【第17話】 大地の国へ
今晩は。
投稿です。
二人の元へ向う、全てはそれからだ。
美観、玲門、誘導して!
「いいわよ!」
メイドン、ローロンサ、周囲警戒をお願い。
「おい、魔神アキ、俺達への恨みはこの城でチャラか?」
一瞬にして強力な結界が周囲を包む。
これは?ルーカス・マーカスの結界?
破壊できるけど、厄介だな。
ルーカス・マーカス、恨みには底がないわ。
「ああ、そうだな。復讐は気持ちいいか?」
虚しいだけよ!でも次に進める。
恨み続けるにはエネルギーがいる。
そのエネルギー、他に回すわ。
「……だとさ、イー・シャンテン」
過去の行動はリセットできない、どんなにお互い努力しても無かったこと、にはならないわ。
チャラ?その考え自体が、無理。
感情は足し算引き算の算数じゃない。
まあ、感情の数値化には興味あるけど。
あなた達魔族全員、私の知らないどこか遠くの世界で自滅してほしい、が本音よ!
「チクリもそうか?あいつは反省し、今も彷徨い続けているが?」
!
「答えろ!魔神アキ!」
許さない。
「即答か」
魔族チクリ、許すはずがない!だが、危害を加えるつもりもない。
「ほう」
彼に感謝している妖精や人族が沢山いる、でも私は許すことができない!
「怒りの魔神アキ、お前だって、いつ加害者になるか分からないぜ?それだけの力だ、簡単に周囲の者達は死んでしまうだろう。この城だって予め住人を全員避難させた……」
何が言いたい?
「俺達の喧嘩は、周りの者にとって喧嘩じゃすまない、弱っちい人族なんざ、すぐに死んでしまう。喧嘩相手とその周囲、仲直りの方法を探している」
魔王の中の魔王が?そのあなたが仲直りの方法を探している?
「ああ、探している。どんなにチクリが彷徨っても、あいつのやっちまった極悪非道実験の過去は消えね。惚れた奴からも決して許してもらえねぇらしい」
誰のこと?
「さあな。だから俺が言ってやった」
?
「俺だけはお前を許してやる、と」
!
「あいつ、泣いたぜ」
私は言葉を失った。
え?これが魔王?
魔王って何?何者?
相手に対して思いやりを示す?
この時点で、もはや魔王失格では?
力での支配とアトロニアからは聞いていたけど?
あ、結界が解けた!
「引止めて悪かったな、お前の言葉が聞きたかった。真杖ア・ダウ、あいつも後悔する時が来るのだろうか?その時、お前はどう動く?魔神アキ」
ア・ダウが後悔?あり得るのか?
その時考えるわ。
「その場所に同席したいものだ」
重力魔法を使い、上空へ!
「玲門、アレが魔王?魔王らしくないけど?」
「でも力は凄そうね?アッキー、誘導するわ」
玲門の目が青く光る。
私を抱っこしているその腕を通して、魔力が接触してくる。
私は玲門の目を通し、北の大地を見る。
!
なに?!あれ!
「凄いよね、あれ、人かしら?」
グングン近くなる大地。
そこは戦場だった。
機械で強化された妖精?人族?
明らかに武器と融合しているのだ。
溶け合っている?
「何あれ!?機械?生きている兵器?でも魔力の反応は人よ!」
「美観!あまりアレに感応すると危険だわ!精神汚染されそう!」
精神汚染?
「毒念デス」
毒念?
「他者に毒をもたらす意識デス」
あ、分かるかも。
散々私をいじめたあいつら、異様な雰囲気が、広がっていったんだよね。
そしてクラス全体がおかしくなって、噂が広まり、学年もおかしくなっていった。
あれの超強化版、国家版か?
機械生物は圧倒的な強さで、敵を蹂躙していた。
いや、これは虐殺か?
戦いにならないのだ。
「あれ、私達の世界の兵器じゃない?機関銃?外観、構造、そっくりよ!」
「あれ銃よ!それもかなり強化されているみたい!」
身体中から銃身を突き出した異形の怪物達。
あれはもはや人とは言えまい。
魔力を帯びた弾丸は次々に妖精達を仕留めていく。
美観、玲門、銃に詳しいの?
「一通りは扱ったわ」
「小型の拳銃から散弾、ライフル、機関銃も」
いったい、どんな家庭だったの?
「基本、銃は重いのよね、それに音が凄いし、反動も脱臼や骨折するくらいあるのよ!」
「あと熱が凄いの!匂いだって独特よ」
重さ、反動と熱?あの怪物達は軽々しく使っているみたいだけど。
ローロンサ、あの銃器を帯びた怪物、反応が速くない?
あれではどんなに速く動いても避けられないのでは?
「電子機器の反応で攻撃しています。このパーティーメンバーは大丈夫ですが、他の者達は為す術が無いでしょう」
バララララッ、と連続して響く発射音。
次々に倒れていく妖精達。
妖精達の反撃は、弓と魔法攻撃である。
どんなに魔力を帯びている矢も、軽く弾かれている。
魔法攻撃も同じだ。
この国の戦争だから、介入は極力避けたいが、これでは。
私達は大地に降り、周囲を警戒する。
「ここらにいるはずだけど……気配を消したかな?」
「さっきまでは反応していたのに!」
美観と玲門が魔力で周囲を探る。
その戦場に、閃光が走った。
次々に粉砕されていく異形の怪物達。
「警戒を。限りなく魔王に近い存在、魔人デス」
凄い破壊力だな。
戦っているのは……いた!
あそこに!
「あれだ!アッキー、エノンよ!」
え!?
「あれ、エノンだ!」
美観と玲門が同時に認める。
そこには、異世界の武具を纏ったエノンが、異形の怪物達と戦っていた。
次回投稿は 2023/12/08 夜の予定です。
サブタイトルは
【第18話】 再会 です。




