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続 The Lily 前世の記憶は邪魔である   作者: MAYAKO
第一章 礼羽編
69/95

【第69話】 異界への遠い道     

今晩は。

サブタイトル、少し変わりました。

ギリギリ投稿ですみません。

 私の中に、沢山のアキがいる。

 ああ、私はどうやらアキという名の人物らしい。


 その内の一人が『まどか』に反応した。


 とても大事な、大切な人、その人の名前らしい。


 でも、この感じは女性だ。


 目の前の円は男性。


 女の人がいいな、それもお菓子を持ってきてくれる人。

 だってこの円、私の嫌いな炭酸の飲み物を持ってきた。

 うう、炭酸嫌い、あれ飲めない!


「ドーナツ、食べる?沢山作ったんだ」


「いいの?ありがとう」


 クルミちゃん、やらなくていいよ!

 それ、私の!


「それ、炭酸ジュース?」


「うん、シワッとして甘くて美味いんだ。初めて飲んだよ。ビールっポイのはン・ドント大陸のもあるけどさ、秋津川さんにもって思って」


「ふふっ、アッキー炭酸苦手よ」


「え?そうなの?こんなに美味しいのに?」


 おい、自分が好きだからって、他の人が好きとは限らん!

 好みはちゃんと調べるように!

 ……でも折角持ってきてくれたのだから、少しは飲んでやる。

 炭酸を感じてみる……あ、やっぱ無理。

 折角持ってきてくれたけど、ごめんよ円、私無理。


 辺りを見回す円。


「ここ、いつも綺麗だね」


「ええ、清掃姉妹がいつも来ているから」


「清掃姉妹?」


「ふふっ、もと意地悪姉妹よ、双子の」


「?」


「ねえ円さん」


「なんだいクルミちゃん」


「アッキーいつ目覚めるの?」


「それは……」


 突然の質問に戸惑う円。

 私、目覚めるの?どうやって?

 あ、クルミちゃん泣き出した!?


「うぐっ、うぐっ、オトちゃん、無事かなぁ……アッキーのお母さんも……なんでこんな酷いことするの?幼稚園のチビちゃん達、最初の頃はお手紙とか、書いていたけど、もう忘れているみたい、みんな忘れていくのかなぁ」


「……泣くなよ」


「だって、助けにいけないなんて!」


 ?


 私のお母さん?

 私にはお母さんがいるんだ。


「オトちゃん可愛いし、アイさん綺麗だし、酷いことされていないかな?異界に掠ってしまうなんて、どうしてこんな酷いことできるの?」


 オト……ちゃん?

 何か思い出しそうだけど……ダメだ、集中できない。


「転送機の試作機が、もう少しで完成する」


「でも、人を送るのはもっと時間が掛かるってサイザン君が……」


「一歩一歩しか進めないんだ、悔しいけど、どうしようもないんだ」


「……でも!」


(秋津川さんは魔王化で魂魄意思のバランスを壊した。魄は砕けたし、意思は傷ついた……復活はどのくらい掛かるのか……小次郎お父さんには話したけど……サイザンは10年と言ったが……転送機だってあと2、3年は掛かるぞ)


 あ、円がこっちを見ている。


(力ある者が暴走すると、止めようがない。あのまま魔王が目覚めたら、この世界は壊れ、秋津川さんは勇者達に討伐されてしまっただろう。力ある者は怒ることさえ出来ないのかな……)


 ねえ円、お歌を歌ってよ!

 私の中の亜紀が、歌、聞きたいって言っているの。

 女性のまどかは歌が上手だったって。


 ……伝わるかな?


「俺達の世界に、闘神の歌が幾つか伝わっているんだ」


 お、伝わった?


「?」


「その歌を聴くと、荒ぶる闘神が鎮まったり、更に勇んだりするらしい」


「闘神?」


 あ、今、円、魔法を使った。

 意識誘導の魔法だ。

 クルミちゃんを悲しみから、引き離そうとしている。


 そんなことしても、一時的だよ?

