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続 The Lily 前世の記憶は邪魔である   作者: MAYAKO
第一章 礼羽編
37/95

【第37話】攻防戦3 長巻     

お早うございます。

朝刊です。

ちょっと、遅れました。

「え?明りが!?」


 その大きな骨董屋さんは、提灯を灯していた。

 蝋燭だ!

 キャンドルもいっぱい!


 その沢山の灯に、灯の数以上の人達が集まっていた。

 すごい、お店を開放し、避難所としている。

 お店は、ツボやテーブル、椅子にカメラ、楽器や洋服、あらゆるモノが雑多に積み上げられていた。


「釜でメシを炊いた、さあ、食え!子供が先だぞ!」


 ああ、オニギリを配っている。

 私の目に留まったのは、小さいけど、足取りのしっかりしたお爺ちゃんだ。


「大人や学生で剣道や武道の心得ある者はいないか?あの化け物がまた来るかもしれん!」


 化け物?


(勇者小角さまが、この周辺で魔獣を倒していますわン)


「骨董だが使える太刀、槍、薙刀がある!」

「龍木さん、暴徒化した奴等とか来ないか?心配なんだが」


 数人の男性が言寄っている。


「そのための武装と灯りだ。明るければ、少しはまともになるだろう?」


 ふっ、と私達の方に振り向くお爺さん。


 感が鋭い!


 この人こそ、武道の心得があるのでは?


「孫が来たようじゃ、打ち合わせはちょっと待て、アルジか?どうした?」


「爺ちゃん、俺……」


「待て、お前本当にアルジか?異様な雰囲気だな?」


「俺だよ。爺ちゃん急ぐんだ、この子に、秋津川さんに長巻いいかな?爺ちゃんが研いだ長巻」


「アルジ、何があった?」


「帰ったら話すよ、長巻、頼んだよ!ホッシー行こう」


「了解、アッキー、あとで合流ね!」


 そう言ってふっと消え去るホッシーと龍木くん。

 私と目が合うお爺ちゃん。


「秋津川さん?ああ、あの秋津川さんか?」


「あの?」


 マートルはお店の中を物色している。


「ドワーフの鍛冶屋より面白いモノが沢山ある!僕、ここ気に入ったよ!」


 取敢えず、マートルは放置、と。

 まずは挨拶かな?初対面だし。


「今晩は、秋津川空です。何も言わず武器を貸してください」


 駄目なら無断拝借する。

 ごめんなさい、お爺ちゃん。急いでいるんだ。

 多分、裏の倉庫みたいな所にある?


「君は、孫が虐めていたという、あの秋津川さんか?」


「……」


「ワシからも、謝罪を。すまなかった、イヤな思いを今でもしているであろう」


「!?」


 このお爺さん、虐められたことがあのだろうか?


 挿絵(By みてみん)


「ついてきなさい、長巻は裏の倉に保管してある」


「え?」


 し、信用してくれるの?

 武器だよ?

 危険物だよ? 


「何も聞かず貸そうではないか」


 そう言って、ニヤリと笑うお爺ちゃん。

 裏の倉庫は表のお店と違い、博物館みたいにきちんと陳列してあった。

 照明はお爺さんの手にある小さな蝋燭立てだけである。


「これが長巻だ、持って行きなさい。横にあるのが鞘だ。鞘は私の手作りだからあまり丈夫ではない、当てにするなよ」


 その太刀は異様な形であった。


 長さは2mほど、その半分くらいが柄、握り手部分なのだ。


「槍?いや、薙刀みたい」


 その刃は蝋燭の光を反射し、凄みを放っていた。


「昔の戦場では多く使われていたみたいだがな、映画やテレビではあまり使われていない、見るのは初めてではないか?」


「はい」


「急ぐのだろう?持って行きなさい、他にも必要なモノがあれば、遠慮はいらぬよ」


「いいんですか?」


「かまわぬ」


 なんで?

 龍木君に対する信頼が厚いのかな?

 いや、でも、それだけでは?


「じゃ、僕、これ。これ知っているよ、投げるヤツだ」


 クナイ?

 マートルは手裏剣らしきモノをゴッソリ手に持つ。


「あの獣、夢の中で見たことがある」


「!」


 え!?お爺ちゃん?


「夢の話だ。あの場に、あの夢に、君もいたような気がする」


 このお爺ちゃん、誰?

 誰だこの人?


(ご主人さまン!ホッシーさま達がエンゲージですわン!)


次回配達は 2023/09/13 朝の予定です。

サブタイトルは 【第38話】攻防戦4 未知の兵器 です。

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