【第3話】 東の砦にて
今晩は。
投稿です。
予定時間、過ぎてすみません。
元帥さん、右手を負傷したらしく、暫く挿絵はお休み致します。
脳内のステータス画面で次々に減っていく点滅。
氷獣が瞬く間に駆逐されていく。
あの私より小さかった、双子のお兄ちゃんとお姉ちゃんが!
あ、あんなに大きく!
そして、強く!
もう、氷獣は大丈夫だ。
砦の壁に降りるメイドン。
いや、これはもうお城か?
城壁と言うべきか?
「ラ・ベンダ、懐かしいデス、そしてメイドンは嬉しいデス!」
私もだよ!
「次元転移がありましたので、注意していたデス。まさかラ・ベンダの反応があるとは!驚きデス」
私の、反応分かるの?
「YES、メイドンはスーパー・スペシャル・ゴーレム、デス!」
あれ?なんか?下、揉めていない?
「獣人族ケイン!その二人、魔族ではないのか?」
え?
「その剣、杖、呪物ではないか!」
え?
「それも、特級では?我々が預かろう!」
は?
「そうだ、そんな危険なモノ、砦に入れるわけにはいかないっ!」
は?
城壁の下で犬鷲のケインお兄ちゃんと、玲門、美観の3人を取り囲み、尋問が始まっている。
メイドン?これは?
東の砦は、自由の砦ではないの?
少しずつ怒りが溜まり出す。
それに、あの剣と杖が何か分からないの?
「人族が、乗っ取りを画策中デス」
は?なにそれ?
「ポシェット商会が旧商工会のメンバーに入れ替わりましたデス」
え?
「クラウディー・ポシェット亡き後、乗っ取られたようデス」
……じゃ、ポシェット君のご両親は?
「事故死デス」
!
一瞬、思考が止まる。
事故死?
「ラ・ベンダ、怒りを抑えるデス」
本当に事故?
「事故と言われていますデス」
メイドンはどう思うの?
「他殺デス」
犯人は?
「おそらく真杖ア・ダウの分体デス、分体はハピ子が仕留めました」
あ、ならば、ならば!魔石の流れは?
「獣人族の魔石は、ポシェット商会に流れず、王都朝市に全て流れています、取引先筆頭はレイ・レッドデス」
色々あったんだ。
これは他にも……私の時間はあの時点で止まっているしな。
あっ!もしかして、ポシェット商会、異界の廃棄物とか扱っていない?
「よくおわかりデスね?これより南の大地に埋められていますデス」
影響はないの?
「メイドンとニト、ドロトンで無効化していますデス」
ボランティアで?
「デス」
どんでもない迷惑行為を人族はしているのね。
あっちも、こっちも!
それに真杖ア・ダウ!
本体はこの世界にいる!
……どこかで出会いそうだな。
あ、ゴブリンが城門から出てきた?
「ゴブ退け、ポシェット商会!その剣と杖、お前らには触れぬゴブ!」
「ゴブゴブ!欲深き人族!その剣と杖、見極めることもできぬくせに、欲しがるゴブ!?」
「ゴブリン風情がなにを言うか!この東の砦、我らポシェット商会の資金援助の賜ではないか!おまえらこそ、早々に立ち去れ!」
メイドン?これ、騎士団とかどう思っているの?
「さあ、メイドンは知りませんデス」
知ってそうだな、関わりたくないと?
こちらの世界では、こちらの世界の問題がある、と。
どうする?
この世界には関わらず、私達だけで魔大陸に向うが正解か?
できればお話しだけでも魔大陸について聞きたかったけど。
ああ、それに、私達が異界からの訪問者ってバレるとヤバくね?
侵略者とか、難癖付けそう!
「そもそもお前ら、何者だ?」
人族が詰め寄る。
メイドン、立ち去ろう、どこか他に休めるところない?
玲門と美観を休ませたい!
「新しい港街が南東にありますデス」
そこへ行ける?
「いいデスが、あの二人はどうしますデス?メイドンはラ・ベンダを運ぶだけで、手が足りませんデス」
ケインお兄ちゃんに頼むよ。
ん?念話が通じない?
ケインお兄ちゃん!?
あ、怒っている!?
念話が届かない!こっちに意識を向けていない!?
美観、玲門、聞こえる?移動するよ!
あれ?こっちも届かない!?
「あの者達、人族が、結界を張っていますデス」
!
魔法の使い方も、進化しているってこと?
「名乗る必要は無いゴブ!ここは闘神アキが定めた自由の砦ゴブ!」
「そうゴブ、助けを求める者に、必ず開く門、東の砦ゴブ!」
「ゴブ、聞け人族!ここの主はホルダーアキ!お前らではないゴブ!」
ん?メイドン、あの人族、身につけている魔石、おかしいよね?
「気づきましたか、あれは強化魔石デス、人族が新たに開発した人造合成魔石デス」
また変なの作ったな。
でもメイドンあんなの、使ったら命縮めない?
「人族には強すぎる魔石デス、ですが以前の騎士団レベルの出力が可能デス」
強くなって慢心したか?
北のゴブリンと対等、いやそれ以上か?
「おい、獣人族のケイン!その二人を渡せ!」
「お前ら、なにか勘違いしていないか?魔石に酔ったか?取り憑かれ飲み込まれたか?」
「はあ?何を言っている?」
メイドンが私を見る。
「アキ、怒っていますね?怒っては駄目デス!それに、その姿は見せない方がいいと思います」
無理、あいつら理不尽、ポシェットくんの両親、繰り返される暴力、欲望!
他者を消し去り、自分達さえ良ければ、それでいい?
「ここは強者の世界デス、力あるモノが支配者デス」
ならば、メイドンが支配者?
「メイドンは支配者に向きません、成りたくないデス」
弱肉強食、優勝劣敗の世界か?
「競争は進化の大事な要素デス」
メイドン、本気でそう思う?
「XXXXX!と叫びたいデス、メイドンは強者の前に立つようプログラムされていますデス」
「私も叫びたいね、強者なら、強者らしく振舞え!と。あいつらの舞は見苦しい!」
人族に視線を戻すと、なんとこいつら、剣を抜き、槍を、弓を、玲門と美観に向けたのだ!
私の中のアキ達がキレた。
《我が友に刃を向けるか!》
やばっ!
そう思った瞬間、怒りが一気に膨れ上がり、魔力と共に辺りに弾け飛んだ!
ケインお兄ちゃんは慌てて二人を掴み空へ逃げた。
「ゴブリン!異常魔力だ!退避!退……!」
叫びながら更に距離をとるケインお兄ちゃん
メイドンも瞬時に私を抱きしめ、砦から離れた!
ドゴオオオオオオオオオオン!
それは、大地を震わせ大空を切り裂いた。
東の砦は、その振動で5mほど浮き上がり、崩れ始めた。
アキの怒りにシンクロ、共鳴した長さんが、全力で主砲をぶっ放したのだ。
「ウオオオオオオオオオッ!」
咆える長さん。
まるで、今までの鬱憤を全て晴らすかのように!
ズシン、ズシン、と足音が響く。
長さんは周囲の建物を破壊し、移動し始めた。
どうやら、私を追っているみたいだ。
ネクロマンサー回路は切れている。
会話もコントロールもできないはず、なんだけど?
なんで?ついてくるの?
「ラ・ベンダ……メイドンは長さんで移動することをお勧めするデス」
チカチカ。
長さんのセンサーが光る。
まるで私達を招いているようだ。
次回投稿は 2023/10/20 夜の予定です。
サブタイトルは 【第4話】怒りの闘神アキ、砦を壊す、と言う噂 です。




