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続 The Lily 前世の記憶は邪魔である   作者: MAYAKO
第一章 礼羽編
51/95

【第51話】 地上戦     

今晩は。

投稿です。

 ボロボロの私、使いモノになるかしら?


「まだ寝てろ、エノンさんかクルミちゃんを呼びたいが、お前、今男子だろ?アイさんはコロさんとデス・スパイダー狩りだし」


 あ゛そうだった!

 今私、角があるゴブリン?


 ……か、鏡が欲しい。


 ゴブリン男子でも、中身は中2の女子なんですけど!

 だが、それ以上に気になることを聞いてみた。


「ホッシー達は?」

「ああ、無事だ、火傷したみたいだが、もう回復しているはず、世界連合ビルを目指している」


 火傷!?


「酷いの?火傷は痕が残るわ!」

「あいつらは勇者朱天童子が憑依している、大丈夫だ、火傷の痕は残っていない」


 憑依?ああ、そんなふうに円には見えるんだ。

 ホッシー達、無事なんだ、よかった。


 ここで違和感に気づく。


 ?


 ナビナナ?


(……)


「ナ、ナビナナ!?」


  焦る!

 どうしたの!?

 身を起こそうとするが、全身激痛が走る。


「ぐっ!」


 い、息ができない!?

 これ、とんでもない痛みだ!

 関節?筋肉?なんだ?この痛み!?


 ゴブリンの痛感無効が!?


「無理するな、なぜ俺がここにいると思う?」


 知らないわよ!


「回復に全魔力が使用されている、スキルは使えないぞ」


 なにそれ!?

 それよりなビナナよ!返事がない!

 どこ!?ナビナナ!


「俺が、波動を出し続けないと、秋津川は回復が遅れるんだよ、無茶しやがって……魔力還元してしまうぞ?」


「……ナビナナ?返事がない、どうしたの」


 声が震える、脳内に気配がしない!

 円が不審そうに身を寄せる。


「ナビナナ?」


 私は、目だけ動かして円を一瞬見る。


「もしかして、サイザナンシリーズのナビゲーターか?」


「そ……そうよ」


「あのポンコツか」


「!」


 …………なんですって?

 静かに、怒りが満ち始める。


「あれ、欠陥品だろ?あんなのよく使うな?やめとけ!」


 ……は?


「ドロトンさんは上手く使っているみたいだけど、実用には無理があるって聞いたぞ、リンドウさんとか使いにくいって」


「欠陥品……ですって?」


 サイザナンシリーズは、遙か昔のドワーフの王さまや古代アトラ帝国の開発部長さんが、阿騎のために作ったゴーレムだ。

 開発途中で亡くなったと聞いたけど、それでも一生懸命作ってくれたはずだ!


 それを!


 作り手の気持ち、考えての発言?

 私は記録しか知らないけど、阿騎や明季が怒りだしている!

 いや、これはもう殺意レベル!?


 欠陥品だと?確かに時間制限はあるし、能力制限もあるけど、人工衛星落としたのよ?凄いのよ?なにより、会話をして私のこと、フォローしてくれるのよ?

 今回だって私の言うこと、一生懸命聞いてくれて……寄り添ってくれて……。

 それを!

 ナビナナは欠陥品じゃないっ!


「いやそうだろ?マスターである秋津川を死地に導いた、無能だ。ゴーレムとして失格だ」


「私の友人を悪く言わないでくれる?」


「はあ?ゴーレムは道具だ、人ではない、依存したら駄目だ」


「依存?」


 いぞんって何だっけ?

 なら、阿騎や明季が絶大な信頼を寄せている、彼女はどうだ?

 魔王に対峙する、最強のゴーレム、メイドンは?

 彼女も道具か?


「なら、メイドンは道具なの?あの優しくも気高いゴーレムは?」


 段々と痛さを忘れていく私。

 怒りが、苦痛を通り越した!

 

 アトロニアは?ルカトナは?ローロンサは?

 ナツは道具か!

 亜紀を支えてくれた彼らは!

 少なくとも認めろ!敬意を払えっ!


「メイドン?あれも道具だよ、地牛博士が作った最高傑作品」


 ぶちっ。


「ふざけるな!彼らは道具ではないっ!阿騎や明季は見た!彼らの意思を!彼らには明らかに意思がある!敬意を払え!」


 ベッドを飛び降り、円に迫る私。

 やっぱり円、嫌いだ!こいつ!

 やなヤツだ!


「助けてくれたことには礼をいう、わざわざ海まで、ありがとう、でもゴーレムを大事にしないヤツは嫌いだ!ポンコツで悪かったな!?それでもナビナナは一生懸命手伝ってくれたんだ!」


「!!!!!!!!」


 ん?

 円の目が見開き、固まっている?

 こいつ、どこ見ている?

 その視線の先は?


 挿絵(By みてみん)


 あ?

 え?

 はぁ?

 ああああああああああああっ!?


「っんきゃあああああああああっ!で、で、出てってええええええええっ!」

「な、なんで男の子じゃないんだよ!」

「し、知らないわよ!出て行けええええっ!」


 ぱいぱい見られた!?

 一番やなヤツに!


 最悪だっ!


「だ、だ、駄目だよ、俺が離れたら!」


 時計が飛んだ、ヌイグルミが飛んだ、本が飛んだ、手当たり次第投げ付けた。


 バタン。


 扉が閉まる音。


 何で女の子?

 いや、女の子なんだけど。


 !


 立っていられないくらいの、痛みが生じた。


 あ、これヤバい。


 ごふっ、と吐血する私。


 ああ、真杖との戦いで、ボロボロなのだ、私の身体。


 私はパタリと倒れると、そのまま動かなくなった。


 脳内のステータ画面では、次々に赤い点が消えていく。


 誰の攻撃だろう?


 かなりの人数だ。


 地上戦、私は戦えるのだろうか?


 再び開く扉。


 一瞬、エノンが見えた、クルミちゃんも。

 ……もう安心だ、エノンとクルミちゃんが来てくれた。


 ああ、円の記憶、消したなぁ。


 あまりの激痛に私は意識を失った。

次回投稿は 2023/09/25 の予定です。

おそらく夜になると思います。

サブタイトルは 【第52話】 地上戦2 を予定しています。

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