い年。会社の同期でもある。
特徴は、栗色のショートヘアと、
「今日も相変わらずでっかいな、おっぱい」
「ちょ、琴美。じじいかお前は。」
夏だから露出が激しい分、目が行くのは仕方がない。
「ご注文の、生ビールでーす!!」
とりあえず2杯くださいと頼んだ、キンキンに冷えたビールが目の前に届く。
「よし、琴美!!」
「よし、美香!! せーのっ 」
「「乾杯ーーーーっ!!」」
控えめにグラスをコツンとあて、乾いた喉をビールで一気に流し込む。
かーっ。美味すぎる。
一口いただいた後、キッチンから店員がやってくる。おぼんには、ぼんやり湯気が見える、ジューシーな焼き鳥達。
「つくね、白肝、鳥皮、もも お待ちどうさま。
食べ終わった串は、竹皿の中にどんどん入れてってねー。」
くぅーー、やってまいった、私たちの焼き鳥。
一口飲んだだけだが、気分がかなり好調だ。
今日の朝は、ゆっくりさせろと思っていたが、どうでもよくなった。
ありがとう、ひなまる。