【第38話】攻防戦4 未知の兵器その1
お早うございます。
朝刊です。
「では、お爺さん、お借りしますね、行ってきます。怪物達、一匹も通しませんから!」
ん?
(小山一文字、通り名は千霧、本来なら博物館級の業物なのだが、使ってこその武器、今ここで渡さなければ、こいつは美術品で終わる)
え?お爺ちゃんの心の声が!?
(折ってもかまわんが、折るなよ?嬢ちゃん、新築10軒分だかんな!)
は?
「無事、帰ってこいよ」ニッコリ。
龍木君のお爺さんは、ニッコリと笑ってそう言った。
が……この無事は、私か?それともこの長巻にか?
「マートル!」
「いいよ!」
私達は東を目指し、飛び立つ!
……しかしマートル?
どこで見つけたの?その装備?
手には籠手、手甲か?足にも臑当て?
腰袋まで!?
屋根の上を飛ぶように走っての移動なんだけど、ゴキゲンで私と併走している。
さて、脳内ステータ画面では、もう見えてくるはず。
炎は見えるのだが、まだ目視できない。
炎上?
青い点がホッシー達、赤い点が敵だ。
青い点は寄り添うように重なっている?
苦戦しているのだろうか?
敵の数は減っているけど?
そして赤い点滅がヤバいヤツで、二つある。
一つは世界連合ビルと東の郊外、この更に先に行ったところだ。
見えたっ!!
ホッシーが!?
えええええっ!?
敵の数は72あった。
今は33である。
ホッシーは、見とれるほど格好良かった。
なんと、ドラゴンの頭部に立ち、昆虫人や鱗のある獣人達を駆逐していた。
「ロンギ!右ブレス!正面は私が焼くっ!」
ドラゴンの高さは10m程か?木造2階建ての集合住宅と同じくらいだ。
脳内記録にあるドラゴンに比べると小さいが、動くドラゴンはとんでもない迫力があった。
しかもブレスを吐いて攻撃している!
「アキお姉さま!この世界にもドラゴンがいるんだね!」
なんと答える?
「そ、そうね」
新種じゃないよね?
ホッシーが召喚?
頼もしい勇姿というか、怖いんだけど格好いいというか……。
ドラゴン、凄い!
絶対相手ビビっている!
だってドラゴンだもん!
(……)
「僕、マートルだよ!ドラゴン!聞こえる!?左の固まり、12は僕とアキお姉さまが向う!攻撃しちゃ駄目だよ!」
(……分かった)
「お、お返事した!?」
「えっ!?」
この念話の波動、龍木君!?
一気に尊敬の念が霧散した。
(お、おい!カラ!それはないだろう?俺、頑張っているのに!)
ふん。
(ロンギ、それでも頑張れ、一度は尊敬されたんだ、良しとしろ)
(ホッシー、楽しんでいないか?俺が凹むの見て?)
(私の足下に跪くドラゴン!それを冷たくあしらうアッキー!あああんさいっこーっ)
(うるせー振り落とすぞ!勝手に人の頭、乗りやがって!)
(ほらほら、小さいこと気にしない!いいとこもっと見せるのよっ!それから、スカートの時は絶対
上向いたら駄目だからね?)
(誰が、覗くかっ!ん?おい、あれ、後続部隊じゃねーか?数は?)
(ホッシーにお任せあれ……80、更に120が来ているわ!)
ホッシー、頼もしい!
それと同時に疑念も湧く。
ホッシー、怖くないの?
(……怖くない、私達は、もっと怖くて孤独な世界から黄泉帰った!)
次回配達は 2023/09/14 朝の予定です。
サブタイトルは 【第39話】攻防戦5 未知の兵器その2 です。




