【第15話】 上陸
今晩は。
投稿です。
考えてみた。
魔族達なら、人質とか考えるだろうか?
真杖ア・ダウならするだろう。
でも、この魔族達ならバトルを楽しまないか?
基本、強い者に挑み、強い者に従うみたいだし。
魔大陸の支配の仕方も独特だ。
自分達の管轄の国をコントロールして強化、それぞれ戦わせている。
そしてその憎悪や思いを集めて、更なる破壊に使う。
命を何だと思っている?
ゲーム感覚か?
魔族チクリも、探求のためならば手段を選ばなかったし、基本、禁忌がない。
それに、よくもまあ数千年もだまし続けていられるな。
殺し合いをさせる魔族、大陸の住人は気づいているのだろうか?
思いを巡らせていると、賢者ミントが話し掛けてきた。
(我々から見たら、魔大陸は地獄だよ)
え?
(殺し合い、奪い合い、相手を滅ぼすことが正義なんだ、な?地獄だろ?お互い正義なんだから)
正義!?
一番注意しないといけない言葉ね。
(今から出撃かい?)
ええ、そうよ。
(美観さんと玲門さん、勇者並に仕上がっているね)
そう、美観と玲門、この二人、朝起きる度に雰囲気が違う。
夢の中、超空間でとんでもない修行をしているのだろなぁ。
なんか、魔力も鋭くなっている感じだし。
杖と槍の影響もだいぶあるのでは?
でも一番の影響は、この世界だろうな。
他の世界から、直接来たからよく分かる。
空気が違う。
魔力を呼吸している、って感じなのだ。
周りの人達も魔力に満ちて、お互い影響し合っているみたいだし。
それと食べ物!
食べ物は、煮る、焼く、蒸すは同じだけど、保存は魔法で行なっている。
食品添加物が極端に少ないのだ。
着色は基本しないし、香料だって控えめ、もしくは添加しない。
必要以上に食べ物を演出加工しないのだ。
外側からは勇者や周りの妖精、動植物の影響、内側からは魔力の塊みたいな食べ物の影響、身体が変わっていくはずだ。
美観、玲門、私もだけど、まず、この世界の食べ物を食べた時、青い汗が出た。
はい、青です。
それも、もの凄く臭い汗。
ポメである私も青い汗を流した。
肉球周辺とか、鼻の辺りから。
まあぁすんんんごく臭かった、と記しておこう。
ショックだったなぁ。
美観や玲門なんて泣き出したもの。
怖いぜぇ、青い汗。
賢者ミントやドロトン君の話のよると、この世界に相容れない毒素と言うことだけど。
そして身体から毒素がなくなり、急激に魔力が流れ込む。
全身に満ちる勇者桃太郎のきび団子。
更に活性化する筆頭勇者、小角さまのナノマシン群。
疑似勇者?の出来上がり。
もはや、誰これ?のレベルで別人である。
美観と玲門は勇者を名乗れるかも知れない。
それにしても異常だなぁ、この2人のパワー。
基本能力が上がっているような気がするんだけど。
(重和したんだよ)
え?ジュウワ?賢者ミント、何ですか、それ?
初めて聞く言葉だけど?
(重ねて和する、この世界の美観、玲門と意思と魄が一つになったのさ)
ええええええええっ!?
(稀な現象だけどね、奇跡に近い。別世界の自分と共鳴して2人が一人になるんだ)
こ、混乱するのでは!?
(魂は同じだよ。2人が魂レベルで同意すれば、1人になれる。まあ勇者小角と桃太郎のきび団子の影響があって、できたことだけど)
記憶は?生活は?
(和しているから大丈夫、美観も玲門も今まで通りだよ)
2人を見る。
……今まで通り?ほ、本当かしら?
(こちらの世界の美観と玲門は、異世界からの侵略の時、一族はほとんど戦って死んでいるし、アッキーの世界の美観と玲門は、もう元の世界では暮らせないと言っていた)
……元の世界に戻る気は無いとは言っていたけど。
(彼女達4人は寄り添って2人になった。後悔はしていないよ、そもそも後悔するようだったら重和はできない)
「アッキー、準備いいけど?」
「甲板、行く?」
美観と玲門の声が響く。
この2人、私より凄い。
何だろう、真剣に生きている?うーん、言葉が見つからない。
今度、詳しく聞いてみたいな。
ゆっくりと動き出すメイドンとローロンサ。
「アンアン!」
メイドン!抱っこ!
