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続 The Lily 前世の記憶は邪魔である   作者: MAYAKO
第一章 礼羽編
29/95

【第29話】蘇る記憶     

お早うございます。

朝刊です。

すみません、朝刊にしては遅いですね。

ちょっと遅れました。

 駅前に立つ6人。


 ホッシーこと、星野輝里ほしのきらりがマッパのキャプテンを見つめる。

 背中にも認められる手術痕。


(リハビリ、大変だったろうなぁ、後遺症とか無いのかいしら……)


 ホッシー自身の服装はボロボロである。


(さすがにこれは恥ずかしいわ、ファンには見せられないお宝容姿!ああん、一部のファンにはご褒美かしら?)


 目聡いホッシーは自分のスポーツバックを見つけ出し、ちゃちゃっと着替える。


(おじいちゃんもおばあちゃんも、あのチビちゃんも気配を感じない、逃げ切ったみたい)


「確か、もうワンセット……あった!」


 引き裂かれたスポーツバックから、予備のジャージを引き出し、キャプテンに渡そうと近づく。


 挿絵(By みてみん)


「キャプテン、これ、私のだけど着る?」

「あ、ホッシー?」

「振り向かないでっ!」

「え?」

「変なモノ見せないでッ!」

「あ」

「あ、じゃないわよ!もう!はい、これあげるから!」


 ジャージ上下を差し出すホッシー。


「あ、ありがとう……洗濯して返すね」

「いい、いらない。返されても着ない」

「なんで?」

「生理的に無理」


(着れるわけないでしょう!ホッシーとしては無理っ!それにファンが許さないと思う!)


「そ、そうなの?」

「そうなの!」


 もそもそ。


 ホッシーと喋りながら、ありがたくジャージを着る左近。


「凄い傷ね、クルミちゃんから話だけは聞いていたけど、背中にも……」

「……あまり見せたいモノじゃないんだ」

「あ、ごめんなさい」

「なあ、キャプテン、俺達、怪物に食べられたよな?」


 近づいてきたのは、自称盗塁王の1年生、畑野銀はたのぎんだ。

 メンバーからはパーシーと呼ばれている。


「ああ、高丸先輩の死体があそこにある……」


 氷のような目で死体を一瞬見る左近とホッシー。

 自然と6人が集まり、寄り添う。


「キャプテン、なにか夢の中であったよな?友達の死体見て、悲しい、怖い感情は湧くけど、静かな俺が心の中にいるんだ」

「あ、俺も!」

「ロンギ、お前も?」

「ああ」


 ロンギと呼ばれた少年は、きっちり学生服を着込んでいた。

 龍木主たつきあるじ2年生で副部長、ポジション、センターの強肩。

 守りの要で、バックホームはまるで槍、ランサーとも呼ばれていた。


 自然とホッシーに目が向う5人。


 その目は時々、銀色の満月のように輝いている。


 人の目ではない。


「え?な、なに?」

「いや、ホッシー先輩、何か知っているかなって思って」


 1年の長身、十文字右近じゅもんじうこんがホッシーに歩み寄る。


「ち、ちょっと!ジーク!あんたデカいんだから威圧感凄いのよ!?」

「あ、すんまっせん!」

「悪童監視者の私に、何を求めるって?」


(あああん、なに?このシチュエーション!)


 パン!


 霊音が響いた。


「あっ!」


 全員が、その音の大きさに身を竦める。


「ホッシー?」


「メロディが!今、凄いメロディが浮かんだ!」

次回投稿は 2023/09/06 朝の予定です。

サブタイトルは 【第30話】円卓の騎士と楠の誓い の予定です。



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