【第52話】 地上戦2
今晩は。
投稿です。
小さな声、囁くような声だ。
誰の声?
怒っている?
女性の声、いや女の子だ。
怒っているけど、この声、好きだ。
いつまでも聞いていたい声。
誰だ?
ん?あ!?手も握っている!
ぷにぷにの優しい手、この手は……エノンだ!
「だから言ったでしょう?うちは空くんが男の子でも、女の子でも気にしないんよ、全て受け入れるって」
「で、でも、エノさん……」
「でもじゃない、結局空くん、倒れた。あの血を見たとき、うち、心が死んでしまうところやったんよ?円はドアを見て座る、いいん?うちは空くんだったら男子女子、関係なく看護できるんよ。振り向いたらあかんよ?」
「……分かったよ……」
「なん?」
「エノさん、男子怖くないの?」
「怖い?」
「いや、向こうは傭兵団とか騎士団とか、荒々しいヤツ多くてね、結構男子、嫌われるんだ、不埒なならず者もいるし」
「うち、空くん一筋だから、男子、好きとか嫌いとかあんまり思わないんよ、うちは男子、女子、一緒かな?でも、知っているの男の子が、声変わりしたときはビックリしたんよ、うわぁ可愛い甲高い声だったのにって、合唱でその子、ソプラノだったんよ!」
「?」
「ん?声変わりしないん?」
「いや、するけどさ、俺達は魔力が使えるから、ある程度の声だったら出せる、ホッシー先輩が言っていた、音域はかなり広いって」
「……ずるい……え?ホッシー?」
「歌姫、吟遊詩人、ン・ドント大陸でホッシー知らない種族はいないんじゃないかな」
「市場の歌姫って聞いたけど?」
「世界的な凄い歌い手だよ」
うわぁ、ホッシー凄いや。
「うちは……死んでいるんよね?」
!
「前も話したけど……エノンさんは、遠くの地で亡くなっている。俺達は生きている、と思いたいんだけど」
「どんな人だったん?」
聞きたくないけど、凄く聞きたい!
「綺麗な獣人族の女性で、小さいとき、とても苦労したって聞いた」
「……それで、それで?」
ふんふん。
「傭兵団の一員で、孤児院の先生もしていた。みんなエノンさんが大好きだった」
エノンが先生!?うわぁ会ってみたい!
「……なんか、不思議な感じ、それ、ホントにうち?」
「そっくりだよ、マートルなんて遠吠えするくらい喜んでいたし」
「円は?」
!
「え?あ?おれ?俺は……その……嬉しかった」
!?
「嬉しい?それどんな意味なん?」
「エノンさんは、俺達3人が小さい時からずっと一緒だったんだ。先生であり、師匠、お母さんのようなお姉さん?そんな感じ、ああ、家族だね、もうあれは……だから」
?
「だから?」
「俺達、嬉しかったんだ、あれだけ逢いたがっていた闘神アキ、ホルダーアキと一緒で」
!!
「エノンさんと秋津川さん、仲良しだし、一緒にいる時、ニコニコだし。こんなに嬉しいことはないよ、エノンさん、逢えたんだねって心で叫んだ」
!
「!」
……いいヤツじゃん、円。
あ、エノン、手にぎゅっ、と力が入った!
震えている?
すっ、と私が目を開けると、彼女は泣いていた。
エノンと目が合う。
私が話そうとすると、念話が届く。
(円、応援来られるか!?)
(どうした?サイザン?)
(真杖の建物の前だが、怪我人が多い!秋津川さんはまだ回復していない?)
(あと少しかな?)
(獣人族でもあるのだろう?回復は体質的に早くないのか?)
(基本、秋津川さんは人族だ。ホルダーとしての能力も不安定だし、真杖の攻撃は特殊だ)
怪我人?誰?野球部員!?
もしかして、アイお母さん!?
気持ちが焦り始める!
戦況、よくない?
次回投稿は未定です。
できれば毎日投稿したいのですが。
サブタイトルは 【第53話】 地上戦3 の予定です。
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