【第63話】 激戦!
今晩は。
投稿です。
ナビナナの復旧は、待っていられない!
自力で思い出す?
できるのかな?
いや、やらなきゃ!
サイザン君はふっと消えた。
目の前でイー・シャンテンとのバトルが始まった。
イー・シャンテンは見るからに異界製の大剣を携えている。
鋭く切れそうで、異様な剣だ。
大剣だけでも魔力に満ちあふれ、使わなくても自ら進んで敵を倒しそうである。
え?サイザン君?武器は?
それに重速術使わないの?
あ、同等だっけ?
(そう、僕とイー・シャンテンの重速術は同等なんだ、意味がない。使うだけ魔力の消費が大きいだけだ)
サイザン君は右手を大きく天に翳す。
そして何かを取り出すような仕草をする。
「チッ、この世界の魔力に隠していたのか!?」
「ああ、これ、長くて持ち運び不便なんだ、円の剣は伸びたり、縮んだりするけどさ」
「円っちの剣!アシュリーの魔剣!ほしいなぁアレ。だがあの剣、主を選ぶからなぁ」
え?アシュリー!?
「そしておめーの使う得物がもっとやべーって話だよなぁ!」
「余裕だね?イー・シャンテン?」
「楽しいんだよ!ワクワクするんだよ!伝説の武器とぶつかるのが!それを粉砕するのがっ!」
「できるモノならやってみろ!」
虚空から何かが飛び出し、激しくイー・シャンテンの大剣とぶつかり合う!
轟音と激しい魔力のぶつかり合い!
舞い上がる土埃、放電のような現象が辺りを包む。
私はその隙間を潜り、一人、一人と、楠の騎士団を回収して回る。
「させないよ!」
いつの間にか右腕を繋げたア・ダウが迫り来る!
長巻は……楠の騎士団メンバーの回収に邪魔だから、そこら辺に置いてきた。
あれ、持ち運び危ないんだよなぁ。
マズいな、武器がない。
ブンッ!
円の剣が大きく振られる。
「ちっ」
ア・ダウは舌打ちをし、瞬時にさがる。
魔力が?
ア・ダウの魔力が割れて見えた。
人体が左右に分かれる感じだ。
これ、分体を霊視している!?
(秋津川!そっちに一体向ったぞ!)
ふっと実体化するア・ダウ。
なんだこの魔法?
命を削っている?
こんな魔力の使い方をしていたら、すぐに魔力還元してしまうのでは?
私の場合はレッドとブルーに憑依する感じだけど、これは意思を割っている!?
狂気の目で私を捕らえ、向ってくるア・ダウ。
あ、手に杖持っているよ、どこから出したの!?
見るからにヤバそうな毒々しくて、禍々しい杖。
私だったら、怖くて触らない。
なんか呪われそう!
足下のパーシー(鬼人)に聞いてみる。
身体の半分は炭化して、ボロボロだ。
「武器ある?」
「ねー」
おわた。
では、覚え立ての重力魔法で攻撃。
周囲の重力に干渉し、重力の壁を作る。
どうだ?
「愚かな!我は真杖ア・ダウ!最高の魔法使いぞ!」
ですよね。
ならこれは?
私は、こっそりと手に握っていた小石を全力で投げる。
「!」
魔力を纏った小石は音速を超え、発光し見事、ア・ダウに命中する。
「ぐわっ!」
とんでもない轟音が響き、ア・ダウがどこか、明後日の方向に飛んでいく。
……なんだろう、凄く気持ちいい。
暴力は嫌いだけど、明季が確実にニヤッとした!
そして、思いっきり後ろ回し蹴りを、その場で行なう。
獣人族のパワーと反射神経、全力である!
?マークのパーシー。
(なにしてんだ?)
バキッツツ!
派手な破壊音が響き渡る。
ア・ダウの杖をへし折ったのだ。
驚くパーシー。
「い、今のは?」
「分体」
2体に見せかけて、こいつは3体に別れていた。
もう油断しない、非情になる。
更にもう一回周り、ア・ダウを蹴り飛ばす!
「がっ!」
魔力還元する分体のア・ダウ。
遙か彼方、小石に吹飛ばされたア・ダウは静かに魔力還元し始める。
「おいおいおい、ヤルじゃないのホルダーアキ!?未覚醒で真杖を消し去る!?ますます嫁に欲しいぜ!なあ、決魂しようぜ?俺、お前のためなら勇者に転職してもいいぜ!」
いやだよ。
その時、感じることもできない速さで、イー・シャンテンの腕が大剣ごと切り落とされる。
「がっ!」
「余裕だな?シャンテン?次は首を貰うぞ」
「やってくれたなぁああん?サイザンッ!」
怒り狂い猛攻に転じるイー・シャンテン。
切り落とされた腕は瞬時に回復したが、明らかに魔力が低下している。
私はサイザン君の武器を見て、息を呑んだ。
時が止まった?
「……朱槍」
(そうさ!秋津川さんの朱槍だ!ドライアドの杖、ゴブリン族の誇りであり勇気の象徴!君の朱槍だ!闘神アキの朱槍だ!)
大きくさがるイー・シャンテン。
「忌々しい槍だ!おい、真杖ア・ダウどうした?魔力切れか?」
イー・シャンテンの魔力が急激に膨れ上がる。
!
何をした!?この魔力の量!
何者だ!?イー・シャンテン!?
円は真杖を追い、戦場を離れる。
「円!逃がさないで!」
「逃がさねーよ!騎士団回収したら、その場を早く離れろよ!」
アイお母さんと小次郎お父さんがせっせと運んでいる。
それを更に遠くに運ぶ、クルミちゃんと赤間くん。
その先に!
エノン!?
楠の騎士団を介抱するエノン。
駄目だ!エノン!ここに来たら!
過去の記憶が、一斉に蘇り始めた!
エノンを守らなければ!
次回投稿は 2023/10/07 22時から24時の予定です。
サブタイトルは 【第64話】 放浪のエノン になると思います。




