【第18話】 再会
今晩は。
投稿です。
エノン!
見つけた!
やっと会えた!
ローロンサ!フォローを!
エ・ノ・ン!
戦っているエノンがこちらを一瞬見る。
え、違和感!?
目を逸らし、再び膨大な魔力を扱い、敵を薙払うエノン。
次々に粉砕されていく機械生物。
な、なんだあの攻撃!?
「魔人デス、確実に勇者、魔王に傷を付けられる存在デス」
何があった!?エノン?
それでも機械生物の進軍は止まらない。
大地を覆う蟻のように蠢き、次々に進軍してくる。
何体いるんだ?大地が埋め尽くされているけど?
機械生物からの一斉砲撃が始まる!
あれ、地形が変るぞ!
「介入する、エノンの敵は私の敵だ!」
「反対デス、それこそ魔王、真杖ア・ダウの意図するところデス」
その時、進軍してくる機械生物の中央部で、大爆発が起きた。
ドゴオオオオオオオオオオンッ!
火山の噴火のように天に駆け登る噴煙、揺れる大地。
爆風が周囲を駆け巡り吹飛ばす!
機械生物の残骸が、私達のところまでバラバラと降ってくる!
「「あ、ごめん、ちょっと加減が分からなくて」」
綺麗にハモる美観と玲門。
え?何したの?何しているの?
あ、これって、もしかして!
「夢の中で教えてもらったの、凄く難しいって聞いたんだけど」
「私達ならできるって!」
誰だ?これ教えたの!
ゴルちゃん?シルバーっち!?
いつの間に使ったの!?
でもこれ、水蒸気爆発魔法、真杖ア・ダウも使えるはず!
なぜ使わない?
「アッキーは簡単に使っているかも知れないけど、これ、結構難しいのよ?」
「そうそう、まず、調整が難しくて爆発しないの」
まあ、調整は難しいかな?
「マスター、撤退しています」
え?なに?ローロンサ?
あ、引いていく!
異形の機械生物がじわりじわりと攻撃しながら引いていく!
湧き上がる歓声。振り向くと傷だらけの妖精達が武器を手に叫んでいた。
「エンキドウ!我らが救い主!」
「エンキドウ!」
エンキドウ!?
エノンじゃないの?
そのエノンが近寄ってくる。
「……何者だ」
!?
「エノンちゃん、玲門よ?」
「レイモン?知らぬ名だ」
!?
「え?エノンちゃんだよね?私、美観よ、分からないの?」
「誰だお前?エノンは前世の名だ、今の私はエンキドウだ」
!?
「アイさんは?」
玲門が尋ねる。
その声は、少しだけ震えている。
「お前達、アイお母さんを知っているのか?ならここにアキはいるのか?」
!?
どういうことだ?
知らない?
何があった!?
「アンアン」
エノン!私だよ!
「なんだ?イヌ?食料か?」
えええええっ!?
食べちゃうの!?
私の声が聞こえていない?念話がうまく伝わらないんだ!
それに、記憶が?
あ、勇者桃太郎、何か言っていたな?
次元航行は魂、魄、意思に負担が凄い?
美観と玲門の場合、勇者小角が憑依しているけど、それでもベースは人族、普通なら耐えられないとか?
ならば、エノンとアイお母さんは?
「エンキドウ、この方達は?」
エルフ?服装からして参謀か?
「知らん、ン・ドント大陸の者達であろうが……敵意はなさそうだ」
私を知らない?気がつかない?なんで?
「先程の広範囲魔法攻撃は?」
「この者達であろう、よく発動したな?水蒸気爆発魔法は結界で無効化されているはず」
チラリ、と玲門を見る。
結界、無効化したの?
答えたのは美観だ。
「当然、あの程度の結界は私達には無意味よ」
顔を顰めるエノン。
「あの程度?魔王の結界だぞ!?」
「なら、魔王が弱体化しているのでは?」
平然と言ってのける美観。
周囲の妖精達の顔が曇った?
エノンも気まずそうだが?
「お前達、アイお母さんの知り合いか?エノンの名も知っているようだが?」
「ええ、会わせて欲しいんだけど?」
「エンキドウ、どうされます?」
「この魔力だ、場所はもう特定しているだろう、反対したところで意味がない。案内する、付いてこい!」
ローロンサ、周囲警戒。
「はい、マスター」
歩き出す私達。
「あの者は残るのか?……レイモン?」
「美観よ!情報収集よ、あと周囲の警戒。イヌを抱っこしているのが玲門、ちょっと痩せているのが私、美観よ!」
「す、すまん、そっくりだな」
ギロッ!と美観を睨む玲門。
(アッキー、なんか悔しいンですけど!?)
うう、私を巻き込まないで!
(アッキー!フォローしてよ!私、太っている!?)
……ぽよぽよ。
頬ずりしてみる。
「ひゃっ!?ア、アッキー!?」
玲門の方が大きい?
(……ま、まあね)
お、機嫌直った?
ギロッ!恐ろしいお顔で今度は美観が睨む。
……めんどい。
「お前達は声もそっくりだな?クローンか?」
「まあ、遺伝子は一緒だし、天然クローン?」
「あ、双子か!?」
「そうよ、珍しいの?」
「ああ、双子は天からの贈り物と言われている」
「おお、ちょっと聞いた?アッキー?私達、大事にしなさいね!」
ん?エノン?
「主だった戦士は皆死んでしまった。今回の戦いは絶望的だったんだ。美観と玲門、まさに天からの贈り物だ……感謝する」
エノン?本当に何があったの?
アイお母さんは無事なの!?
土壁の建物が見えてきた。
半地下の建物群?
ああ、上空からだと平原にしか見えないんだ。
……魔王の気配……この国の魔王か?
だけど……これは?
「今は……ここがこの国の宮殿だ」
!
アイお母さんの匂い!
「アンアン!」
私は玲門の腕を離れ、匂いの元を目指し走り出す!
「エンキドウ!地震があったが、どうした?何があった?」
木製の、分厚いドアが開く。
「戦況はどうなった?」
いた!見つけた!見つけた!アイお母さん!
迎えに来たよお!
もう家に帰ろう!
小次郎お父さん、待っているよっ!
私はジャンプし、アイお母さんのでっかい胸にダイブした!
次回投稿は 2023/12/15 夜の予定です。
サブタイトルは 【第19話】 記憶と再構成 です。
ページ下部の評価欄から、評価をしてもらえると嬉しいです。
いいね、ブックマーク、感想等も、もらえると励みになります。
よろしくお願い致します。




