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続 The Lily 前世の記憶は邪魔である   作者: MAYAKO
第一章 礼羽編
70/95

【第70話】 アキ、目覚める     

今晩は。

投稿です。

すみません、遅れました。

諸事情により今回、挿絵は間に合いませんでした。

楽しみにされていた皆様、すみません。

挿絵は完成次第、入ります。

多分、明日の朝までには。

 この二人、暴力は嫌いと言って、大笑いした。


 ?


 なんで笑うの?


「あはははっ、笑っちゃうよね、散々バスケや私生活で反則しているのに」


 あ、溜息ついた。


「だよねぇ、いくらコーチや親の指示とはいえ、私ら、悪人じゃん、それも極悪人の末裔?」


 ?

 極悪人?親の指示?

 なに?

 悪い子には見えないけど?

 だってこの子達、毎日、雨の日も私に所に来てくれる。

 

 掃除とか、クッキーとか。

 じっと私を見つめて、過ごしたりしている。

 

 なんで?


 気がつくと、日は暮れ、夜になっていた。


 二人はもういない。


 灯りが見える。

 ああ、あれはきっと水圧発電の灯りだろう。


 先ずは一歩。


 そして日が昇り、二人組がやって来る。

 お早う、お二人さん。


 ザッザッ。

 箒の音。


 朝の掃除が始まる。


「お父さん、討伐されちゃったね」


 えっ!?


「まさかカマキリの怪物に志願していたとは……次は私達だったらしい」


「なんだよ、あの親!子供をあんな化け物にするつもりだったの!?」


 !?


 魔法生物に改造?

 この二人の親、権力者?


「私達も、怪物にされるところだった?」


「ハーサーだっけ?」


「そうそう山波くんだよ、討伐したの」


「謝りに来たけど、わたし、ありがとうって言っちゃったよ」


「私もお礼言った。あのままだったら、私達、どうなっていたか、分からないもん、怪物にされるか、取引の材料にされるか……」


「他の兄弟達、行方不明だよね?」


「多分、志願したんじゃない?不老不死とか、永遠の命とか言われて」


「会社のCEOとか、重役や社長の座を巡って争っていたんでしょう?権力の奪い合いよ!大体、兄弟姉妹って言ってもお母さん、皆違うし、最低の一族だよ!異世界の魔人と取引して、この世界、売っちゃうし!」


「世界連合ビル、オーナーはうちの会社だったよね?」


「多国籍企業のお偉いさん達も、皆、カマキリ人間?怪しいよね?」


「世界規模の企業だよ、みんな不老不死に騙されて、怪物に志願しているよ、きっと」


「あの人達、どれだけ悪いことしていたの?」


「うちの一族さ、悪事になれさせろ、とか言って、悪いこと散々させられたじゃん、一種の洗脳だよね。反発していた兄弟姉妹、いつの間にかいなくなるし。残ったのは黒い野心家のクソゲロヤローばっかだったし」


 この二人、とんでもない苦労人?

 中学生で闇を覗いている?いや闇の住人だった?

 そして私をじっと見つめる。


「アッキー、明日また来るね。明日はパンを焼いてくるね、小っちゃくて可愛いヤツ」


 そう言って、その日は二人、帰って行った。

 日が暮れて、夜になり、また日が昇る。

 繰り返しの一日が始まる。


 ほら、朝日と共に、またあの二人がやって来た。


「はい、アッキー!約束のチビパンだよ!」


 おおっ!


 ザッザッ。

 箒の音。


「よし、今日も綺麗!」


「ここまでかな?明日はクッキーでいい?アッキー」


 私はこの二人と仲良しだったのだろうか?

 よく、思い出せない、ごめんねお二人さん。


 今日はいつもと違った。

 玲門が魔法の練習を始めたのだ。


「なに?美観?」


「双子でしょう?私にも感染しないかな?」


「え?魔法使い、成りたいの?」


「うーん、玲門だけ魔法が使えるっていうのが、なんかイヤ」


「そうなの?でも、これから私、大変だよ?命を落とすかも知れない」


「そうね、スポーツと違って、負けたら終りだし、基本、再戦はないと考えた方がいいのかな」


 炎、氷、風、一通り使う。

 コンクリートの壁に向い、炎の矢を数本放つ。


「魔法の先生、いた方がいいのかな?」


「魔法使いの弟子?みんな忙しいよ!討伐やら、水圧発電の交渉や開発、転送機の実験」


「今度、ホッシーに弟子入りしようかしら?」


「ええっ!?ホッシー?散々嫌がらせしてきたよ、私ら」


「そうなんだよねぇ」


 二人はしょんぼりして、今日も帰って行った。

 私はこのまま朽ちるのかな?

 平坦な日々。


 感情の起伏が抑えられている。

 多分、私に刺さっているこの剣と杖の影響だ。


 ああ、また日が昇る。


 いつものごとく、二人がやって来る。


 ザッザッ。

 箒の音。


「私達さ、悪い一族の末裔、になるのかな?」


「なに急に?美観、どうかしたの?誰かに、なんか言われた?」


「学校の皆や、世界に悪いことしたから、贖罪しないといけないのかな?」


「重いよ、その言葉。でも、皆のために、なんかしなくちゃいけないと思う」


「だよね」


 ちょいちょい。


 ?


 美観が手招きをする。


「なに?」


「耳貸して、内緒話」


「え?誰もいないよ、ここ?」


「いいから!」


 玲門は美観の口元に、耳を寄せる。

 まあ、私だったらしない、近寄らない。

 絶対、何か企んでいるもの!

 玲門って素直?


「なになに?」


 ぷちゅ。

 ぺろぺろっ。


「ひいいいっ!ぺっぺっ!な、何てことするのよ!美観!?」


 く、唇に、ちゅーした!?ぺろぺろした!?


「ええ?いいじゃん、小さい頃は、よくしてたじゃん」


「大きくなったらしないの!これは好きな人とする行為!」


「そう?私、玲門好きよ?」


「なんか好きが違うの!なんでこんなことするの!?美観のアホ!」


「いやぁ感染するかなって思って」


「勇者小角のナノマシンは方向性、意思みたいなものがあるって聞いたわ、気に入らないと移らないそうよ!」


「……なにそれ?私が気に入らないと?遺伝子、同じなのに!」


「性格じゃないの?もう!ビックリしたわよ!」


 更にビックリすることが起きた。


「……あれ?」


「どうしたの美観?」


「……感染したみたい」


「え?」


 指先に、炎を灯す美観。


 挿絵(By みてみん)


「やっぱ、この私に感染しないわけないよねぇ!ん?どうしたの玲門?」


「……これで私達、双子の戦士ね。戦って死ぬ運命よ、いいの?」


「望んだことよ」


 二人は仲良く魔法の練習をして、帰って行った。


「アッキー明日はドーナツよ!」


 おお、ドーナツ!

 明日が待ち遠しい。


 が、次の日、二人は日が昇っても来なかった。


 イヤな予感がする。


 私に中の阿騎が動き始めた。

 あの二人は阿騎にとって特別な人達らしい。


 魔力感知を広げる。


 何も感じない。


 !?


 何も感じない?おかしい!

 そんなはずはない!


 全く何も感じない場所があった。


 ここが怪しい!


 !


 小型化したデス・スパイダーは進化していた。

 魔力感知をすり抜ける技を身につけていたのだ。


 爪に切り裂かれる玲門。

 玲門を抱きしめ走り出す美観。


 私の中のアキ達が動き始めた。


次回投稿は 2023/10/14 夜の予定です。

サブタイトルは 【第71話】解けた封印 です。


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