【第70話】 アキ、目覚める
今晩は。
投稿です。
すみません、遅れました。
諸事情により今回、挿絵は間に合いませんでした。
楽しみにされていた皆様、すみません。
挿絵は完成次第、入ります。
多分、明日の朝までには。
この二人、暴力は嫌いと言って、大笑いした。
?
なんで笑うの?
「あはははっ、笑っちゃうよね、散々バスケや私生活で反則しているのに」
あ、溜息ついた。
「だよねぇ、いくらコーチや親の指示とはいえ、私ら、悪人じゃん、それも極悪人の末裔?」
?
極悪人?親の指示?
なに?
悪い子には見えないけど?
だってこの子達、毎日、雨の日も私に所に来てくれる。
掃除とか、クッキーとか。
じっと私を見つめて、過ごしたりしている。
なんで?
気がつくと、日は暮れ、夜になっていた。
二人はもういない。
灯りが見える。
ああ、あれはきっと水圧発電の灯りだろう。
先ずは一歩。
そして日が昇り、二人組がやって来る。
お早う、お二人さん。
ザッザッ。
箒の音。
朝の掃除が始まる。
「お父さん、討伐されちゃったね」
えっ!?
「まさかカマキリの怪物に志願していたとは……次は私達だったらしい」
「なんだよ、あの親!子供をあんな化け物にするつもりだったの!?」
!?
魔法生物に改造?
この二人の親、権力者?
「私達も、怪物にされるところだった?」
「ハーサーだっけ?」
「そうそう山波くんだよ、討伐したの」
「謝りに来たけど、わたし、ありがとうって言っちゃったよ」
「私もお礼言った。あのままだったら、私達、どうなっていたか、分からないもん、怪物にされるか、取引の材料にされるか……」
「他の兄弟達、行方不明だよね?」
「多分、志願したんじゃない?不老不死とか、永遠の命とか言われて」
「会社のCEOとか、重役や社長の座を巡って争っていたんでしょう?権力の奪い合いよ!大体、兄弟姉妹って言ってもお母さん、皆違うし、最低の一族だよ!異世界の魔人と取引して、この世界、売っちゃうし!」
「世界連合ビル、オーナーはうちの会社だったよね?」
「多国籍企業のお偉いさん達も、皆、カマキリ人間?怪しいよね?」
「世界規模の企業だよ、みんな不老不死に騙されて、怪物に志願しているよ、きっと」
「あの人達、どれだけ悪いことしていたの?」
「うちの一族さ、悪事になれさせろ、とか言って、悪いこと散々させられたじゃん、一種の洗脳だよね。反発していた兄弟姉妹、いつの間にかいなくなるし。残ったのは黒い野心家のクソゲロヤローばっかだったし」
この二人、とんでもない苦労人?
中学生で闇を覗いている?いや闇の住人だった?
そして私をじっと見つめる。
「アッキー、明日また来るね。明日はパンを焼いてくるね、小っちゃくて可愛いヤツ」
そう言って、その日は二人、帰って行った。
日が暮れて、夜になり、また日が昇る。
繰り返しの一日が始まる。
ほら、朝日と共に、またあの二人がやって来た。
「はい、アッキー!約束のチビパンだよ!」
おおっ!
ザッザッ。
箒の音。
「よし、今日も綺麗!」
「ここまでかな?明日はクッキーでいい?アッキー」
私はこの二人と仲良しだったのだろうか?
よく、思い出せない、ごめんねお二人さん。
今日はいつもと違った。
玲門が魔法の練習を始めたのだ。
「なに?美観?」
「双子でしょう?私にも感染しないかな?」
「え?魔法使い、成りたいの?」
「うーん、玲門だけ魔法が使えるっていうのが、なんかイヤ」
「そうなの?でも、これから私、大変だよ?命を落とすかも知れない」
「そうね、スポーツと違って、負けたら終りだし、基本、再戦はないと考えた方がいいのかな」
炎、氷、風、一通り使う。
コンクリートの壁に向い、炎の矢を数本放つ。
「魔法の先生、いた方がいいのかな?」
「魔法使いの弟子?みんな忙しいよ!討伐やら、水圧発電の交渉や開発、転送機の実験」
「今度、ホッシーに弟子入りしようかしら?」
「ええっ!?ホッシー?散々嫌がらせしてきたよ、私ら」
「そうなんだよねぇ」
二人はしょんぼりして、今日も帰って行った。
私はこのまま朽ちるのかな?
平坦な日々。
感情の起伏が抑えられている。
多分、私に刺さっているこの剣と杖の影響だ。
ああ、また日が昇る。
いつものごとく、二人がやって来る。
ザッザッ。
箒の音。
「私達さ、悪い一族の末裔、になるのかな?」
「なに急に?美観、どうかしたの?誰かに、なんか言われた?」
「学校の皆や、世界に悪いことしたから、贖罪しないといけないのかな?」
「重いよ、その言葉。でも、皆のために、なんかしなくちゃいけないと思う」
「だよね」
ちょいちょい。
?
美観が手招きをする。
「なに?」
「耳貸して、内緒話」
「え?誰もいないよ、ここ?」
「いいから!」
玲門は美観の口元に、耳を寄せる。
まあ、私だったらしない、近寄らない。
絶対、何か企んでいるもの!
玲門って素直?
「なになに?」
ぷちゅ。
ぺろぺろっ。
「ひいいいっ!ぺっぺっ!な、何てことするのよ!美観!?」
く、唇に、ちゅーした!?ぺろぺろした!?
「ええ?いいじゃん、小さい頃は、よくしてたじゃん」
「大きくなったらしないの!これは好きな人とする行為!」
「そう?私、玲門好きよ?」
「なんか好きが違うの!なんでこんなことするの!?美観のアホ!」
「いやぁ感染するかなって思って」
「勇者小角のナノマシンは方向性、意思みたいなものがあるって聞いたわ、気に入らないと移らないそうよ!」
「……なにそれ?私が気に入らないと?遺伝子、同じなのに!」
「性格じゃないの?もう!ビックリしたわよ!」
更にビックリすることが起きた。
「……あれ?」
「どうしたの美観?」
「……感染したみたい」
「え?」
指先に、炎を灯す美観。
「やっぱ、この私に感染しないわけないよねぇ!ん?どうしたの玲門?」
「……これで私達、双子の戦士ね。戦って死ぬ運命よ、いいの?」
「望んだことよ」
二人は仲良く魔法の練習をして、帰って行った。
「アッキー明日はドーナツよ!」
おお、ドーナツ!
明日が待ち遠しい。
が、次の日、二人は日が昇っても来なかった。
イヤな予感がする。
私に中の阿騎が動き始めた。
あの二人は阿騎にとって特別な人達らしい。
魔力感知を広げる。
何も感じない。
!?
何も感じない?おかしい!
そんなはずはない!
全く何も感じない場所があった。
ここが怪しい!
!
小型化したデス・スパイダーは進化していた。
魔力感知をすり抜ける技を身につけていたのだ。
爪に切り裂かれる玲門。
玲門を抱きしめ走り出す美観。
私の中のアキ達が動き始めた。
次回投稿は 2023/10/14 夜の予定です。
サブタイトルは 【第71話】解けた封印 です。
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