【第10話】 出港はしたけども
今晩は。
投稿です。
「と、突然の出港なんですね?」
だよね、玲門。
「向こうにバレているなら、わざわざ味方を欺かなくても?」
だよね、美観。
チラ?
「ゴブ、欺いたのはポシェット商会ゴブ」
あ、敵がいろいろいるわけね。
「あちこちにいるゴブ」
船の甲板から海を見ていた。
風が凄い、音も、潮の香りも。
あ、全身潮風でベタベタになりそう。
「安心したゴブ?長さんは大丈夫ゴブ」
そう、このデカい戦艦、後方には……なんと長さんがセットされていた。
無敵じゃね?この船。
船から直接魔力を貰っているそうで、じつはこの戦艦、元は長さんの海上運搬が始まりだったらしい。
大陸から出られないゴーレムをどうにかして移動できないか、がこの船の元々の開発テーマだったそうだ。
「すごいだろ?いいだろう?サイザンが考え出したシステム!」
ゴキゲンのン・キング。
しっかり乗船しているこの二人。
いつの間に?
「アキさん、今のアキさんの世界の技術、どんなのですか?教えてください!」
私は思った。
ン・キング、ドロトン君、サイザン君、賢者ミント、この人達、混ぜるな危険では?
だいたい、敵対しているポシェット商会に多額の借金して、担保が長さん!?
何しているんですか!もーっ!
結局東の砦、全壊して、船に乗ってここぞとばかりに逃亡?
みんな私が原因とか言っているんですけど!
これは変な騒動に巻き込まれる前に、アイお母さんとエノン助け出して、とっとと私達の世界に帰るとしよう!
なぜだろう?無事出港したのに気が重い。
長さん、苦労しているんだね?
会議室に戻ると、魔大陸について話が始まった。
講師は賢者ミント。
「ゴブ、魔大陸については、エノンが第一人者だったゴブ」
まあ、実際渡っているしね。
「ゴブ、エノンから聞いた話は信じられない話だったゴブ」
?
「ゴブ、その話の確認のため、メイドンに相談したゴブ」
メイドンに?
「メイドンは、ある程度知っていたゴブ、そしてコメイドンを使って、魔大陸をずっと調査していたゴブ」
「これから渡る魔大陸は特殊デス、メンバーは魔大陸のシステムを、しっかり理解してくださいデス」
?
魔王達が支配する、弱肉強食の氷の世界ではないのか?
あの魔族イー・シャンテンや魔族チクリ、魔王ルーカス・マーカスが支配する世界。
「ゴブ、ここからは念話で進めるゴブ、外部に漏れるとマズいと判断するゴブ」
そこまでする?
(まず、魔大陸は自らを封印している大陸だ。東の大陸も封印されていたが、あれは精霊達があまりの環境破壊の酷さに危険を感じ、封印したのだ)
(魔大陸とは封印の意味が違うと?)
(そうだ、魔大陸は、大陸の住人を外に出さないため、外部の者を入れないための封印だ)
なにか、恐ろしい実験でもしているのかしら?
(魔大陸は4つの国に別れている、炎の国、風の国、大地の国、水の国だ。そして聖地と呼ばれる地域がある。ここまでいいか?)
こくこく。
(聖地は筆頭魔王の住居だ。そして4つの国を支配している魔王達に、それぞれ指示を出している。この体制での支配は、およそ8千年以上に及ぶらしい)
8千年も、住人は外部との接触はなし?
(基本なしだ。エノンのような人物も歴史上、幾人かはいたが、文化的なものを何も持ち込んでいない)
独自の文化があると?
(魔大陸の住人以外の者、他大陸の者達は全員、悪魔、デイモンと呼ばれている)
!
えええええええっ!?
(デイモンは悪であり、住人を堕落させる存在、倒さなければいけない敵なのだ)
ち、ちょっと待って!?
それを信じているの?
(そう、この教えは各国共通だ、その上で、自分達は精霊に選ばれた民と自覚し、炎の国は風、水、大地を、風の国は炎、水、大地を、水の国も、大地の国も、それぞれの理由で戦争をしている)
自国は正義で正しいと?
(その通り)
それぞれが、他の3国を相手に戦っていると?
(時には同盟を結び、裏切ったり、和睦したりして、ずっと戦っている)
国力落ちたり、滅亡は?
(全て、魔族がコントロールしている。大地の国は何度か大陸制覇したが、数十年もすればまた国は分裂し、戦国時代さ)
なにそれ?
では、その戦いの本当の理由は?
(ホルダーアキは知っているだろう?魔族チクリが人々の感謝を集めている事実を)
ええ、知っています。
え?まさか?
(魔族はあれを『感謝』ではなく『憎悪』を集めている。戦争で生みだし、人々の憎悪を集めているのさ)
それで何をする気なの?目的は!?
(そこまでは分からない、だけど、予測はしている)
賢者ミントの予測は?
(破壊さ。ただそれだけのような気がする)
壊す?目的は壊す?
(そう、壊すだ、全てを)
それはまるで、真杖ア・ダウだ!
!?
この魔大陸のシステム、考え出したのは?
(確認はできていないけど、真杖ア・ダウの本体が絡んでいると思っている)
何者だ!?あいつ!どんな存在なのだ?
じっ、と賢者ミントを見つめる。
何か、知っています?
(知っている)
教えてください!あいつ、何者なのです!
(まあ、それを話すには、まず私のことから話した方が分かりやすいかな?)
賢者ミントのこと?
(そうだ私のことだ)
次回投稿は 2023/10/29 夜です。
23時までを目標としています。
サブタイトルは 【第11話】 魔大陸と魔族 を予定しています。




