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続 The Lily 前世の記憶は邪魔である   作者: MAYAKO
第一章 礼羽編
31/95

【第31話】円卓の騎士と楠の誓い2     

お早うございます。

朝刊です。

「そんな、どうして?昔からあった大きな木なのに……駅前の、街の象徴!」


 枯れた葉と一緒に、小枝が折れ、降ってくる。

 その音は大きく、雨のようである。


「あんなに緑で、綺麗だったのに!子守りの楠!」

「まるで、私達の身代わりみたい」


 ホッシーのその悲しい声と発言は、皆の胸を打った。

 毎日見ていた大きな木だ。

 

 彼らは、枯れていく木を始めて、その目で見たのだ。


 彼らはもう引き返せない。

 人、ならざる者。


「!」

「きっとそうだ」

「身代わりだよ」

「数百年の命を俺達に、くれたんだ!」

「枯れた楠に誓おうぜ」

「ああ、左近、そうだな」

「桃園ではなくて駅前の楠、子守りの楠の誓いね」

「ホッシー、詩人だろ?頼むぜ」

「ええっ!?」


 パーシーの目が、悪戯っ子のように光る。


「無茶振りする悪童達に無理強いされ、愛しいアッキーのためその身を捧げ、誓いの文を苦作するホッシー、その運命やいかに!?……モエます?ホッシー」


「……ちょっとパーシー、貴方の方が向いていない?なにそのセリフ!まあ、モエるけど……ではいくわよ!」


 ホッシーは子守りの楠に対して、抱きしめるように両手を伸ばす。


「私達6人、生まれや育ちは違うけれど、この街を、人々を守り抜き、再び黄泉路につく時は、皆同じ日、同じ時を願わん!どう?」


「いいね「「「「「私達6人、生まれや育ちは違うけれど、この街を、人々を守り抜き、再び黄泉路につく時は、皆同じ日、同じ時を願わん!」」」」」」


「私は皆のために!皆は私のために!」


「「「「「私は皆のために!皆は私のために!?えっ!?」」」」」


「ちょ、ホッシー!?えええっ!?私のため?」


「そう来たか、ホッシー!」


 ニヤけるホッシー。


「私のためって、特定した方が想い、強くならない?それぞ皆が、それぞれのために動いてくれるのよ!」


「奥ゆかしさが足りない気がする」


「そこ!うるさいっ!」


 枯れた葉は音を立て降り積もり、黄泉帰らなかった仲間を覆い尽くした。


「弔っているみたいだ」

「そうね……」

「俺達は、もう普通の考え、この世界の考えじゃないんだな」

「ああ、師匠朱天童子の教え、戦国時代みたいな教えだ、敵を倒し、守るべき命を守る、一瞬の判断で生きるか、死ぬか、が決まる」


 挿絵(By みてみん)


「全部思い出した?」

「いや、半分も思い出していない」

「それ聞いて安心したよ、俺、ほとんど思い出せないもん」

「じゃ、キャプテン、行くか?」


「……」


「どしたん?」

「高野はテル、龍木はロンギ、ホッシーはホッシーだな」

「……まあ、そうですケド」


 左近は続ける。


「十文字はジーク、畑野はパーシー、で、オレは?」

「キャプテンという呼び名はイヤだと?」

「え?いやぁ、イヤじゃないけど、色々とダブるからさ」


 ホッシーが呟き始める。


「山波左近……なみ、波、左近、さ、コン……波左……ハーサー!」


「えっ?」


「今から、ハーサーね!決定!」


次回配達は 2023/09/07 朝の予定です。

サブタイトルは 僕の名は? です。

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