 それでもいいから、慰めたいのかな?


「そう、闘神アキ、伝説のゴブリン」


「え!?ゴブリン?そう言えば私もゴブリンって言われた……ちょっとショックだった」


 ほら、クルミちゃん、悲しみから引き離された。


「歌を歌いたい気分になった。多分、秋津川さんが聞きたいのだろうな」


「え?歌うの!?今から!?」


「ああ、俺、歌うの好きなんだ」


「は、恥ずかしくない?」


「どうだろう?歌い出すと、俺の歌を聞けぇって気持ちになる」


「ええっ?なにそれ?」


 クルミちゃんは表情が豊かで、見ていて癒やされる。

 ああ、ネコだ。

 クルミちゃん、子ネコみたいなんだ!


 円は、徐に歌い始めた。


 クルミちゃんが、びくっ、てするくらいに突然。


 ああ、ボカロだ。

 それも源キーで歌っている!

 凄い!魔力を載せている!

 歌はいいなぁ、安らぐ。


 ん?……ボカロってなんだ?

 思い出せない。

 すぐ忘れてしまう。


 まるで、誰かに覚えることを、邪魔されているみたいだ。


 意思を向けると、もうそこには誰もいなかった。


 挿絵(By みてみん)


 時間の流れが不規則でよく分からない。

 ああ、時間を感じている、私の方が不規則なのか?


 私は微睡みの中にいた。


 ザッザッ。


 今度はなんだ?

 ああ、箒の音だ。

 いつものあの、二人組だ。


「でね、美観最近おかしいんだって」


「魔物?」


「そうそう、あの大きな蜘蛛、半分くらいの大きさになって、魔力感知をすり抜けるそうよ」


「ええ?本当?ヤバいじゃん!」


「魔物も殺されないように、必死に進化しているのよ!」


「繁殖力も凄いんだって?」


「怖いよねぇ」


「これぐらいでいいかな?」


「うん、綺麗になった。あと、あそこの窪み、雨水が溜まるから、赤間くんにお願いして溝、掘ってもらおう」


「そうね、私達じゃちょっと無理かな、力仕事。ここコンクリートやらアスファルト埋まっているし」


 この二人はいつもクッキーとかアメちゃんを持って来て、お供えしてくれる。

 昨日はお花だった。

 小さな綺麗なお花。

 見とれて過ごした。

 そして、よくお喋りして、色々なことを話してくれる。


「アッキー知っている?今度転送機の実験するんだって」


「上手くいくといいね、だから早く復活してよ、皆待っているよ?」


 どれくらいの時間が過ぎたのだろう?

 時間の感覚がない私には見当もつかなかった。

 このまま、ここで消えていくのかなぁ。

 まあ、それも悪くないか。

 そう思って過ごし始めた。

 そしてちょっとした事件が起きた。


 ザッザッ。


 いつもの音、箒の音だ。


「美観、ちょっと見て」


「?」


「えいっ!」


 !


 炎が!?


「ええええっ!?どうしたの!?玲門!?」


「それがさ、この前、溝のことで赤間くんと小次郎さんとお話し、していたの」


「ああ、ここの溝ね?」


「そうしたらサ、小次郎さんのナノマシンが、移ってきて……」


「ええええっ!?感染したの!?」


「そうみたい」


「どうするのよ?魔法使いになっちゃって!討伐に行くの?私イヤだよ、玲門と離れるなんて!」


「どうしよう?私、格ゲーは大好きだけど、リアル暴力は嫌いなんだ」


「だ、誰だって暴力は嫌いでしょう!?え?どうするの!?」


 魔法?私も使っていた?

次回投稿は 2023/10/13 夜の予定です。

次回も23時までには投稿したいです。


サブタイトルは 【第70話】 アキ、目覚める です。


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