「いいデスよ、アキ」
「「次、私ね」」綺麗にハモる美観と玲門。
さすがにどちらも選べないぞ。
ん?ローロンサ?
「まずはこの気象コントロールをしている輩を排除しよう」
「できますか?ブラザーローロンサ?」
「……任せてください、シスターメイドン」
なんか別の響きに聞こえるのは、私だけか?
「ドロトン、ン・キング、甲板に立つがよろしいか?」
「見せて貰おう、やって貰おう、異界の戦士。その技その力示して見せろ!」
荒れ狂う海上、ローロンサが甲板に立つ。
大丈夫かな?
すると、右手を軽く払う仕草をした。
虫でも払うかのように、あっちに行きなさい、って感じで。
?
なに?ローロンサ?
すると……分厚い黒い雲は割れ、波は静まり、雨、雷はピタリと、止まる。
え?お日様の光が!?
まさに魔法!
今までの荒れた海、天候が嘘のよう!
メイドンと同じOSって聞いたけど、ローロンサ!?
そして青空に現れる3つの黒い影。
これは……一つは魔王だな。
残り二つは眷属の魔族か?
中央に魔王、左右に眷属。
凄い魔力だな。
制御していない分、勇者とは比べものにならないぞ。
「ン・ドント大陸のクズ共、何用だ?」
「我らと戦でも始める気か?集団で押し寄せて」
ん?あれ?ローロンサ?こいつら無視?
「我が名はローロンサ。そこの魔王、我が主の母アイさま、友のエノンさまのところへ案内しろ」
うわぁ、まさかの格下扱い!?
一瞬で顔付きが変わる魔族達。
「不遜だな」
ポツリ、と魔王が呟く。
そして左右の2人に対して、眼で合図する。
「けっ、その者達ならば、もう死んでいるぜ」
!?
「ああ、あの女達、散々遊ばせてもらったぜ?」
パパッ、とストロボのような光が魔族の周りを走った。
ぶわっ、と魔力を撒き散らし、海に落下していく2組の魔族。
え?何が起きたの!?
「お前達魔族は我が主の逆鱗に触れている、口を慎め」
「殺してから言っても聞こえないぜ?ローロンサとやら」
「殺してはいない。が、もう魔族は名乗れないだろう。次はお前だ」
「今のは対魔王、対勇者の技だな、聞いたことがある。お前、破壊神ナツの眷属だな?」
!?
「今回は引くとしよう、破壊神の眷属が相手ならば、こちらもそれ相応の用意が必要だ」
「逃げられるとでも?」
「ああ、逃げ足は速いんでね、おい、お前ら帰るぞ」
ボロボロの眷属が左右に現れる。
あれ?コウモリとカラス?
「口は禍の元だ、お前ら、相手見て喧嘩売れ。高い授業料だったな」
「こいつヤバいですよ魔王、魔力ほとんど拡散されてしまった」
「俺、元のコウモリまで戻されちまった!」
「アンアン!」
ローロンサ、見逃してあげて!
「いいのですか、マスター?」
2人の奪還が目的よ。
メイドン、美観、玲門、行くよ。
ローロンサ用意を!一気に光の島上空、まで飛ぶわよ!
賢者ミント、ドロトン君、ン・キング!あの魔族は任せた。
私達の邪魔をするようだったら、足止めをお願い!
ヒュン!
重力魔法を使って、魔大陸上空に浮遊する私達。
「ア、アッキー!行動が速すぎ!思考が追いつかないわ!」
「玲門、いつものことよ!」
ローロンサとメイドンが結界に穴を開け、固定する。
上陸するわよ!
「急襲でしょう?」
私達は魔大陸の大地を目指し、降下し始める。
次回投稿は 2023/11/24 夜の予定です。
サブタイトルは 【第16話】 急襲 です。
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