【第59話】 蘇る戦士達
今晩は。
投稿です。
え?
今のセリフ、私?
私の意識は、一歩退いて、自分の行動を客観視している感じだ。
「魔力は大量に転がっているよ、思う存分、使おうか!」
そう言って、私は長巻を使い、五頸大蛇の魔石とデス・スパイダーの魔石を空へ弾いた。
キンッ!コツン!
軽い音を立て空へ舞う2コの魔石。
(ハイッ!!!!!ゼ、全力でサポート致シマスワん!)
亜紀?これ亜紀だ!
空ちゃん、彼らは、ハイかイイエ、YES・NOハッキリした命令、言葉を好むの、中途半端な言葉はトラブルの元よ。
内側から声が湧き上がる。
明らかに私の声なんだけど、違う声だ。
矛盾しているようだけど、そうとしか言いようがない!
(ジジジッ魔石ヲ……)
ノイズが入る、壊れかけのラジオみたいだ。
ナビナナの声が聞きにくい、無理しているのだろうか?
(魔石ヲ、シ、エネルギー源にシ、使用しオートモード発……動、活動範囲は……を中心に50m!)
?
何を中心に?私を中心に?
(サイザナン・レッドは僕が、憑依しよう)
これは阿騎だ!
(ならブルーは私だね)
明季?
私の中から、大量の魔力がごっそりと抜け出ていく。
足下がふらつき、目眩がしたほどだ。
この感覚、何処かで味わっているぞ!?
どこかで……遙か昔、生前だな、不思議な感覚。
ああ、ローローとネーネー、ゴブリン時代、阿騎の時だ。
お、お、思い出した!
記録ではない、記憶としてだ!
残留思念のローローとネーネー!
過去の怨霊!亡霊!
そして思いやりの固まり!
(後は魔石から補充するよ)
!?
空中に飛んだ二つの魔石に、私から出た魔力が集まり始めた。
キンッ、という金属音と共に現われるサイザナン・レッド、とブルー。
(ジジッ、マ、魔……石をコアにサイザナンシリーズ、レッドとブルーを……築シマスワん)
「ゴブ、それに、私達が憑依するゴブ」
「すると、どうなる?グルルルルッ」
私の両脇に舞い降りる2体のメタルボディゴーレム。
サイザナン・レッドが叫ぶ。
「サンダースピア!」
バシュ、と太腿の位置から射出される筒状の金属物。
右手で掴むと、ブンッと軽い音を立て、2m程伸び、槍状になる。
先端から放たれる雷は、周囲の魔獣を蹂躙する。
……スピアとは?
これ、スピアの意味無くね?
次々に魔石になっていくデス・スパイダー。
嬉々ととして拾い集める、サイザナン・ブルー。
そして、レッドの背中の排気口から、ぺっ、と吐き出される魔石。
魔力が抜け、綺麗な石、宝石になっている。
パチンと軽い音を立て、開かれる腹部。
そこに拾った魔石をせっせと詰め込む、ブルー。
この繰り返しである。
「ゴブ、ブルー!交代ゴブ!」
「了解」
立ち位置が変わるサイザナン・レッドとブルー。
「パンサークロウ!」
バシュとサイザナン・ブルーの両腕に現れるゴツいグローブ。
刃物のような剣のような爪が1本ずつ両拳に装着されている。
刃はスライドし、自由にその長さを変え、次々に魔獣を切り裂き、あるいは粉砕していく。
そして今度はサイザナン・レッドが嬉々ととして魔石を拾い集める。
再び周囲の魔獣は駆逐されていく。
(……き、きさま、何をした!?ぶ、分体か!?)
はて?
勝手に皆が動いただけで、これと言って私は何も指示していませんが?
真杖の恐怖が少しだけ見えた。
怯えている?
だけどこいつは物理系ではなくマインド系の攻撃が得意なのだ。
フィジカルではなくメンタルだ。
勝つためには、自分の得意分野で勝負する。
あの世界連合ビルの中は、変なトラップてんこ盛りに違いない。
もしかして魔力12000召喚、切り札だったとか?
(……)
驚いたのは真杖だけではないみたいだ。
味方がドン引きである。
(おい、ハーサー、あれなんだ?俺達必要か?あの巨大な死の大蛇見たとき、終わった、と思ったけどカラちゃん、凄くね?)
(それに、分身したぞ?あれ、みんなカラちゃんだ!どんな仕組みなんだよ!)
(あ、俺、ブルーのサイン、欲しいかも)
世界連合ビルでは小規模の爆発が起き始めた。
暴れているんだろうなぁアイお母さんと小次郎お父さん。
大丈夫かなぁ。
そこへ上空より3班が突入する。
分身かぁ、なぜこんなことが?
分体とどう違うのだろう?同じかな?
自然と目がサイザン君に向う。
「もしかして、あなたが原因?」
確信を持って聞いてみる。
次回投稿は 2023/10/03 22時から23時の予定です。
サブタイトルは 【第60話】 契約していたの? です。
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