【第60話】 契約していたの?
今晩は。
投稿です。
「……まあ、そうだね」
(ガリガリッ、元魔王、ジ、次期勇者候補ノ影響力デスわン)
影響力、強すぎない?
(弱イ……方デスわン)
(言ってくれるね、ナビナナ。まあ、まだ未覚醒だからね)
(ジジッ勇者や魔王に繋がるモノ、もしくは認めたモノ達は、攻撃ガすべてクリティカルです……ワん基礎能力も最低デ1.3倍、最大で1.7倍デスワん)
は?
そこに勇者や魔王がいるだけで?
(ハイですわン)
頼もしい、限りなく頼もしい!
敵でなくてよかった。
でもこれ、魔王も同じだよね?注意しないと大変なことになるぞ!
ん?……あ、いまメイドンの記憶が蘇った!
メイドン、魔王を一度、退けている!
メイドン、て一体なに?地牛博士って!?
(まあ、影響力もあるけど、それ以外に一つ大事な項目がある)
?
(秋津川さんとの契約だ)
え?契約?私、契約したっけ?
(君は次期勇者の願いを叶えたんだ。そして僕は元魔王でもある)
わからん!
(君は、僕の心からの願いを叶えたんだ)
?
(君に会った時、嬉しいと同時に失望もしたんだ)
失望?
(やはり、会えないのか、と。君はホルダーを拒否しているからね)
いやいや、譲歩はしていますよ。
多分、このまま進めば自然とホルダーアキになると思う。
そう、いつの間にかホルダーアキに。
(空さんはそれでいいの?怖くない?)
怖いです。
自分が過去の記憶、亡霊に飲み込まれるのが。
でも、思っていたのと違うみたい。
亜紀に凄い親近感を感じるし。
まあ、同じ私だけど。
「きゃあああっ!こっちこないでえええっ!」
え!?
クルミちゃんの悲鳴!?
ボロボロの手負いのデス・スパイダーがクルミちゃんと赤間くんに迫る。
「まず、太刀に魔力を通す、と」
……落ち着いているよねぇ赤間くん。
「えーと、それから?ん?上手くいかないなぁ」
……ち、ちょっと、急ごうか?
クルミちゃんがピンチだよ!
(秋津川さん、ギリギリまで手を出しちゃ駄目だよ?)
わ、わかっているわよ!
2人とも!がんばってぇっ!
(今までの暮らしとは違う生活が始まるんだ、その中で彼らは貴重だ)
「っかしいなぁ?ハーサー相手の時は、上手くいったのに……?」
貴重?
(世界中でデス・スパイダーや魔昆虫が繁殖し始めている)
うげっ!?
魔昆虫ってあの蜂みたいなカマキリみたいな?
(そうそう、あれだよ。この戦いが終わったら、彼らは世界中を旅しなければいけない、あと水圧発電も広めないと)
この戦い重要だね、負けられないね。
(ああ、早く終わらせなければ)
あと、ごはん?
(そう、食料の確保も重要だ。食料や水を巡って、争いが起き始めている)
争いか、人族同士での。
私は赤間くんをじっと見た。
世界が舞台で戦い……間に合う?
「えーっと、こうかな?よっ、と」
バシュッ!
赤間くんが手にした江戸時代の刀(骨董品、かなりのお値段)が真っ赤に染まり、デス・スパイダーを焼き切る。
「お、できた!」
先ずは一歩である。
クルミちゃんは登山用の杖を握り締め、魔力を動かし始めた。
え?凄い魔力が動いているんですけど!?
クルミちゃんは登山スタイルで身を固めている。
登山靴にちょっとお洒落な軍手。
チノパンかな?丈夫そうなパンツである。
このスタイルが、一番テンションが上がるそうだ。
しかしあの杖、登山用?ちょっと違うような?
杖は魔法行使の象徴で、基本、何でもいいらしい。
ただ、魔力の集めやすい材質とか、使用者との相性はあるそうだが。
あの杖は、家族で山に登ったときの杖で、思い出の杖、クルミちゃんの愛用品だそうだ。
ふっ、と杖をデス・スパイダーに向けるクルミちゃん。
ボン!とデス・スパイダーが爆ぜた!
え!?何したの!?クルミちゃん?
「あ、赤間くん、グロくて怖いよ!」
「ええっ?自分でしたんだろ?」
「そうだけど、なにか他にできないかしら?」
そう言って、次々に撃破していくクルミちゃん。
うわぁ小っちゃいデス・スパイダー、逃げ出し始めたぞ?
「ち、ちょっと!待ちなさい!」
ポン!ボヒュ!
これ、モザイクいるね。
ああ、そうか、クルミちゃん赤間くんの魔力、多分サイザン君が影響している!
いや、それとも、勇者筆頭の小角さまの影響かしら?
ここでサイザン君と目が合った。
イヤな予感。
「さて秋津川さん、もう分かっているよね?あの建物の中に何がいるのか」
結界にヒビが入り始める。
もう少しでサイザン君の結界が破られる。
元魔王である結界が!
「あの2人、レイさんとクルミさんは、遙か後方待機がいいだろう」
次回投稿は 2023/10/04 22時から24時 の予定です。
サブタイトルは 【第61話】 真打ち登場 です。




