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続 The Lily 前世の記憶は邪魔である   作者: MAYAKO
第一章 礼羽編
62/95

【第62話】 強し!イー・シャンテン!     

今晩は。

投稿です。

「ア・ダウで収まる思っていたが、まあ分体だからなぁ、俺様を引っ張り出すとは誉めてやるぜぇ、にわか騎士団!」


 最初に攻撃したのはハーサーだった。


「ばかっ!さがれと言ったろう!」


 円が叫ぶが、もう遅い。

 私が重速術を使おうとすると、サイザン君が止めた。


「あいつの重速術は僕と同等、こちらから仕掛けるな、確実に倒されるよ」


 え?サイザン君と同じ?

 サイザン君ってどのくらいの速さで動くの?

 じゃ、どうすれば!?


(逃げるんだよ、全速で、他に生き延びる道は無いよ)


 えええっ!?

 それ程までに強い?


 記憶は半分くらい戻っている。

 この経験、知識があれば?

 戦えるか?


「ほうほう、朱ちゃんのナノマシンか?」


 周囲の眷属が動く。

 その姿は、機械的で弦楽器の一部に見える。

 長い弦を幾つも蠢かし、ハーサーを迎え撃つ。


 その動きは素早く正確で確実にハーサーの勢いを止める。


 ハーサーの肩に弦が触れた!

 ボン!と触れた肩が爆ぜる!


「ぐわっ!」


 バラバラと肩から崩れていくハーサー。

 え?

 積み木が崩れるようにボロボロと壊れ分解していく。

 その姿に恐怖した。

 身体の、半分が分解したのだ!


 な、何が起きたの!?

 円が動き、眷属の一体をその長剣で破壊する。


 そして分解していくハーサーを、獣化したジークが素早く回収する。


「ホッシー!」


 ホッシーが魔力で包むと、崩れ身体が徐々に再生を始める。

 なに?この現象!?


「朱ちゃんのナノマシンは解析済みだぜぇ~。けど、おっかしいなぁ?触るだけで全て分解するはずなんだがよぉ?」


「イ・シャンテン、ナノマシンがバージョンアップしている」


「はぁ?いつの間に!?バージョン5.6じゃないのか?」


「6.2」


 真杖ア・ダウが的確に答える。


「ち、まためんどくさい解析かよ!だが、5.6でもかなり有効だな、お前ら俺様の下に付け、見逃してやるぜ?生かしてやる」


 炎の渦がア・ダウとシャンテンを包む。

 凄い業火だが一瞬にして消え去る。


「熱くもないぞ?お前ら、俺様のジツリキ分かっているだろう?黄泉がえりで苦労したのは分かるけどよぉ、それだけじゃ筆頭の俺様には届かないぜ?」


 一瞬にして燃え上がる楠の騎士団メンバー。


「……!」


 これは……魔力の動きが速すぎて感知できない!


 片膝を着いて残ったのはホッシー1人。


 それも大火傷だ。


「だから言ったのに、さがれと」


「で、お前は何してんねん?あん?円っち?」


「観察さ。秋津川さん、楠の騎士団の回収、いいかな?」


「分かった」


「おいおい、何返事しているんだ?回収?させると思うか?こいつら良質の実験材料だぜ?」


「円、どっちにする?」


 サイザン君が円に尋ねる。


「ア・ダウだ、サイザン。残念ながらこの魔族、僕の手には余る、ギリギリ相討ちかな?」


「いい判断だぜ、円っち。だが相討ちにはならんぜ?お前の大敗だ」


「円、平常心。誘いに乗るなよ?」


「ああ、分かっているよサイザン」


「ひひひっ勇者の血統、名門のプライド、ボロボロだねぇ円っち。で、サイザン、賞品がほしいんだがよぉ」


「?」


「勝った方がホルダーアキを嫁にする、どうだ?」


 !!!!!!!!!!!!!


 はあああっ!?


  挿絵(By みてみん)


「生き残ったヤツでもいいぜええっ!」


 ここで私!?

 嫁って!?


 鋭い視線が私を捕らえる。


「お前の名は、魔大陸にも響き渡っているんだよ!ホルダーアキ!伝説の魔族アトロニアを従え、その子、魔王子ルカトナの魂を使役する!なんだそりゃ!?マジか?そして魔族チクリを大地に墜とし、賢者とする!まさに伝説!魔族の憧れ、ホルダーアキ!闘神アキ!」


 あ、前世の記憶、邪魔かも。


 !?

 

 違和感!?

 何かが蠢く!?


 カーンという鋭い金属音。

 えっ?と思うと、サイザン君のヘルメット?兜?が吹飛ぶ。


「ぐわっ!?」


 悲鳴を上げたのは真杖、ア・ダウ。


 右腕が吹飛んでいた。

 大きく弧を描き、大地に落ちる右腕。


 恐ろしい魔眼で円を射るア・ダウ。


 そして、イー・シャンテンの周りに浮遊していた眷属全てが次々に燃え崩れた。


「……やってくれるなぁ?あん?サイザン!円!俺様の可愛い眷属を!」


「お前もなかなかだよ?シャンテン?」

次回投稿は 2023/10/06 22時から24時を予定しています。

遅れたらすみません。

サブタイトルは 【第63話】 激戦! の予定です。



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